表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

132/155

第131話 契約は一方的にするとトラブルになることもあります!

 ズシィィィン! ズシィィィン! グルルルルル!!!


「は、は、はぁぁぁぁ!! マジで青いドラゴンじゃねぇか!!」


「ふふん、どう、驚いたでしょ、ご主人様」


「あ、ぁああ。魔法で作り出した竜じゃなく、本物のドラゴンだからな。男なら誰でも興奮するさ」


「なら、そんなに離れてないで、さわってもいいのよ」


「さわる! 大丈夫なのかドラゴンだぞ」


「問題ないわよ。わたしのペットよ。エクリアだってさわってるでしょ、ほらあれ」


 さわさわ。


「ほほう。ゴツゴツしていますが。なかなかに、キラキラとしたウロコもありますね。ファンタジーならば、高く売れるのでしょうが。異世界では、どうなんでしょうか?」


「は、はやいな。エクリア」怖いもの知らずにも程があるだろ。だが、触れるなら、さわりたいよな。ゴクリ!



 ザッザッ、グルルルルル!


「お! 頭を下げたぞ。なでていいってことか?」


「ふふん、ケモノでも、さすがにドラゴンだけあって、誰が偉いかわかるみたいね」


 デカい目で見られてるが、さわっていいんだよな。ゴクリ。


 さわさわ。


「おぉ、ワニ皮よりも、ツルツルゴツゴツしてるな。なるほど、この硬い体で、攻撃を防ぐわけだな」


【あなた様に、お願いがあります】


「ん? だれだ? どこからこえが?」


「あ! こら、ペットの分際で、なに勝手にご主人様に話してんのよ!」


「へ? ペットが、はなす?」


【はい、話しているのは、目の前のドラゴン、私になります】


「ドラゴンが人の言葉話すのか!」いや、定番だが。この見た目で話されると、違和感すごいな。


【おどろかせ、申し訳ありません。ですが、あなた様が、この辺りの人間の中で偉いのが、わかりましたので、話す事にしたのです】


 なんだ、やたらと、真剣に話してるが、何があるんだ?


「確かに、わたしは、この辺りの国王だが、なんの頼みがあるのだ」


【なるほど、国王でしたか。それならば、悪魔の子がしたがうのも、うなずけます】


「あくまのこ? なんのはなしだ?」



【この赤毛の少女の事です】


「だれが悪魔の子ですって! でかいトカゲのぶんざいで!」


【あなたですよ。あなた】


「えぇい! うるさいわよ! あんたは私に負けたんだから、わたしのものなのよ。黙ってなさい! 青トカゲ!」


【我は、この辺りをすべる者! 負けたからといって、したがい続けるなど、ありえぬ】


「なにがすべるよ、モンスターを野放しにしといて! 私が倒してやってんじゃないの」


【我は、土地を守っているにすぎぬ、モンスターを殺すのは我の使命ではない】



「ふぅ、よくわからないが。なんだか、イフリータが迷惑をかけたようだな」


「なっ!」


【話のわかる、主人で助かります】


「イフリータ、契約を解除して、ブルードラゴンさんを自由にしてあげろ」


「ふん! 契約なんてしてないんだから、どこえでもいけばいいでしょ!」


「ん? ちょっとまて、契約なしで、どうやって言うこと聞かせてるんだ」




【それは、わたしが話しましょう。あれは、わたしがモンスターの異変を調査していた時のことです】


 モンスターのいへん? なんの話だ?




 ザッザッ。


【おかしい。モンスターが1匹も居ないどころか、気配すら感じられない。これではまるで、勇者が通った後のようだ。だが勇者カイザーは死んだはず。ならばだれが】



「みょうな気配があるから来てみたら、これは中々の大物じゃないの」


【こえ! 人の声がすると思えば、こんな森の奥に子供】


「へぇ、人の言葉が話せるドラゴンなんて、中々にレアじゃないの」


【そういうあなたも、ただの子供ではなさそうですね】


「ふふん、まぁね。まずは、あなたの疑問ぎもんに答えてあげるわ」


【ぎもん、ですか?】



「この辺りのモンスターは、私が全て殺したのよ」


【な! そんな事が、あの勇者ですら、根絶やしには、できなかったのですよ】


「まぁ、正確には、モンスターが、わき出るたびに、燃やしてるだけだから、根絶やしとは少し違うわね」


【信じ難い話ですが。こんな闇に包まれた、森の奥に、普通の子供が1人で居るはずもありませんね。それで、あなたがモンスターを殺している者だとして、わたしに何か用があるのですか】



「ようってほどじゃないんだけど、あなたには、私のペットにでも、なってもらおうと思ってね」


【ペット? たしか人間が動物を】


「そうよ! 人の言うこと聞かなかったら、ムチで叩いて! 理解するまでなんども、なんども! 叩かれて、人の言う事を聞く存在になる! それがペットよ!」


 それはペットじゃないだろ!


【なにやら、わたしの聞いた話と違いますが。私に、そんな事をしている暇はありません】


「あら、ざんねんね。それじゃあ、力ずくで行かせてもらうわね」



【あまり森を壊したくないのですが。仕方ありませんね。濁流だくりゅうに抱かれ永遠の航海に旅立つがいい!『琉水球タイダルスクリュー』】


 ザババババ!!!



「へぇ、やるじゃない。水のない場所で、それだけの水を出すなんて、さすがね。それなら私はこれくらいかしら」


 ボッ!


【なんのマネです。人差し指に、炎を灯したりして】


「こうするに決まってるじゃない、ふっ!」


 ふわふわ。


【そんな、炎を飛ばして何がしたいのです。私の濁流にのまれ、すぐに消えるだけ】


「えぇ、すぐに消えるわよ。あなたの水がね。


【なにを、いって】


 ボッ! じゅっ! ぶしゃぁ!! シュ……


【わたしの水が、あんな火に、まけるはず】


「さぁ、お次は、言うこと聞くまで、1枚2枚3枚4枚と、ウロコを焼いてあげましょうか」


【な! やめなさい! やめるのです! それ以上近づくんじゃない!! ギャァァァァ! コホン! とこんな所です】





「イフリータ……やいたのか、ウロコ」


「焼くわけないじゃない、焼く前に気絶しちゃったのよ」


 気絶してなかったら焼いてたな。



「うちのメイドが、すまなかったな。ブルードラゴン」


【解放していただけるのであれば、問題はありません】


「そうか。そう言ってもらえると助かるよ。イフリータかまわないな」


「ふん、ご主人様が言うなら仕方ないわね。悪かったわね。弱い者いじめなんてして、あんたは自由よ、好きな所に行きなさい」


「おまえは」


【いえ、負けたのは事実ですからかまいません。それより、私に何かさせたかったのですか?】


「あぁ、あっちで、戦いが始まってるみたいだから、ブルードラゴンに乗せてもらって、連れて行ってもらおうと思っていたんだ」


【そう言うことでしたら、自由にしてもらったお礼に運びましょう】


「いいのか!」


【はい、どうぞ背中に乗ってください】


「じゃあ。お言葉に甘えて、よいしょ」


「でわ。わたしも、ほほう。なかなか高いですね」


「エクリア、お前も来る気か」


「えぇ、人の戦いを見届けるのも、わたしの役目ですから」


 そんな役目、初耳なんだが。


【それでは、参ります】


「あぁ、頼む」


 バサ! バサ! バサァァァ!

来週、水曜日予定です。


ブクマ、感想、ありがとうございます。


こんなに、更新が遅く長い話を、今年も読んでくれて、ありがとうございました。


よければ、来年もよろしくお願いします。


それでは、良いお年をお迎えください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ