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第107話 召喚獣失踪事件 調査隊 隊長ジャンヌ・ダルク

あらすじ106話


奴隷にされていた女狼族を助け出した、お礼に女狼族の里に招待されたが。


女狼族の長ヴィルディースが、里から嗅ぎなれない人間の匂いがすると言うので、馬車を森に止め、見つからないように数人で、調査する事にした。



里に到着すると、山里にピッタリの小屋が無数にあった。


そんな田舎風景の中、目を引いたのが、巨大な犬の像だ。




ヴィルディースの話では、里の守り神様、フェンリル神像だそうだ。



フェンリル神像には、装置が取り付けられていた。


操作する科学者の話では、フェンリル神像の中にある、召喚獣フェンリルの魔力がない、原因の調査をしているみたいだ。



だが話を聞いただけで、俺には原因がわかった!


ごたごたしていて、すっかり忘れていたが。人間の王都では召喚獣フェンリルとイフリートが召喚できなくなって騒ぎになってたんだよ!


原因は、そう!俺の永久召喚で、フェンリルとイフリートを永久召喚したのが原因なんです!




解決できる方法もわからないから、調査隊の会話を聞いた。


調査隊は、女狼族の長から拒否されていたフェンリル神像の調査を、奴隷にされ里を離れた長の留守中に、里を管理していた部隊から、調査の許可を貰ったようだ。


だが現在、俺の活躍で、女狼族は奴隷から解放されているから、調査隊は焦っていた。


長ヴィルディースが帰ってきたら、里から追い出されるからだ。



そして、鼻の良い女狼族は、隠れて居る、長に気が付き、科学者にケンカを売り始めていた。



科学者は、原因不明で、フェンリルが召喚できなくなった調査がしたいだけだと話していたが。


怒る女狼族のクゥリュアには、何の意味もなかった。


実際、フェンリル神像の中身は、俺の横に居るフェンリだからな。


フェンリも、自分の神像を見て、里での暮らしを思い出したようだ。



フェンリと話していると、巨大な地震が起きた。


クゥリュアが怒り、地面を踏みつけただけの様だ。


怒るクゥリュアに怯えながら、調査隊は、国王の命令だと話していたが。


クゥリュアは、人間の国王なぞ知らんと、跳ね除けていた。



調査隊が、困り果ていると、純白の鎧を着た、金髪美女が現れた。


彼女は調査隊、隊長ジャンヌ・ダルクとわかった。



隊長だけあって、隠れて、偵察していた俺達に気がついた様だ。



隠れているのがバレたので、姿を見せる事にした。


 女狼族の里に不審な香りがあると、おさのヴィルディースが言うので、里を偵察していたが。


 召喚獣失踪事件、調査隊、隊長ジャンヌ・ダルクに隠れて居るのがバレたので、姿を見せる事にした。


 ガサガサ。コツコツ。


「あれが長のヴィルディース殿か。なっ! なんだあの仮面の者は!」


「ジャンヌ隊長! あの仮面と目を合わせてはいけません!」


「あきらかに、一線を超えた、何かですよ!」


 調査隊の言葉と冷たい視線が痛い。やはりこれが普通の反応か。はぁ、バケツ仮面だったらどうなってた事か、イフリータが仮面を作ってくれて助かったな。




【ヴィルディース様! お帰りなさい】


「あぁ、ただいまだ。みんな」


 ヴィルディースが現れたら、里に残ってた女狼族達が、姿を見せたな。


 女狼族は里の中に、まだ居るだろうし、調査隊は50人程だから、多勢に無勢だ。これなら戦いにはならないだろ。


「なんだヴィルディース。すごいの連れて帰ってきたな。私達の毛がざわついてやがるぜ!」


 ジャンヌに喧嘩を売ってた子が、俺を見て喜んでる?


「クゥリュアが喜ぶほどとは、これは話が早そうだな」


「前に話してたやつか。ヴィルディース」


「あぁ、目の前の問題を解決したら、話を進めよう。ちょうど王都からの使いも居るのだからな」


「そうだな」


 ヴィルディースとクゥリュアは、大事な話をしてるみたいだが。何の話をしてるのか、さっぱりだな。



「再会の挨拶はこれくらいにしましょう。この状況では、調査隊は早く帰りたいでしょうから」


「ちげぇねぇな。ヴィルディース。どいつもこいつも、今にも泣きそうな顔だからな」


「口が悪いぞ。クゥリュア」


「わりぃ。奴隷だ調査だと、ストレスが爆発寸前だったからさ」


「まぁ仕方ないですね。それでジャンヌ隊長、互いに自己紹介の必要はないですね」


「問題ないでしょう。長ヴィルディース殿。我らの国王様の名とはいえ、長ヴィルディース殿の留守中に、勝手に里に侵入した事、心よりお詫びします」


「詫びて許される問題ではない」


「くっ、では、何か、のぞがあると」


「話が早いな。ジャンヌ隊長。我らの守り神フェンリル様の調査を、二度としないと、国王に契約していただく」


「な……それは」


「こちらは、譲歩じょうほしているのだ。我らの領地には、商売で来る者もいる。だから、人間が領地に入る事を禁止はしない」


「ぐっ!!」


 んん、他人の事だが。怒ったとしても、無条件で帰した方が後々、揉めないと思うんだがなぁ。


 まぁ、フェンリル神像の魔力がないのは、俺がフェンリルを永久召喚したせいだから。


 全部、俺のせいだし……俺には何も言えないな。




 ジャンヌの部下も騒ぎ出したか。


「どうすんだよ。任務失敗どころじゃないぞこれ!」


「もしかして、私達、反逆罪とか言われて、牢屋に入れられるんじゃ……」


「バカ! 国王様が、そんな事するわけないだろ!」


「けど……これじゃあフェンリルが2度と呼べないんでしょ」


「ちくしょお! どうしりゃいいんだよ!」


「国王様の命令は絶対です。血を流したくはなかったですが、仕方ありません」


「ジャンヌ隊長!」


「え? なに? まさかたたかうんですか? ジャンヌ隊長?」


「他に選択肢はないのです。みなは下り援護魔法をお願いします」


【はい!】


 げ、ジャンヌ以外、後ろに下がって、戦闘準備始めたぞ。やらないだろ普通なら!




「おいおい、マジかよ、あの隊長さん。この数にやる気だぞ。ヴィルディース」


「はぁ、冗談とも思えないが。ジャンヌ殿、まさかこの数を1人で戦うおつもりか?」


「えぇ、申し訳ありませんが。我らは任務を遂行します」


「はっ! 私達を奴隷にして、戦わせる人間に、何ができるんだよ」


「私を、そこら辺の人間と同じと思われては困りますよ。クゥリュア殿」



 確かにライザ団長も、強かったが。この数相手に戦えるのか?


「私は小さい頃、ある方から、力を授かりました。普通の人間と思わない事です」


 あるかた? だれだ?


「はっ、どう違うかやってみたらわかる!」


「あ! クゥリュア待たないか!」


「ヴィルディース! 向こうが戦うって言ってんだ! 待つ必要ねぇ!」


 速い! 見えないぞ! いや、あれ? 動きが、ゆっくりになった? 何が起きたんだ?


「はぁ、クゥリュア、ジャンヌ殿を殺すなと言いたいが。ジャンヌ殿の、あの自信が気になるな」


 ズガァァァ。ズバン! ダァン。


 2人がゆっくり、戦ってる? なんだこれ? む! むむ!! 不思議な光景だが、これは素晴らしい!


 胸のポヨヨンなバウンドから、上段蹴りで、伸びたつま先! 引き締まったヒップの引き締まり、全てゆっくり見えるぞ。なんて美しいんだ戦う乙女は!


 そしてクゥリュアの猛攻を、汗を光らせながら、槍で受け流す、聖女ジャンヌ様! 敵ながら美しい!



「言うだけあって人間とは思えないほど、強いですね。ジャンヌ隊長は。ヴィルディースどうしますか」


「そうだな。ジャンヌ殿は、クゥリュアに、あのまま足止めさせて、孤立させるのが無難だろう」


「では、援護する部隊を先に倒しましょう」


「そうだな。後ろの者達も、同じ様に強いとは思えない。ジャンヌ殿1人強くても、意味はない」


 はっ! 戦いに見とれてる場合じゃないな。


 女狼族は、ジャンヌ隊長を後回しにして戦うみたいだな。確かに調査隊は学者みたいなのが殆どで、普通にすら戦える奴いないだろうな。



 調査隊は、どうするつもりだ。


「おいおい、ジャンヌ隊長凄いのか? 動きが早くて見えないぞ!」


「たぶん、凄いんじゃないかな? だって倒されてないし。女狼族の人の話でも、私達を狙うって言ってるから……」


「あぁ、ジャンヌ隊長が、優勢な証拠だ!」


「けど、こっち来たらどうすんの!」


「問題ありません。みなさん、こちらは終わりますから」


 なに! おわる! やばい! ゆっくりクゥリュアの腹に槍が向かってる! あのままだと串刺しに! あれ? 刃先がない?


 ズゴォォン!「ゴガァァァァ。グガガガ……ガハ……」


【クゥリュア!】

 

 クゥリュアが、ひざまずいて倒れたけど。血は出てないな。


 ジャンヌ隊長は、やっぱり槍を逆手に持ってる。問題が大きくなるから、殺しはしないって事か。



「驚きましたね。人間であるジャンヌ殿が、手加減して、クゥリュアを倒せるとは……だがジャンヌ殿、1人強くとも意味はない」


「確かに、おっしゃる通り、女狼族と戦えるのは私1人でしょう。それに、私1人生き残っても、フェンリル神像の調査はできません。私にはそのすべがありませんから」


「では、尚更、意味がわからないな。勝ち目のない戦いを何故するのだ」


「何もせず逃げる事は、神の意志に背く事になります。行動する事で、神様は、我らを導いて下さいます」


【ジャンヌ隊長!】



「ジャンヌ殿を突き動かすのは人の神ですか。我らのフェンリル様のようなものですね。仕方ない! 引かないのであれば、戦うのみ! みな戦いに備えよ!」


【はい!】


「ヴィルディース殿。クゥリュア殿をそちらに連れて行ってくれますか。戦いの邪魔です」


「……そうさせてもらおう」


 女狼族が気絶したクゥリュアを救護するのを、ジャンヌは黙って見ていた。


 おそらく、自分が負けた時に、調査隊が殺されない様に、救護の邪魔をしなかったんだろうな。


 結局、戦いは避けられそうにないなぁ。

次は月曜日予定です。


今回の戦いは短く書く予定なので、気楽に読んでください。


更新遅いのに、ブックマークありがとうございます。

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