第1部*愛しい日々
ACT2*愛しい日々
「お義兄ちゃん、おはよう」
そういって水城<ミズキ>は、オレの部屋へノックもなしに突入、ジャンプをして布団の上に飛び乗ってきた。
朝の挨拶にしてはハイテンションすぎないか、このばか…。
「いってぇってのっ!飛びつくなっ」
「お義兄ちゃん、大丈夫?」
お義兄ちゃん、そう、オレ達は義理の兄妹。本当の兄妹なんかじゃない。
「誰もいないんだから、、壱って呼べよ。‥恋人、らしくないだろーが」
恋人‥からはボソボソと消え入るようにしかいえない自分が憎たらしい。でもさっ、ずっと片思いしてた好きな奴がオレの、か・彼女とか、、嬉しさ満点だろーがっ!!
「名前でよべ」
今度は威圧をかけてみたが、
「えぇ…!?それはそのっ‥」
赤面する姿が可愛い。だから
「…んんっ」
つい、いじめたくなって。
まだ名で呼ぼうとしない水城
の口をキスでふさぐ。
「っぁ‥んーんーっ!」
キスの間、息を止めていたのか、苦しそうに喘ぐ。
「恋人になれたって、分かってるよ、お義兄ちゃん。でもさ…」
僕らが恋人になるまでには、とても大きな誤解やを苦難や痛みを乗り越えてきた。
だからこそ、
「まだ、言えないよ…」
この恋をおわらせたくなんてないんだ。
バレたら終わり、だなんて思ってないけれど。
僕たちは禁断の恋いだとわかっているから。
そう、だから、僕らは誰にも言えない秘密の交際をしている。