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恋の蕾  作者: カラフル★
7/26

第6部*呟く・願い



‥オレは、一体水城に何をしてしまったんでしょーか?!


自分のした事が不明のまま、朝になった。

しかもあいつらが飲ませた酒のせいで頭がガンガンする。


そして、、


「ぉおはよう、水城」

愛しの義妹に、キョドリつつ朝の挨拶★

熱は引いたようで今日もリボンもスカート丈もばっちりだ。


昨日の事があったばかりで、亀裂が入った関係は修繕不能かと思われたが、

「おはよう、お兄ちゃん♪」

いつものあの

キラキラsmileで朝からキュン死にしてしまいそうな挨拶を、、



返してくれるわけもなく。



「‥チッ」


水城サマは、ワタクシに目を合わせることもなく、柄にもない『舌打ち』でご挨拶をされたのでございます。


てへ★お兄ちゃん困っちゃうにゃ‥


虚しい心を埋めるため、

いつもの水城のキャラを演じてみたが、なんかずれている上に気持ち悪いので却下。。


一人で廊下に立って百面相をしていたら母にご飯を食べるようにとどつかれた。


こうしてオレの低テンションな一日が始まったわけだが、、

学校にいったらまずあいつらに知っている事を洗いざらい話してもらわないと。


『行ってきます。。』

魂のぬけたような言葉を発して家をでる。


そんなよろよろとした壱の後ろ姿を水城は無言で見つめ、

「ばか兄‥」

と一言だけ漏らした。






高校の教室の自分の机までなんとかたどり着くと、

「おーすっ」

元凶達が足並みをそろえてやってきた。

ここは一発怒っておきたいところだったけれど、、


『おす』


こんな魂のないような返事しかできないため、怒る気力もでないわけで〜‥


「メス」

そう和也がいって、

「ハイ、先生」

なんちゅう連携プレーなんだお前らぁ‥!


おいこらぁ〜

「おす」はオレの精一杯の挨拶だったんだよ〜

ふざけてんのかぁ、おら〜

と、気力がないため・心の中だけでつっこみをいれることしかできない。

「あー、壱。昨日はごめんな」

本当だぜ、

お前等が間違えて買ってきた酒のせいで

水城には嫌われるし、、散々だよ


「そう、酒に酔ってからの記憶がまったくねーんだよ‥

オレが何したかしらねーか?」尋ねるが、返ってきた返事はNO。


「やー、オレらはお前がぶっ倒れてからお前をソファーに寝かせて、

そんなお前に水城ちゃんがバスタオルかけてやってるのをみた所で帰ったからわかんねーなあ。。」


は?オレはソファー(リビング)に寝かされたわけか?



そっからどうやって水城の部屋へいったんだ?

しかも、部屋には当然、風邪で寝込んでいた水城がいたわけで。


例を挙げていえば、


酔っぱらいのおじさんが無防備で寝ている眠り姫を襲ったよーな事にならないか??



そんな事を思ったら

一瞬にして、体から一気に血の気が ひ い た  ‥ 。






放課後、ダッシュで即家にかえった。

そして水城が帰ってきていることを確認して、水城の部屋の前で叫んだ。


「水城、ごめん‥っ!オレ、お前が嫌がるような事‥したんだろう?」


酒に酔っていたとはいえ、不覚だった。

好きな奴が屋根の下に住んでいるわけなのだから、もしかしたら、なんて事があるんだ。

だから何が何でも意識を保って理性を失わないでいなければいけなかったんだ。

大切な水城を傷つけないためには。



(お兄ちゃん‥)


ドア越しでも、息が乱れているのがわかる。

時計をみれば、いつもなら兄が、帰ってくるような時間じゃない。


あたしに謝るために、走って帰ってきてくれたんだ、、?


それはやっぱりあたしが妹として大切だからなんだよね


何をしたのかは、覚えていないみたいだけど、、



「ごめん‥っ」

水城が何も答えないのでオレは下唇噛む。


オレを嫌うくらいの事を水城にしたんだろう、



「本当にごめ‥」

「‥何謝ってるのー?お兄ちゃんは、お酒に酔ってあたしの部屋に入って来ちゃっただけじゃんかっ」

必死で謝っていたところに、そんな水城の言葉。

オレは拍子抜けしてしまう、が。

「え、ちょっと待てよ。じゃあオレなんで枕ぶつけられたかわかんねーじゃんかっ

だからやっぱ‥」

辻褄あわないんじゃねーか?


「だーからっそれは、ビックリしたからなのっ」

そういってお兄ちゃんの言葉を遮る。


「でも水城‥っ」


追求しようとしたら水城の口調が急に変わる。


「それ以上いうんだったら」


その声に、びくっとする

「お兄ちゃんがお酒のんだってお母さんにいいつけてやるんだからっ」

えぇ?!なんだその脅しっ??

なんていうお兄ちゃんの声がドア越しに聞こえたけど、、


「こんな事くらいで、そんなに必死にならないで‥」

あたしは

願うように

呟く。



お兄ちゃんには、彼女がいるんでしょう?



あたしの事は大切な妹だから

そうやって

必死になってくれるんだよね




‥あの時だって



初めて会ったあの時だって


そういう風に思えたから


今があるんだよ、


お義兄ちゃん。

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