第2部*兄妹
『ぴぴぴぴーっ』
携帯のアラーム音で、目が覚めた。
今日は月曜。
一週間の中でもっとも憂鬱な日だ。
なぜかって‥朝から高校で小テストがある日だからだ。
まったく、受験生ってのはつらいな。。
眠い目をこすりながら、学ランに着替えて1階のリビングへと移動する。
リビングに入ると、
「おはよ、お兄ちゃん」
にこっと、水城が無邪気な笑顔をみせて挨拶。
「‥おーっす、水城」
おろしたら腰まである長い黒髪を、高い位置でツインテールにしている。
第一印象は、元気っ子☆だ。
そんな水城は中学のセーラー服。
きちんとりぼんを結んで、きちっとベルトを使ってスカートを膝より上にあげている。
今時の中学生☆という雰囲気。
、、可愛すぎる。
赤面がばれないように、机に置いてあった新聞広げ、顔を隠す。(いつもはお世話になることなんてございませんが、、)
水城の元気な姿を見、今日が学校でよかった☆なんて思ってしまう
‥でも、やっぱりオレは、愛しい妹に・虫がつかないかが心配なのだが、、
「いただきます」
そんな事を思いつつ、もくもくと母親が作ってくれたご飯を食べる。
水城はオレの妹だ。
といっても、
「義理の妹」。本当の妹じゃない。
オレの家は4人家族なわけだが、
構成としてはオレの母とオレの・水谷家と、
水城の父と水城の・藤田家
が合体した藤田家だ。
つまり、再婚によって家族になったのだ。
それは、オレが5才の時・そして3才差の義妹の水城が2才のとき。
水城は小さかったからそんな事覚えていないのも無理はないしれないが、
オレは幼稚園に入る年齢だったからそれくらいは覚えている。衝撃的な事だったから。
大人の都合で、作られた家族‥
だから、水城とオレは兄妹なんかじゃない。
一言でいってしまうなら、
「他人」…だろうか。
や、‥なんか寂しい言葉ですよね!?
他人だなんて‥
水城は・オレが唯一、愛しくて大切にしたいと思っている
「女のコ」、なのだから。
でも、
今のオレ達の言葉を兄妹や家族以外に、表せるような言葉なんてない。
でも
オレは願っているんだ。
いつか、
「恋人」と呼べる関係になることを。
「ごっちさーん」
手を合わせて席を立つ。
「お兄ちゃん、早く行かないと遅刻するよっ!」
後ろから水城がオレの肩をポンっと叩いてにかっと笑う。
「そうだな、」
そして、一日が始まる。
いつ兄弟という壁を壊せる日がくるのかわからないけれど、
いつか、
水城に想いを伝える日までオレは兄を演じよう。