第126話 挨拶回り、最後の村。初めての村を守る冒険者
あらすじ125話
女狼族の国王になった俺は、領地の村に挨拶回りをする事になった。
最初に向かった、ラヴィット族の村では、熊が暴れていたが、村人達が協力して倒していた。
ラヴィット族の村には、警備部隊と、魔法で創り出した光の化身、漆黒のバニーガールを残して、次の村に向かった。
次の村は、ラヴィット族の村と近い、他の領地の村に向かうことにした。
次の村は、本当に近かったが、ラヴィット族の村と同じで、巨大なフェンリルが現れても、村からは誰も姿を見せなかった。
フェンリの鼻でニオイを調べると、ウルフが大量に、いるというので、戦いの準備をして、村に入った。
村は小さく、ウルフのむれはすぐに見つかったが。
奇妙なことに、ウルフ達は必死で、前足を家の小さな穴に突っ込んでいた。
そんな、ふしぎな光景を見て、犬の本能が爆発したフェンリルは。
「穴掘りさせてください!!」とバーサーカーモードが発動したように、いちもくさんに、ウルフのむれに、突撃した。
フェンリルの姿を見て、ウルフは、逃げ出してくれたが。
フェンリルの向かった家からは、ネズミ姿の小人が現れ「家の中には子供がいます!」と言い出し、フェンリルに止まるようにいった。
当然だが、走るフェンリルが止まれと言われて、突然止まれるわけもなかった。
他の領民を殺すわけにはいかないので、名前を呼んで巨大なフェンリルを、再召喚し、俺の真上に瞬間移動させた。
当然俺は、フェンリルにつぶされたが、フェンリルがモコモコだったから、死なずに、すんだみたいだ。
落ち着いたところで、ネズミ族の代表、モコナと話すことにした。
気になっていた。家の小さい穴は、ネズミ族の出入り口で、家が人のサイズなのは、人族も、村に来るからだそうだ。
とりあえず、モンスターが突然、人を襲い出して余裕がないであろう隣の領主に変わって。
ネズミ族の村にも、女狼族の警備部隊と、ネズミ族の光の化身を、村に配備した。
他の領地の村を守る手伝いをする事で、隣の領主に、恩を売る作戦だ。
隣の領主とは、仲良くしたいからな。
女狼族の国王になったので、領地の村に、挨拶回りをすることになった。
最初に、ウサギ耳のラヴィット族の村。次に隣の領地ネズミ族の村。
それからも次々に、村を周り、全ての村に警備部隊と光の化身を配備した。
「ん、クロエ。村が見えたが。あれが最後の村でいいのか」
「はい、主人様。あの村で最後になります」
「確かあの村は、人の町から1番近いんだったか?」
「はい。ですので、モンスターによる被害は、他の村ほどではないと思います」
「そうだといいな」
ダッダッダ、ザザザァァァ。
「到着ですよ。みなさん」
「ありがとう。フェンリ」
「で、でかい……まさかこんな大きなモンスターが村を襲うなんて、うぅん! あきらめちゃだめ! 守るって決めたんだから」
ん? フェンリの下が騒がしいが。なんだ。
ひょい!
「おや、主人様。初めて村からの、おでむかえ、がありましたよ。さすがに町から近い村だけはありますね。やはりモンスターによる、被害も少ないようです」
「いや、クロエ。それは違うじゃないか」
「なぜですか。主人様」
「いや、だって、あの小柄な女性、拳銃みたいのフェンリにむけてるぞ」
「この……モンスターめ! この村は……わたしが守るって決めたんだから! 一歩ったりとも入れたりしないんだからね!」
「えぇと、ですね。どういえばいいですかね。まぁ、とりあえず、こんにちわ」
「へ? あ、すみません。挨拶もせずに、こんにちわ。って、じゃない! モンスターが話したって、だまされたりしないんだからね!」
「わぅぅ。困りましたねぇ」
「冒険者ルーシィ・トワイライトが、村を襲うモンスターなんて、成敗してあげちゃうんだから!」
「どうされますか主人様」
「うぅん。どうやって説得するか。む! 冒険者がなにかしている。クロエわかるか」
「あれは、魔ガンに魔力を、あつめているようですね」
「武器に魔力をあつめるか……」今出ていくと、攻撃されそうだな。フェンリにまかせるか。
「全ての精霊たちよ。わたしに力を貸して!」
ピカァ! シュゥゥ。
「何色にも光って、きれいですねぇ」
「ふふん。そうでしょ。わたしの必殺技なんだから……って! ほめられたからって、手加減したりしないんだからね!」
「どうしましょう」
「充電完了! ごめんね。あなたに、恨みはないんだけど。村を守るためなの! おとなしく倒されてちょうだい! 精霊力の弾丸エレメンタルストーム」
「おぉ! 七色のレーザー!」フェンリなら大丈夫だよな。
ズゴォォ!!「いただきます」パク。
「へ! パクって。あの食べちゃったら、こまるんだけど……うぅぅ。ごめんね、みんな。わたし勝てなかったよ」
もぐもぐ、ゴキュン!!
「うぅん。これは!」
「なんだ。フェンリ!」
「白銀さん! 色んな色してたんですけど、味はありませんでしたよ!」
「そうか。腹壊すなよ」
「あの魔力を一瞬にして消滅させるとは。さすがは我らの神、フェンリさんですね」
さて、冒険者ルーシィは、戦意を失ったみたいだし。話に行くか。
「クロエ。行くぞ」
「かしこまりました。主人様」
シュタ! ザッザッ。
「うぅ、わたしどうなるんだろ。頭から丸かじりされちゃうのかなぁ。それとも、わたし小さいから、ひとのみ……」
なんか。ひざ抱えてすごい妄想してるなぁ。とりあえず話しかけるか。
「コホン!」
「キャァァァァ! やっぱり死にたくないよぉ~! って、あれ? モンスターがおすわりしてる? それに仮面の人に、女狼族? どうなってるの?」
「それがですね」
目をパチパチさせる冒険者ルーシィに、自分が国王で、村に挨拶回りをしていることなどを話して、クロエが国王の書類を見せた。
サッ!
「あはははは、へぇ、そうなんだぁ。それじゃあ、あの大きなワンちゃんは、ナニかなぁ」
「国王白銀様の、強大な魔力で召喚されし、我らの里の神。フェンリル様になります」
「かかか! かみさま! そそんな、わたし神様に向かって魔法を! はっ! 先程は、大変まずい魔法を食べさせてしまい申し訳ありませんでした! 神様!」
「いえ、きれいな魔法でしたし、まずくはありませんでしたよ」
「ほ、ほんとうですか!」
「まぁ、おいしくもなかったでけどね」
「すみませんでした!」
「まぁ、怪我もないですし、気にしなくてもかまいませんよ」
「そんな! わたし大変な勘違いをして、国王様の召喚獣に、魔法を使ってしまったのに、ナニもなしだなんて……」
「そういわれてもですねぇ。どうしますか、白銀さん?」
ふむ、罰と言われてもなぁ。小さい体をふるわせて、必死に頑張る子に、何かする気にもなれんし。
冒険者なら、村人と仲はいいだろうし、村人との、つなぎにでも、なってもらうかな。
「でしたら、ルーシィさん。村の案内をお願いできますか」
「案内ですか? そんなに広い村では、ありませんよ」
「この村は、女狼族の領地ですが。他の領地よりも、人の町に近いので、村人に親しい者がいた方が、何かと助かりますので」
「そうですね。そう言う事なら、わかりました。お詫びになるかわかりませんが。ぜひ、案内させてください!」
次は、来週、水曜日予定です。
村の話は、最後の予定でしたが、書いていたら長くなったので、村の話は、終わりません。
予定している村は、これで全部なので、この村の後は、里の話になります。