第19部*現実
『友達だと思ってたのに』
そういったら、壱は驚いていた。
なんで?どうして?
そんな言葉をいいたそうだった。
でも、驚いていたのはお前だけじゃないんだ。
そういいたかったのは俺たちの方。
壱がシスコンだということくらいわかっていたけれど、
でもまさか義理の妹だったなんて。
似てないといったとき
わざと話題をそらしたような気がしていた。
そのときにでもいえたのに、俺らに言わなかった壱。
色々な事が、
…受け入れられなくて。
「…流、お前は壱の事どう思う?」
「…許せない、な」
そうだろう?と問われて和也は頷いた。
……………………………………
親友にさえ、見放されたような気がして
何日かの間は放心状態で過ごしていた。
水城とあの夜誓ったのに。
いつまでも離さない、
何があっても恋人でいる。と。
だから・こんな所でつまづいちゃいけない。
もっと大きな試練だってあるんだ、と自分を奮い立たせてみるが
次への行動を踏み出せないでいた。
「…壱?」
水城がオレの名を呼び顔色を伺う。
「大丈夫?体調悪いんじゃない?」
そういって こつん、とおでこを合わせてきた。
大丈夫じゃなかったけど、水城には心配かけたくなかった。
「大丈夫、、ありがとな」
そういって水城を抱きしめた。
大丈夫、
だから
やるだけのことはやってみよう
そう思えた。
……………………………………
壱が元気がなかった。
どうしてかと思うけれど
でも、きっと、多分
あたしと付き合ってることを言おうとしてくれてるからだよね
壱も未来へ歩もうとしてるんだよね
だから
あたしも頑張れるよ。
……………………………………
『兄妹で恋なんてキモーイ』
学校の昼休み、そんな会話が聞こえた。
マンガの話の会話だったが、
ビクッとした。
「義兄妹でもありえなーい」
どうして?
義理なんだよ?
ふつうの女の子が恋をするのと
一緒なんだよ?
同じなのにだめなの?
「そんなの、ひどいよ…!」
だから、
つい、声を上げてしまった。
「はぁ?」
「水城ってお兄さんいたっけ?
なに、もしかして恋しちゃってます、とかいうつもり〜?」
「あはは、ばかじゃないの」
かえってきたのはそんな言葉。
「そ…」
そうだよ、何が悪いの?
そう返そうと思って口をあけたがふさがれた。
「〜!?」
何かと思って手を振りほどきながら
振り向く。
陸…!?
「何いうとるん、そんな事・ありえるわけないやん
オレが水城一筋なんやから」
その言葉で周りがほっとしたような雰囲気に変わる。
さっきまで色々とあった罵声も止んだ。
だけど、
あたしは複雑な心境だ。
「陸、、悪いけどあたしは壱一筋なの…
ちゃんといわなきゃって思ってるの」
「言ったところで避けられたりへんな噂立てられるだけだ。
世間は甘くなんてねーんだ」
わかってた、わかってたけど
だけど…
誰も、認めてくれないの?
この想いをあんな風に否定されるの?
怖かった。
壱、、会いたいよ
……………………………………
「やっべ、雨降ってきた!?」
自宅から最寄りの駅から自転車に乗って帰ろうとしたら、ざーっと
仕方ない、濡れて帰るか。。
そう思い、自転車に飛び乗り駆け出そうとした。
が、
見知った制服をきた女の子が
雨に打たれて立っているのをみつけた。
ツインテール…?
よくみてみると
それは水城だった。
雨に濡れていた水城をみつけて壱が駆け寄る。
「どうしたんだ!?」
「あたし、怖いの…」
怖いよ…
そういって水城は壱にしがみついた。
遅くなってしまってすいません((汗 明日は夜11時くらいになりそうです