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第114話 天使エクリアのお仕事。ジャンヌとの和解

113話 あらすじ



フェンリル神像調査隊、隊長のジャンヌが降臨させた大天使ガブリエルの虐殺ぎゃくさつを仮面の力で止めたまではよかったが。



大天使を殺していいのかわからず、悩んでいた。


すると、おバカ天使エクリアが現れ、ガブリエル先輩が人の為に動いたりしないと言い出した。


エクリアは、天使の羽を出し、地面に倒れたガブリエルを、光り輝く天使の羽でビンタをした。



ビンタされたガブリエルは爆発し、悪魔の姿になっていた。



大天使の姿を見てジャンヌも動揺していたが。やはり悪魔だけあって、言葉巧みに、自分は悪魔の姿に、変身させられただけだとジャンヌに話していた。


ジャンヌは、ガブリエルと共に助けた人々の事を思い出し、エクリアを悪魔と呼び怒り狂い出してしまった。



フェンリが、道をふさいで、ジャンヌを止めていたが、天使のエクリアでも、ガブリエルが悪魔だと証明するすべがなかった。



困っていると、エクスが声をかけてきた。


エクスは以前、戦いを頼んだが、その時は断られた。今回は特別なようだ。


エクスが、祈りを捧げると、胸の谷間から剣の持ち手が現れ、引き抜くと聖剣が姿を現した。


あの姿は、俺が見たアニメと同じ光景だった。


つまり、俺の願望がエクスにやらせたのだろう。すまないエクス。だが! ナイスな演出だったぞ。



聖剣の光を浴び、ジャンヌは正気に戻り、悪魔は聖剣の光に苦しんでいた。


そんな悪魔の姿を見てジャンヌは、理解したように、座り込んだ。



これで、悪魔を殺しても問題ないと思い。悪魔にこんな事をした理由を聞いたが、本当の事を言っているかもわからない、ほど適当な話し方をしていた。


他に聞いても同じだと思い、エクスの聖剣で悪魔を跡形もなく浄化した。



戦いは終わったが、問題は山積みだ。


女郎族の国王になってしまった事。


召喚獣フェンリルを召喚するのに必要な、フェンリル神像の首をへし折った事だ。

 はぁ、とりあえず誰も死なずに、戦いは終わったが。これからどうするかな。


 女狼族と調査隊の連中は、まだ気絶したままだし、和解できないかジャンヌと話すか。


 ……と言っても、信じてた大天使ガブリエルを失ったジャンヌは、目が人形みたいで、マネキンみたいな顔して、ぶつぶつと何か言ってるんだよな。しばらくはほっとくべきか……




「はぁ……ガブリエル様が悪魔だったとは、私はこれから何を信じればよいのですか……天使様……」


 ザッザッ! 


 ん? エクリア? ジャンヌに近づいて、何する気だ?



「はい、天使ですが。何かご用ですか? 金髪美女さん?」


「てんしさま……」


「はい、天使ですがなにか!!」


 ……呼ばれたと思っただけか。


「私は、偽者の天使に騙され、人々の為と思い、言われるがまま、任務を遂行してきました」


 なんだ、ざんげが始まったぞ!


「それは辛かったでしょう。私もよく、だまされて、辛い仕事をやらされましたよ」


「天使様をだます者がいるのですか!」


「はい、ですが。だまされたといって、落ち込んではいられないんですよ! 新たなる目的の為には! 試練はつきものですから!」


 エクリアの奴、いいこと言ってるが、多分、目的は人間界で遊ぶ事だったんだろうな。それで神様にお仕置きされてたと。




「天使様が頑張っているのに、人間の私が1度や2度の失敗で落ち込んでいられませんね」


「そうですよ。目標がなければ、何度も探すのですよ! わたしも、目的の物がなくても諦めず、隠れたボロ小屋おみせまで探したものです!」


 話からして、人間界の買い物か、何を買いたかったんだエクリアは。




「天使様がそこまで……天使様。いえ、天使エクリア様、悪しき悪魔にまどわされ、道を見失っていた私に、ただしき道を導いて下さり、感謝いたします!」


「へ!……え、えと。迷える者が居れば導くのは、当たり前です! 天使ですから!」


「はい! エクリア様」


「さま。悪くないですねぇ」


 ジャンヌが、エクリアに祈りを捧げてる……いいんだろうか。おバカ天使なんだが……


 まぁ、あのままだと、ジャンヌの心が壊れてたかもしれないし、この方が良かった……よな。




 まぁ、これで話ができそうだし、ジャンヌと話すか。


「コホン。ジャンヌ隊長。落ち着きましたか」


「これは、白銀様。お見苦しい姿を見せてしまいました」


「かまいませんよ。誰も死んでいませんから。それに、誰にでも間違いはあるものです」



「……そう言ってもらえるのは、ありがたいのですが。こちらは戦線布告し、敗北した身です」


「……」


「ですが、部下達は私の命令にしたがい行動しただけです! ですから部下達だけでも、王都に帰してもらえないでしょうか」


「その事なら最初からそのつもりです」


「ありがとうございます! 白銀様」


「それと、ジャンヌ隊長にも、王都に帰っていただきます」


「ですがそれは……」


「我々は、王都と戦争するつもりはありません。その為にも、今回の件は、水に流し、王都とは、これからも交流を続けたいのです。その為にもジャンヌ隊長に残られては困るのです」


「……わかりました。私は王都に戻り、今回の出来事を王都の者達に伝える役目をしましょう」


「そうしてもらえると、助かります」



(完璧な演技でしたよ。ご主人!)


 あぁ、思っていた以上に上手くいったぞ。シンリー。


(ふむ。もう問題はないですね。私の役目は終わったのでこれで失礼しますよ)


 あぁ、助かったよシンリー。


(はぁい。あぁそれと仮面は、外れるようになってますから、好きな時に外して下さいね)


 わかったよ。またなシンリー。


(ではでは!)ヒュン!


 いったか。てか、あいつこの仮面に住んでるんじゃないのか? どこに帰ったんだ……考えてもわからないな。


 さて、ジャンヌとも和解できたし。女狼族と調査隊を起こして、これからの話をしないと。





 先ずは女狼族を起こし、戦いに勝った事を伝えた。


「さすがは我らが国王様!」


「それにしても、私達が気絶してる間に、ジャンヌ隊長を倒してしまうとは、驚きました」


「ですわね。ジャンヌ隊長が、負けた事実を認めてあやまってましたから、間違いありませんわね」


「そうだな。後の問題は……ヴィルディース」


「あぁ、わかっている。ジャンヌ隊長達の処遇しょぐうは、倒した白銀様に任せるとして、問題は我らの神、フェンリル神像様の首が折れたのが事実と言う事だ!」


【あぅぅぅぅ!! やはり夢ではなかったぁ!】「どうするんですの!」



 とりあえず、フェンリル神像の周りで、全員元気に遠吠えを始めたな。


 しばらくそっとしといてやろう。さて、次は調査隊を起こすか。



 次に、ジャンヌが回復魔法を使い、調査隊を起こした。


「みんな起きなさい。戦いは終わりましたよ」


「え、ジャンヌ様。それに白銀様!」


「えと、これはどうなってるの?」


「だよね? 今戦いは終わったって、聞こえたのに、敵の白銀様が無傷に見えるんだけど?」


「それに、大天使ガブリエル様も居ないですよ?」



 みんな混乱してるな。当たり前か、大天使ガブリエルを見てすぐに、気絶したんだから。


 ジャンヌも話しずらいだろうな、大天使が悪魔だったんだし。


「大天使様は……」


「大天使ガブリエルならば、私の力で天界に帰ってもらいましたよ」


「白銀様!」


 本当の事教える必要はないよな。ジャンヌには、今の地位を維持してもらった方が、都合がいいし。



「はわはわ! 白銀様が大天使様を天界に帰したなら、もしかして……」


「ジャンヌ様が負けたのですか?」


「はい、私の完全な敗北でした……」



「じゃあ、私達、奴隷になるのかな」


「そんな! けど、帰っても、任務失敗の罰が待ってるだけだし」


「ノォォォォォ!!! 進むのも帰るのも地獄じゃないかぁ!」



「みな、落ち着きなさい!」


【ジャンヌ隊長!】


「我々の処遇しょぐうは、既に決まっています」



「しょぐう! やはりどれい」


「まさか、みせしめに、処刑……」



「我々は、白銀様より依頼を受け。王都に帰還し、女郎族が国をつくった事。そして女狼族に、国王が誕生した事を、王都に帰り、報告する任務を頼まれたのです」


「それって、帰れるって事」


「帰れるのはいいけどさ、結局任務は失敗だし、帰っても、罰が待ってるんじゃ」



「コホン。フェンリル神像の事ですが」


【白銀様?】


「壊して調査不能にしたのは、うちのフェンリですから、こちらが調査を嫌がり、わざと壊したとでも、手紙に書いておきますよ。ですから、みなさんが重い罪に罰せられる事はないでしょう」


【ほんとうですか!】


「えぇ、ですから安心して王都に帰還するといいでしょう」


「王都に帰れるぞ!」


「確かに、罰が軽くはなるだろうけど。任務失敗に変わりないから、減給はあるんじゃないかしら」


「げんきゅう!! ノヴァー! けど反逆罪とかじゃないから、減給ならいいよ!」


「まぁね」



 こんなとこかな、まぁ実際フェンリル神像、壊したのはフェンリだから、ウソは言ってないよな。


「白銀様。戦線布告をした私だけでなく、部下達にまで、配慮して下さり、ありがとうございます」


「かまいませんよ。こちらは、戦いをのぞんでいない事を伝えたいだけですから」


「白銀様……」





「ほら! イフリータさん! あれが証拠ですよ! 白銀様が偉そうに話してるじゃないですか!」


「本当ね。マジで国王みたいに話してるわね」


「タヌヌ! 白銀様は国王様で、ご主人様ですか?」




 ……エクリアの奴、居なくなったと思ったら、国王になった事を面白がって、待機してたイフリータ達に伝えにいってたのか。


 まぁどの道話すからいいか。

更新は、来週水曜日予定です。


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