第133話 会社《ギルド》選びは慎重に、一度選ぶと簡単には抜けれません。
さて、これからどうするか。
突然現れた巨大なブルードラゴンに驚いて、攻めて来てる部隊は戦意を失って、動きが止まっているし、この状況なら戦う必要はなさそうだな。
とりあえず話し合いをしたいが。誰を使者にするか。
ザッザッダン!!!
「ふん、こんなザコども、わたしの炎を出すまでもないわね。見てなさいご主人様! すぐに終わらせてあげるわ」
「はいはい、君が行くと、ややこしくなるから、こっちでお酒でも飲んでてくれ」
「ちょ! なんでよぉ!!」
「チュウ! 白銀様! お久しぶりでチ!」
確かこのネズミ族は、リーダーのモコナだったか。村のネズミ族なら使者には、問題ないか。
「久しぶりですね。モコナさん。まずは謝罪をさせて下さい。自分のせいで、あなた方の領主様を怒らせてしまったようです。大変申し訳ありません」
「何を言ってるのでチ! 白銀様がいなければ、我は一族残らず、死んでいたのでチ! 頭をあげてくださいチ!」
「そう言ってもらえると助かります。ですが、このまま、領主様が雇った人達を殺してしまうと、後戻りができません」
「そうでチね。確かにそれはこまりまチュ」
「そこで、お願いがあるのです。相手が戦意を失っている今ならば、話し合いができると思うのです」
「確かに、相手の方達は、武器も地面に落としてしまってます!」
「ですが。我々が近づけば、あちらの方達は、恐怖で何をするかわかりません」
「そうでチね」
「そこで、村のネズミ族達で、相手のリーダーに伝えてほしいのです。こちらに戦う意志はないと、領地の者を攻撃はしないでしょうが。何かあった時は、我々が動きますので、お願いします」
「わかったでチ! 白銀様! 我々の一族の為、やらせていただきまチュ!」
「【チュウチュウ! 通ります! 通して下さいでチ】」
「マジどうすんだよ。あんなデカブツ聞いてねぇよ。大体ドラゴン退治だって」
「あ、あねさん、ネズミの大群がきます!!」
「あぁ! 何寝ぼけてんだ、暴れてるネズミはいぴ……キ!! なんだあのネズミのたいぐんは! いったいどこからでやがった!」
「寝ぼけてるのはどっちですか。もお。えぇと多分ですが。あの村に住む、ネズミ族じゃないですか。武器も持ってませんし、白旗振りながらですし」
「なんだぁ? バケモノネズミから逃げて来たのか?」
「うぅん。どうですかねぇ。そろそろ来ますね。あねさん、通していいんですよね」
「そうだな。どの道他に選択肢もねぇだろ」
「了解しました。みな! ネズミ族に道を開けろ!」
ザッザッ!!
「わたしは、ネズミ族の族長、モコナと言います」
「あたしは、討伐ギルド、ドラゴンの牙で、リーダーをしているリュウネだ。で、でけぇドラゴンが出てきたこの状況で話ってなんだ。モコナさん」
「あのドラゴンに、乗って現れたのは、女狼族国王の白銀様になります」
「はぁぁぁぁ!! あれが国王だと! なんでそんな奴が出てくるんだよ!」
「えぇと、でチね。どうやら我らの領主様から全ては聞いていないようですので、お話ししますね」
「なんのことだよ」
「あなた方が、討伐の依頼を受けた、ネズミ族は、ジェリーさんといいまして、隣の国の白銀様が、我らを助ける為に、連れて来てくれた方なのです」
「げ! それじゃあ、あねさん! これって、私達、国同士の戦いの、時間稼ぎに利用されたんじゃないですか!!」
「あのアマァァァァァァ!! なにがドラゴン倒せたなら、ネズミ1匹簡単でしょだ!! 普通のネズミじゃ、ねぇじゃねぇか!」
「ど、どうするんですかあねさん! あんなドラゴン使役してる、国王に勝てるわけないですよ!」
「わかってるが。だからと言って、何もなく帰っても……」
「そこは、ご安心でチ!」
「この状況の、どこが安心なんだよ!」
「あちらにおられる白銀様は、戦いを望んでいないのです!」
「たしかに、あんな奴が戦うつもりなら、すでに私達は、死でいてもおかしくねぇが……」
「わかってもらえたなら、白銀様にあって、この戦いを終わらせてほしいで、チュウ!」
「国王にあうって……あそこに行くのかよ」
「あねさん、ほかに選択肢はないですよ」
「わぁってるよ! しゃあねぇ、行くぞ!」
「へ、もしかして、わたしもいくんですか?」
「あたりめぇだろ! あんな所に、1人で行けるか!」
「は、はい」
「話が決まったら、急ぐでチ!」
「いや、そんないそぐんじゃねぇよ」
「ダメでチ! はやくこの戦いを終わらすのでチ!」
「クソォ、なんでこんなめに」
ザッザッ。
来たか。リーダーは、金髪ヤンキー風の女性か。
「よくぞ我が申し出を受けてくれた。感謝いたします。美しお方よ」
「はっ! せじはよせ。それよりだ! 顔も見せない無礼な奴が、この状況で話し合いとは、なんの冗談だ!」
「あねさん! 何言ってるんですか! 私たち完全に負けてたのに」
「てめぇはだまってろ! 私達は、ドラゴンを討伐した、討伐ギルドなんだぞ!! こんなときでも!」
ズダァァァァァァァァァァン!!!!
[ドラゴンをとうばつだと!! 討伐とはころしたと、いうことか! こむすめ!!]グギャァァァァァ!!!
「ひっ!!」
【我が同胞を殺したと、そう言ったのか、もう一度言ってみよ!!!!!】
「あねさん! なにこんな時まで、カッコつけてんですか!」
「ぶぶぶぶ……ぐぎゅう……」
「なにたったまま気絶してんですか!! 気絶するくらいなら! 言わないで下さいよ!」
【こんな、者に我が同胞が……】
「はっ! ちが! ちがいます! ドラゴン様!!」
【ちがうだと……なにがだ、もうしてみよ】
「すぅはぁ、すぅはぁ。おちつけわたし。みんなの命がかかってるぞ。えと、私達が倒したのは、畑を荒らす、大型のトカゲでして、村のみんながドラゴンと、あだ名をつけてただけなんです!! だからドラゴンとは、にてもにつかない、まったくの別物なんです!」
【ふん、くだらん。人間の欲深さは命より重いと見える。邪魔をしたようだ白銀殿】
「いえ、今のはあちらの発言が原因ですから、問題はありませんよ」
「はぁぁぁぁぁ、たすかった」
「言葉には気をつける事だ。我と違い、気が短い者もいるからな」
「はい! 以後気をつけます! 国王様!」
「さて、原因の者が目を覚ますまで、待つとするか。モコナ飲み物などはあるか」
「はい! 今お持ちしますチ!」
「へ……あれ、あねさんが起きるまで、まさかわたしひとり……」
なんか、不幸な感じが、にじみでてるな。この部下の子。
「まぁまぁ、こちらで、お話でもして、落ち着いて下さい」
「え、あ、はい」
「あなたの上司は、いつもあんな、なのですか」
「じょうし? あぁ、あねさんは、そうですね。強がりが暴走する事が、よくありますね」
「そうですか、そうですか。それはいつも、大変でしょう」
「え、はい。そうですね。いつもいつも」
な、なんだ! 急にエクリアのざんげ教室がはじまったぞ!! エクリアに同類とでも思われたか。
まぁリーダーが目を覚ますまでほっとくか。
次は、再来週の月曜日予定です。
次の話は長々と、ざんげ、の話ではないです。
ブクマありがとうございます。