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第102話 和解とパーティー

 奴隷解放と領主様、誘拐の裁判は無事終わり、奴隷解放パーティーの続きをしていた。



「なぁなぁ、ユーリ」


「何ですか。エルザお嬢様」


「みんなを助けたウワサの、ブラックダイヤモンドを見てみたいんだ! どんな物なんだ? 見せてくれよ!!」



 ぎぐぅ!! まずいぞ! 魔力結晶まりょくバッテリーブラックダイヤモンドは、エルザのオッパイの形に加工したんだぞ! 本人に見せたらバレる!


「なんだよぉ。私には見せられないのかぁ?」


「はは、そんな事ないですよ」


 かみよ……くっあの神じゃ役に立たんな。


 どうかバレませんように。サッ……キラン。


「ほうほう。これが、ブラックダイアモンドか。黒光したまるい? むむ!」


「どうか、なさいましたか? エルザお嬢様」


「いやなリディア。この誰かの胸みたいなブラックダイヤモンドを見ていると……」


「みていると?」


「なんだろうか。この、したしみのわきでるかんじは。なんだか物とは思えないんだよ!」


「確かに、そうですね。私も見覚えがあるのですが。どこで見たのでしょうか。ふぅむ」




 そりゃあ。エルザの胸をイメージして、具現化しましたからね! 本人からしたら、物とは思えないでしょうよ。


「はは、どこにでもある形ですよ」


「確かに、そうだなぁ。そこらじゅうに、ある胸だもんな」


「はは」はぁ、危なかった。



「ユーリ殿。こちらに来ていただけますかな」


 ん、フレディーが呼んでる。


「何の用ですか。フレディー様」


「町に設置した、魔道兵器の準備が出来ましたので。これから、魔力結晶を設置したいので、魔力結晶を渡してもらえますかな。ユーリ殿」


「あぁ、わかったよ」


 フレディーは、魔力結晶を持って、パーティー会場に設置された黒い台座に魔力結晶を、はめ込んだ。


 ガチ、ヂヂヂ、ブゥン……。


 ほんと、電池交換みたいだな。


【フレディー様! 全魔導兵器の起動を確認と連絡入りました!】


【うぉぉぉぉ!!】


「ユーリ殿から受け取った魔力結晶は、問題なく起動いたしました」


「あたりまえだ」はぁ、動いてよかった。


「ふふ、そうですな。これにより我らも約束通り、奴隷解放に、レジスタンスの罪を不問とし、そして女狼族の領地を返還かえしし、女狼族領地、周辺の領地も差し出しましょう」


「あぁ、約束だからな」



「周辺の領地!」


「あぁ、悪い、ヴィルディース。女狼族の領地問題だったのに、おさのヴィルディースに、まだ話してなかったな」


「りょうちもんだい?」


「あぁ話の流れで、女狼族領地、周辺の領地も買い取ったんだよ」


「な! 周りとは、周囲の農村の事ですか! ユーリ様!」


「あぁ、いくら和解するにしても、周りの領地が、自分達を奴隷にした連中の領地ってのは、落ち着かないだろうと思ってな。勢いで買ったんだよ」


「そんな事が……」


 なんだ? ヴィルディースの耳やシッポの毛が、さかだってるぞ。


「俺、よけいなことしたか?」


「いえ! 決してそのような事はありません!!」


「ん? ならどうしたんだ?」


「いえ、それが、我らは戦いを好まないので、我らの持つ領地は、広くないのです」


「そうなのか?」


「簡単に説明しますと、我らの領地は、さとと生活するための山を持つ程度なのです」


「さと、と山かぁ」確かに領地は少なそうだな。


「そして、今回。ユーリ殿が買った領地は、我らの領地の10倍はあります」


「へぇ10倍かぁ。そりゃおおきいなぁって! 10ばいだと!!」


「はい、ユーリ殿は、戦わずして領地を10倍にしたのです」


「そんなに広いのか、周りの農村って」


 農村とか言ってるから、ってきり小さいと思ってたんだが……ヒゲもあっさり領地売ってくれたし……


 ここの領主様って、もしかして凄い人だったのかな? 持ってる領地多そうだし……。




「そうですね。農村は、そこまで大きくはありませんが。周りの山や川は広いので、10倍になります」


「そうだったのか」おれ、なにやらかしたんだ……


「それで、ユーリ殿に、お願いがあるのですが」


「なんだ?」


「特に予定がないのであれば、我らの里まで、来てくださいませんか? 助けていただいた、お礼もしたいので」


 なんか嫌な予感はするが……行くあてもないしなぁ。


 それに、知らなかったとはいえ、俺のせいでいきなり、領地が10倍になって大変だろうし……


 出来ることだけでも、手伝ってあげるか。


「わかったよ。ヴィルディース。予定もないし、女狼族の里まで一緒に行こう」


「はい! ユーリ殿!」



 こうしてパーティーは終わり、俺は部屋に戻りベッドで横になっていた。


「はぁぁぁぁ」


 女狼族の里かぁ。今の町から、そんなに遠くないらしいけど、なぁんかヴィルディース企んでる顔とシッポだったんだよなぁ。


「ふぁぁぁあ」


 さすがに疲れたな。ヴィルディースが酷いことするとも思えないし、考えても仕方ないか。



 あと気になるのは、パーティー会場で、フェンリが言ってた。


「でユーリさん。あのエルザとかいう『魔物』は、どうするんですか?」


「な! しぃぃぃぃ!」


「やだなぁ、ユーリさん。私は小声ですよ」


「あ、あぁそうだな。それよりフェンリ、気がついてたのか? エルザが魔物だって」


「そりゃあ、私の鼻は世界一ですから!」


「そうだよな」フェンリは、オオカミの召喚獣フェンリルだもんなぁ。


「なぁんて、私達はみんな気が付いてますよ」


「なに! みんな」


「はい、タヌヌもエクスもみんな、気が付いてますよ」


「そうなのか」


「はい。ユーリさんも気づいてるみたいだったので、待てをされてる気分で、ずっと待ってたんですから!」


「そうか。よく待てたな。フェンリ」


「はい、そろそろ限界ですけど」


「いやいや、そのまま待てだ!」


「そうですか」


 は! フェンリがさびしそうだ。


 なにかないかないか、なにか! お、これは。


「これをやるから我慢してくれるかフェンリ」


 洞窟で手に入れたスケルトンウルフの骨を渡した。


「はい! ユーリさん! はむはむ! この硬いホネ、かみごたえがありますよ!」


 みたいな事があったんだよなぁ。


 はぁ、エルザは悪いやつじゃなかったが、魔王の娘を、このままにしといていいのかなぁ。


「ふぁぁぁぁ……あさかんがえるか……グゥゥゥ」

次は、月曜日予定です。


ブックマーク、評価ありがとうございます!


まだまだ更新遅いですが、よろしくお願いします。

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