第111話 ジャンヌ聖女の祈り。大天使ガヴリエル降臨!
110話あらすじ
女狼族の里に到着するなり、女狼族の国王にされてしまった。
仕方なく、女狼族の守り神、フェンリル神像の調査をしたいと言う、王都の調査隊の話を聞いたが。
5年調査すれば、フェンリル神像を修復し、召喚獣フェンリルは、復活すると、あからさまなウソを言っていたので断った。
なぜウソとわかるかと言うと、フェンリルは、俺が永久召喚して、フェンリとして目の前にいるからだ。
調査隊の話を断ると、俺は、裁きの牢獄に捕らえられてしまった。
精霊神の仮面の解説役シンリーのおかげで、裁きの牢獄は、捕らえた者の魔力を吸収して放出するとわかった。
だが俺は賢者の石で魔力無限だから、問題はなかった。
けど、裁きの牢獄からの脱出方法がなく、悩んでいると、神風が吹き、背後からフェンリの話し声がした。
振り向くと、フェンリル神像の生首が、目の前にあった。
どうやら、フェンリは、自分の家だったフェンリル神像を綺麗にしていたみたいだが。
山を消しとばす力でみがいたらしく、壊したようだ。
壊れた、フェンリル神像を見て、女狼族は、全員気絶してしまった。
だが、疑問があった。俺は、裁きの牢獄に捕まっているのに、その中にフェンリは立っていた。
調査隊が混乱している隙に、フェンリから聞き出す事にした。
フェンリは、蹴り壊したと話していたので、周りを見ると、視界がゆがんで、裁きの牢獄の光の柱が消えてる場所があった。
フェンリの主人として、カッコつけて。
「わたしも同じやり方で『いま』光の柱を別次元に消し去るところだったのだ」と話すと。
願望スキルが発動して、裁きの牢獄の光の柱が全て消えてしまった。
俺は、フェンリル神像が壊れた事で、調査隊が帰って、くれるんじゃないかと思ったが。
調査隊、隊長のジャンヌ・ダルクは。
「フェンリル神像の調査、修復の代わりに、女狼族国王を捕らえ、立国
《くにのたちあげ》を阻止した事で、フェンリル神像の調査ならびに修復の、任務失敗を許していただくしかありません!」
とか言い出してしまった。
普通に戦って、間違って殺してしまって、戦争になっても困るし、仮面の力を使って、ジャンヌ隊長の動きをゆっくりにして、捕らえる事にした。
「国王白銀様。申し訳ありませんが、我らの名誉のため、倒させていただきます」
ジャンヌ隊長は、何か祈りを捧げてるのか、足元のあれは「魔法陣か……」
「私に、神々の声を届ける使者、大天使ガブリエル様。姿を表し、神からの啓示を遂行する、妨げを浄化の光で消し去りください!」
「大天使……だと」そんなの呼べるのか。いや、うちにもダメダメ天使はいるが、普通に呼べるもんなのか。わかるかシンリー?
(いえ、私には精霊神の仮面と名前はありますが。あくまで製作者の趣味なので、神の知識はありませんから、残念ながら天使はわかりませんね)
そうだよな。
(ただ、調査隊の様子からして、普通ではないのでしょう)
調査隊のようす。確かに騒いでるな。
「なになに! いまジャンヌ隊長、大天使っていったのか?」
「うん、聞き間違いかとも、おもったけど」
「ジャンヌ隊長は、農民の時に神様から力を貰ったって、うわさはあったけど……」
神様からだと!
(つまり、ジャンヌ隊長と戦うのは、神を敵にするって事ですかね)
はぁ、どうなってんだよ。
「あ! 見て下さいよ白銀さん! 空から羽がたくさん降ってきましたよ!」
「あぁ、羽だけでわなく、光り輝く天使様のお出ましだ」
「天使さんですか。ほほう、では、エクリアの仲間ですかね?」
「どうだろうな」
確かに、天使には天使だよな。相手は6枚羽の天使だが、居ないよりましなんだが……天使エクリアは、連れてきてねぇんだよなぁ。はぁ、こんな肝心な時にあのてんしぃぃぃ。
「大天使ガブリエル様、私の願いを聞き入れて下さり、感謝いたします」
「頭を上げなさい。聖女ジャンヌ」
「はい」
美女がひざまずき、天使を見上げてる……美しい光景なんだが……今からあれと戦うのか。おれ悪役じゃないか。
(まぁ、正義を貫くためには、正しい者を倒す定めもありますって)
やな言い方するなよ、シンリー。てか、あの天使は本物なのか、魔法じゃないのか。
(ふむぅ。本物かはわかりませんが。生体反応はちゃんとありますから、魔法ではないですよ)
はぁ。やな展開だな。
「聖女ジャンヌよ。神様から、与えられた使命を遂行するのに、あの者が障害なのですね」
「はい、ガブリエル様。あの者は、女狼族国王、白銀様になります」
「確かに、異質なまでの魔力を発していますね。人間の領域を遥かに凌駕して見えますね」
話せるなら話してみるかな。
「わたしは、女狼族国王、白銀と申します。大天使ガブリエル様は、世界を戦いの渦に、落としたいのですか」
「……」
ん? 見ただけ? ジャンヌ隊長が立ち上がった。
「ガブリエル様は、人間とは話せないのだ。よって白銀様の問いには答えられない。そして、私もまた神様からの使命は他言はできません」
「そうでしたか。それは残念です」
相手選んでんじゃねぇよ天使!
(おそらくですが。誓約をする事で力を強化してるのかと)
む? せいやく? 任務を他言しない事が、誓約って事か。
(ですね)
はぁ、戦うしかないか。
ジャンヌだけでもやっかいなのに、まさか大天使が出てくるとは、てか大天使とか倒せるのか。
しかもこちらは女狼族は、全員気絶したまま、あちらさんは、大天使に、聖女ジャンヌ、調査隊多数?
ん? なんか調査隊の様子が変だぞ。
「なぁ、大天使様は……すごいんだけどさ……わたし、からだが、おもたいんだけど……」
「わたしもよ……なんでかな、もう立ってられない……うっ!」
どす! バタン……。
な、なんだ! 調査隊がみんな倒れたぞ!
「どうしたんだ、みんな! しっかりしろ! これからガブリエル様と共に戦うのだぞ!」
「うっ、く、はぁはぁ。ジャンヌ隊長、すみません。かは……」
「みな、気を失ったのか……」
なんだ? 何が起きてるんだ?
「聖女ジャンヌ。悲しむ事はありません。皆が倒れた原因を排除すれば、みな意識を取り戻すでしょう」
「ガブリエル様、原因とはなんですか!!」
「あの者ですよ」
って!! 何俺見てんだよクソ天使が! 俺はなにもしてねぇぞ!
「な! まさか、これは奇襲だと……」
いやいや、ジャンヌまで何本気にしてんだよ!
(ふむぅ。やられましたねぇ)
なんだよシンリー。
(大天使ガブリエルが、調査隊から魔力を吸収してるんですよね)
な! じゃあ、ガブリエルが犯人なのかよ!
(ですね。まぁ理由はわかりませんが。こちらが奇襲した事になったので、すぐに来ますよ)
クソ! なんなんだよあの天使は!
「こちらも、裁きの牢獄で奇襲をしましたから、何も言う事はありません。白銀様。見事な奇襲でした」
いや、俺は何もしてないんだが。
「お互い奇襲をしたのですから、これで心置きなく戦えます」
証拠もないし仕方ないか。だが調査隊を奇襲したと思われるのは良くない気がするな。
「奇襲か、なんの話かわからぬな」
「この状況でとぼけるのですか! 白銀様!」
「やっていないものは知らんな。だが、戦う事に違いはない。わたしに勝てたら好きにすればよい」
「問答は無用ですね。ガブリエル様!」
「わかりました、聖女ジャンヌ。あなたは、国王白銀を撃ちなさい」
天使が殺すとか言うなよ。ん? ジャンヌが槍を構えてる。
「神々の加護を受けし化身達よ! 神の使命に導かれし聖女ジャンヌ・ダルクに、力をお貸しください!!」
ズガガガガガ!
ジャンヌの体に雷とか風とか集まったんだがなんだ!!
(能力向上魔法、全部がけって感じですね)
能力強化か。おれは……なにもおぼえてないな……
次は、金曜日、更新予定です。
戦い長くなりすみません。もうすぐ終わります。
更新遅いのに、ブックマークありがとうございます。