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第100話 はぁ、ちょび髭マジかっこいいす。仲間にしたい。何で俺の仲間変な子しかいないの?

「君は、持っているはずだよ。ユーリ・ディザア君。町を救うための『希望の石』を」


「あのフレディーノアさま? 何の話ですか?」


「ふふ、情報屋から聞いた話だよ」


「情報屋ですか??」



 いし? まちをすくう? いし?


 俺の体の中にある賢者の石は違うよな? まち、まちぃ? まちをすくう……いし!!


 クイーンから貰った、あれか! 前の町で英雄と呼ばれる原因になった「魔力結晶バッテリー



「なにあの、黒光する石は」


「汚いわね。何のつもりよ。あの下民」


 なんか、お嬢様達の反応がよくないぞ? 違ったか?


 ガタン!


 お、ダンディなオヤジが立ち上がったぞ?


「あの……石は、まさか。王都の博物館で見た、漆黒の結晶ブラックダイヤモンド」


「本当なの! それじゃあ。あれがあれば、町が助かるわ!」


「何を言ってるんだ! あんな物、偽物に決まっているだろう」


「俺は今日、女郎族を買う予定だったんだぞ! 偽物だったらどうする気だ! 護衛なしで、モンスターに怯えながら、暮らす事になるんだぞ!」



「確かに、王都の博物館で見た結晶は、小指、程だったが、あれは手のひらサイズ……」


「そんな貴重な物! 平民が持ってるわけないだろ!」




 むぅ、本物かと言われてもなぁ。俺にはわからんし、サキュバスクイーンが魔王の娘エルザの魔力から作り出した結晶だから、本物とはいえないのか?



「ほらみろ、あの自信のない、しなびた顔を」


「第一、あれが本物だとしてだ。どう見ても原石だぞあれは、結晶を町の魔力として使うには、加工する必要があるんだぞ!」


「その様な純度の高いもんを、この町の誰が加工をするのじゃ」


「確か、加工なら町にできる奴がいたろ。連れて来て、本物かも確認させればいい」


「無理ですよ。漆黒の結晶みたいな特殊な結晶、ドワーフに頼まないと」


「そうだなぁ。加工ならドワーフ族だが、ドワーフ族は自分の国から、あまり外に出ないし、色々な国からの依頼を大量に受けているから、こんな田舎からの依頼なんて、受けてもらうのに、何年かかることやら」


「何よそれ! それじゃぁ。ただの石と変わらないじゃないの!」




 やばい! 何とかしたいが思いつかん。ヒゲェェェ!?


 ウネウネ。


 むぅ……む? ヒゲなに胸を揉むみたいに、胸元で、手をウネウネさせてるんだ?




「フレディーノア様どうかされましたか?」


「コホンいやぁ、なに。旅の時に聞いた話なのだが。空気を胸元で揉むと、健康になると聞いてね」


「ほう。それは良い事を聞きました。今度わたくしも、させていただきます」


「あぁ、まじない、みたいみたいな物だがね」



 もむ! 胸を揉む! 胸! おっぱいか!


 酒場の無口ヒゲとは、まるで別人だ。いや、あの時も非常食とかくれて、できた人だったな。


 ふむ、オッパイだから、やっぱり加工が出来ればいいんだよな。


 加工は前にやったな。ノワール団長に言われて、加工の許可は貰ってるから、無許可、加工にはならない!


 前の町でやったようにイメージをふくらませ、手のひらに収まる漆黒の結晶を、手のひらに収まるエルザの胸に加工せよ!!


 ピシピシ。バリバリ、ガラガラ。


 エルザのオッパイ型、漆黒の結晶出来上がりだ!


 よしよし、ヒゲのヒゲも笑う様に、クネクネしてるぞ。




 ガダン!!


「グガァ!! おぬし今どうやって加工をしたのじゃ!!」


「それ程の強度を加工出来るものなど、全世界でもドワーフ族くらいのはずだが……」


「ピカって光っただけよね今? 加工ってあんなに簡単なの?」


 おどろいてるなぁ。これは攻めどころだな


「企業秘密だ。教えるわけがないだろう」


「そ……そうですな。確かに」




「それで、裁判官。これで女狼族は、解放されるんだよな。あと俺の死刑もないんだよな!」


「いや、しかしそれは、奴隷にした者達を、解放するわけには……」




 ん、貴族どもが騒いでる。


「いいや、だめじゃ」


「何故だ爺さん! これで、この町は平和になるんだぞ!」


「たしかにじゃ、強力な魔力結晶があれば、魔導兵器を使い、モンスターは倒せるじゃろう」


「なら」


「だがじゃ! わしらは、一時いっときとはいえ、戦闘民族の女狼族を騙し、奴隷にしたのじゃぞ!」


「そうか。彼女達を解放したら、どうなるか……」



 むむぅ、慎重なジジイのせいで、雲行きが怪しくなったな。


 勇者が死んだ噂を聞いて、これから暴れるモンスター対策で、力が強い女郎族を騙して奴隷にしたらしいからなぁ。


 元は仲が良かったみたいだけど、戦いが人を変えるのか。


 ならば、信用させるためには、条件を増やすのが、てっそく!


「では、皆さんが信頼できるだけの対価を、女狼族に差し出してはいかがですか?」


「対価じゃと!」


「騙して、奴隷にした、お詫び、という事ですか」


「だが、騙した事に、見合う対価がある物と言われてもなぁ」


 ヒゲなんかねぇのか!


 俺は、ピンっと伸びた、ヒゲに熱い視線を送った!



「そうですな。永遠とも言われる魔力の結晶。ブラックダイヤモンド。全ての者の命を買うには充分。それどころか、こちらが対価を払う必要がありますね」


「ですが。フレディーノア様。これだけの物を買い取るのは……」


「いや、買い取るのではない」


「は?」


「ユーリくんが、今買ったのは、自分達の命と自由だ。女狼族の領地は別だ」


 な!


「なるほど、でしたら対価としては、十分ですな」


「君達の自由に、女狼族の領地を付ける事で、この交渉は成立でよろしいかな。ユーリくん」



 このヒゲ、最初から、このつもりだったのか。流石に領主の息子、全部予定通りかよ。やはりあのヒゲむしりたい!



「いやいや、領民の安全を手に入れられるのですよ。まだたりませんよ。ヒ……フレディー様」


「でわ。他に何が望みなんだい」


 女狼族に聞いた話では、女狼族の領地周辺には農村があるらしいんだよなぁ。


 ただ、その農村は、コイツらの領地だったはず。


「俺の聞いた話では、女狼族の領地周辺は、貴方達の領地との事だった」


「あぁ、距離があるので、あまり合流はないが、我が領地で間違いない」


「ならば! 女狼族の安全のため! 女狼族の領地、周辺の領地も買い取る!」



【何を言っている! やはり死刑にするべきだ!】


 ……やりすぎたかなぁ……ヒゲェェェ。


「ふ、問題ないよ」


 あれ。


「先程も話したが。交流はあまりない領地だから。女狼族との、これからの関係を考えれば、問題はないですよ」


 むぅ。まさかこれも、予想してたのかヒゲ?


「フレディーノア様が問題ないのであれば、問題はありません。ユーリ・ディザア、並びにレジスタンス一同、女郎族は今日より自由とする!」ダンダン!!


 はぁ、まぁなんとか終わったな。

次は、来週月曜日予定です。


ブックマークありがとうございます。

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