第110話 裁きの牢獄からの脱出。ジャンヌ隊長の決断。
あらすじ109話
奴隷だった女狼族を助けると、お礼をしたいと言われたので、女狼族の里まで来たが。
里は、王都の調査隊に占領されていた。
女狼族と調査隊が戦う事になり、俺は見学していようと思っていたが。
女狼族の長ヴィルディースの罠にはまり、女狼族の王にされてしまった。
王になった俺は、調査隊からフェンリル神像の調査の許可を依頼されたが断った。
調査を断ると、調査隊、隊長ジャンヌの魔法、裁きの牢獄で捕らえられてしまった。
周りには光の柱があり、触れた虫は消し飛んでいた。
裁きの牢獄から抜け出せないか辺りを見ていると、仮面の妖精が現れて裁きの牢獄の解説をしてくれた。
裁きの牢獄は、捕らえた者の魔力を吸収し、放出する魔法らしい。
だが俺は、賢者の石で魔力無限だから、なんともなかった。
おかげで、ジャンヌ隊長は、平気な俺を見て、青ざめていた。
だが、時間と共に、ジャンヌ隊長は、落ち着いてしまい。ジャンヌ隊長の動揺で裁きの牢獄が消えたりはしなかった。
どうすると考えていると、背後から神風が吹き、調査隊のスカートをめくり、赤白黄色、黒緑、と次々に、鮮やかな下着
俺の楽しい気分とは反対に調査隊は、青ざめ、泡を噴き出し、放心状態になっていた。
俺の背後に何があるのかと思っていると、フェンリの声が聞こえ、振り向くと。
フェンリル神像の生首が、置かれていた。
フェンリは「いやぁ、それがですねぇ。お家を外から見るのが、珍しくてですねぇ。せっかくだから撫でて綺麗にしてたんですよ!」
つまり、フェンリは、自分の家を綺麗にしていたら、力入れすぎて壊してしまったようだ。
まぁ、そんな無残な姿の神様を、女狼族が見たら、みんな気絶するよな。
「えとえと、なんだかわかんないけど、フェンリル神像がこわれちゃったよ」
「けど女狼族がみんな倒れた! これはチャンスだ」
「いや、チャンスかもしんないけどさ」
「なんだよ!」
「フェンリル神像が壊れたら、女狼族に勝っても意味ないでしょ。フェンリル神像の修復できないんだから」
「あ、たしかに、あれ? じゃあどうすんだ。この場合」
「任務失敗しかないわね」
「のぉぉぉぉ!」
隊員は、騒いでるがジャンヌ隊長は静かだな。
まぁ調査対象のフェンリル神像が壊れたんだから、仕方ないよな。ジャンヌ隊長は放心状態みたいだし、今のうちに牢獄から抜け出さないと。
あれ? そういやフェンリの奴、どうやって裁きの牢獄に入ったんだ? 本人に聞くのが早いか。
「コホン。それよりフェンリ、わたしはまだ、裁きの牢獄を壊してないんだが。フェンリはどうやって、裁きの牢獄に入ったんだ」
「さばきのろうごくって、なんですか?」
フェンリの奴、フェンリル神像の掃除して聞いてなかったのか。
「周りにある光の柱の事だ」
「あんなの簡単じゃないですか」
かんたん!
「白銀さん。まさか、わからないんですか?」
そんなに簡単なのか。
(そんな事ないと思うのですが。嘘言ってる顔じゃないですねぇ)
まぁ簡単ならいいか。格下に見られないように聞くか。
「コホン。参考までに聞いておきたいだけだ。決して困っているわけではないからな!」
(嘘がお上手ですよ! 主人様!)うるさいぞ仮面!
「邪魔だったんで蹴り壊しちゃいましたよ? まずかったですか? 白銀さん」
けりこわした? ん? フェンリの後ろ、視界がゆがんで光の柱が消えてる。
ジジジ!!
(ほう。ほう。初めて見ましたよ。あれは空間が切られてますね)
まさか、ファンタジーでよくある、空間を切り裂いたとか言うやつか……どんだけ馬鹿力だよ。
てか、簡単の次元が違いすぎだ。
まぁ、これは好機あそこから脱出できるぞ! ここは話を合わせなくては!
「いや、問題ない。わたしも同じやり方で『いま』光の柱を別次元に消し去るところだったのだ」
「なぁんだぁ。おどかさないでくださいよぉ。白銀さん」
「すまないな。フェンリ」
「いえいえ、白銀さんが言った通り、光の柱が次々に消えてきますよ」
え? 光の柱が空間に飲み込まれて、消滅していく……
ギュィィィィヒュイン!
「どぼぉぉぉ! やばいよやばいよ!」
「なにようるさいわよ! ジャンヌ隊長の邪魔でしょ」
「だだだだって、白銀様が光の柱を跡形もなく消しちゃったから」
「ほんとだ! どうするのこれ……古代の英雄様と戦うのかな」
「みな、落ち着きなさい」
【ジャンヌ隊長!!】
「はぁ、まさか。裁きの牢獄をも消し去るとは噂以上ですね。何をしたのかもわかりませんでした。さすがですね古代の英雄白銀様。いえ女狼族国王白銀様」
「ふっ少し、力を使っただけですよ」
「あれで……すこしですか」
「ふっ……」
のをぉぉぉぉぉ!! なにいまの、おれがやったの! 光の柱がヒュインって消えたぞヒュインって!
(ふむふむ、賢者の石が体になじんで、賢者の石に、願いが叶いやすくなったのかも知れませんね)
なるほど。
(いえ、信じないでください適当ですから)
そうか……まぁ牢獄から出られたからいいか。
これからジャンヌ隊長は、どうするかな。女狼族は、みんな気絶してるから、できれば戦いたくないんだがなぁ。
あれ? そういえば調査隊はフェンリル神像の調査をしたがってたんだよな。
(それがなんですか?)
フェンリル神像が壊れたんだし任務遂行、不可能だよな。
(そうですね)
フェンリル神像を調査できないんだし、調査隊が、このまま帰ってくれるんなら、結果オーライなんじゃないか。
(そう上手くいきますかね)
いかないかな、やっぱ。お、ジャンヌ隊長が話し出したぞ。
「はぁ、仕方ありません。フェンリル神像が壊れた以上、任務遂行は不可能」
お! 帰るのか!
「このままでは、国王様から裁きが下ります」
【そんなぁぁぁぁ!!】
「こんな若さで、反逆罪なんてやだよぉ!」
「ただ命令できただけなのに、そんなの……」
「みな、安心なさい。神は、どんなに過酷な試練を与えたとしても、全ての道を閉ざしたりはしないのです!」
【ジャンヌ隊長!】
(何やらあちらは、盛り上がってますよ)
勘弁してほしいんだが。フェンリもよろこんでるし。
「おやおや! みなさんやたらと気合いが入ってますよ! これは負けてられませんね白銀さん!」
「そうだな。フェンリ」
はぁ、無邪気でかわいいんだが。今はそれどころじゃない。
ジャンヌ隊長の目は明らかにやる気なんだよなぁ。
「フェンリル神像の調査、修復の代わりに、女狼族国王を捕らえ、立国を阻止した事で、フェンリル神像の調査ならびに修復の、任務失敗を許していただくしかありません!」
「確かにそれなら、国王様も許してくれますよ! ジャンヌ隊長!」
「さすがジャンヌ隊長だわ」
「けど、白銀様もだけど、フェンリル神像を壊した女狼族も強そうだけど……捕まえれるのかな?」
「大丈夫だよ! ジャンヌ隊長には、きっと考えがあるんだよ」
「確かに、そうだよね。そうじゃないと、戦わないよね」
(やはり、こうなりましたか)
はぁ、仕方ないか。こちらはどう戦うかな。とりあえずジャンヌ隊長が攻撃してきたら、仮面の力でゆっくりにして、拘束するか。頼めるかシンリー。
(了解です! 主人様。ジャンヌ隊長が攻撃を開始したら仮面の力で、胸の揺れから、ズボンにへばりついた、お尻の形まで、すべて逃しませんよ!)
いや、普段ならありがたいが、今回はそんなのじゃないからな。
(えぇ、頭の中では、喜んでましたよね!)
……さぁ、気合い入れるぞ!
次は土曜日、予定です。
ブックマークありがとうございます。