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第119話 女狼族の里での生活。

あらすじ118話


王都からフェンリル神像を調査に来ていた、ジャンヌ隊長達は王都に帰った。



里では相変わらず、女狼族に囲まれたイフリータが、酒を飲んでいた。



そんな酔っ払いメイドイフリータに、女狼族の1人が質問していた。


力を失い、フェンリルが召喚できなくなっていた、フェンリル神像をどうやって俺が治したかだ。


俺もわからない謎を、イフリータは、すらすらと、説明した。



俺がフェンリル神像の魔力を奪い取ったから、その魔力をフェンリル神像に帰しただけだと、あっさりと話していた。


当然、真実を知った女狼族の視線は俺に集まっていた。


話し合いをする女狼族だったが。長であるヴィルディースは、何やら必死に、俺をフォローしてくれていた。



助かったと思ったら、女狼族の関心は、なぜフェンリル神像の魔力を抜いたのかの話になってしまい。


おバカ、フェンリがペラペラと、自分はフェンリル神像の魔力から召喚されたフェンリルだと話してしまった。


当然、今回の騒動の全ての責任は、俺にあるんじゃ、と話になってしまった。


だが、ここでも、長であるヴィルディースが必死に、俺をフォローしていた。


おかげで助かったが。俺をだまして里につれてきて、王にしようとしているヴィルディースだからな。


また何か、たくらんでいる雰囲気を感じてしまう。

 フェンリル神像の調査隊は、王都に出発し。


 フェンリル神像の力が失われていた原因は、俺がフェンリルを永久召喚したせいだとイフリータ、フェンリが女狼族に、話してしまった。


 けど、とくに騒ぎにはならなかった。


 まぁ問題は、ここまでバレてしまうと、女狼族国王の話は断りづらいし。


 どの道、俺の仲間が、完全に腰を下ろして、くつろいでるから、どこにも出発できないんだがな。



「むふふ。ここのお酒は、おいしいわね! ヒック。何杯でもいけちゃうわ。エクリアも飲んでみなさいよ」


「そうですねぇ。里も小さいですから、見るとこもないですし。いただくとしますか。でわ。グビッ! ほぉ。確かにイフリータさんの言う通り、辛味が絶妙ですなぁ」


「当然ですよ! この辺りは、自然にめぐまれてますし、農産物も豊富ですからね!」


「ふふ、私達が住むには最高の場所ねエクリア」


「そうですね。イフリータさん。白銀様が国王ならば、金の心配もいりませんしね」



 ……イフリータの胃袋を味方にされては、逃げ場がないな。


「タヌ! ご主人様! 大物ですよ!」


 ん? タヌヌ? ビチャチャ!


「おぉ、巨大なシャケだな。すごいじゃないかタヌヌ」


「タヌヌ!!」


 タヌヌと同じ大きさだな。さすがうちのメンバーでも上位の強さのタヌヌ様だな。


「けど、こんな山のどこに、そんなのいたんだ?」


「あっちに、大きな川があったので、見ていたら、魚がいっぱいでしたよ」


「そうだったのか。教えてくれてありがとうなタヌヌ」


「タヌ!」


 農産物にも水産物にも、困らない土地か、住むのに悪くはないか。



「タヌヌ、その魚食べるから持ってきなさいよ」


「タヌ、イフリータさん。どうぞです」ビチャチャ!


「先ずは、血抜きして、ぬめりとウロコを燃やす!」ボッ!


「タヌヌ、ごうかいですね」


「酒のつまみなら、塩焼きかしらね」


 ジュウゥゥゥ……


「タヌヌ、美味しそうですね」


 タヌヌも楽しそうだな。




 さて次は、タヌヌが言ってた川でも見てみるか。確かあっちの林だったか。


 サァー。


「お、川の音だな。10分くらい歩いただけか。思ったよりは近かったな」


 ザパァン!!


「ん? やたらと大きな水音だったな? 巨大なシャケでも、はねたのか? 水の音がしたのは、この巨大な草の向こう側か?」


 ガサガサ……ちゃぷちゃぷ。ゴクリ……


「ふぅ。なんて、すんだ水なんだ。僕の体をとぎすますのに、ふさわしぃでわないか」


 つい隠れてしまった。まさかエクスが裸で水浴びしていたとは……だが、わざとじゃなくても、のぞきがバレたら、また冷たい目で見られるよな。


「はぁ、またですかマスター。聖剣の持ち主ならば、少しでいいので、まっとうな人間になってくれ」とか言いそうだな。



 にしても、やはり、元が聖剣とは思えないほど白い肌だ。そして、のど元を水滴がつたり、胸、お尻、ふともも、に落ちていき、肌が輝いている……うつくしい。水滴になりたいものだな……。



 ばしゃばしゃ。


「ふぅ。それでマスターは、いつまで見ているのだ」


 げ! バレてた。ガサガサ。


「いやぁ、エクスこれはだな。別にのぞいてたんじゃないぞ。タヌヌからこっちに川があるって聞いてだな」


「ぐっ!! マスター!」


「なんだ!」ん? エクスが顔をそむけた?


「言い訳はかまいませんから! あっちにいくのだ!」


「なんだよ。エクスそんなに怒るなよ」


「ぐっ。毎度の事ゆえ怒ってなどおりません!」


「いや、そんなに、のぞいてないと思うんだが」


「下を見られよ! マスター!」


「した?」あっ、俺のズボンに大きなお山ができてた。


「はは、いやぁ、これは失礼。ゆっくりなエクス」


「まったくマスターには、困ったものだ。あ、あんなものをみせるなど……」ぶくぶく……。




 ザッザッ。


 はぁ、あせった。不可抗力とはいえ、聖剣で真っ二つされなくてよかった。



 それで今どこだ? 逃げるように来たからなぁ。えっと、ここは確か畑があった場所か。


 ん、あれは、クイーン? 畑で何してるんだ?


「あらあら、ここの野菜は、魔力にみちてるわね。生で食べても美味しんじゃないかしら。お犬さん」


「ふふん。当然ですよ。このあたりの土地は、農産物の天才。ラヴィット族が管理してますからね」


「へぇそんな凄い種族が居たのね。どんな魔力の味がするのかしらね」


「クイーンどの?」


「あらやだ。ご主人様がいるのに、私ったら、昔の本能が目覚めるところだったわ」


「よくわかりませんが。その野菜は差し上げますよ」


「ふふ。ありがたくいただくわ」


 ……クイーンも楽しそうだが。勝手に魔力吸収したりしないよな……。


 クイーンは、俺の奴隷だし大丈夫か。


 さて、あとはエルザの様子でも見てみるかな。



 ザッザッ。いたいた。


 里が小さいから聞いたらすぐ場所がわかるな。


「エルザ」


「何かようかい。白銀様」


「いや、大した事じゃないんだが。みんなの里での暮らしを見てるんだ」


「ふぅむ。里でのくらしかい? なにやら、物足りなさはあるが」


「あるが?」


「風はきれいだし。静かで住むには悪くないんじゃないか」


「エルザも、問題はないか」


「そうだね。国王の話は受けるのだろう白銀様」


「そうだな。悩んでは居たけど、俺のせいで戦争になっても困るしな」


「君ならそう言うと思っていたよ。ユーリ」


「はは、そうか」魔王の娘だけあって、俺の考えはお見通しって感じかな。


 さて、そうと決まったら、先ずは里を守れるようにしないと。里の周りに柵でも作るか。


 里の周りに何もなくて、出入り自由だと、攻められたら、里を守れないからな。


 とりあえず、女狼族の国王になる事をヴィルディースに言わないとな。

来週、木曜日予定です。


遅いのに、評価ありがとうございます。

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