第18部*歩む
お義兄ちゃんからのプレゼントはネックレスだった。
そのネックレスには指輪がついていて、それをみては微笑んでしまう。
大切にしようって、決めた。
毎日身につけたくて、
だから、学校にもつけていったの。
「それ、誰からもらったの?」
そう聞かれてどきっとする、
なんて答えればいいのかな、、
『彼氏から』なんて答えればいいのかな?
でも彼氏ってどんな人?って聞かれたら…?
なんて言えばいいのかわからなくておずおずと
振り向くと、、
中村 陸がいた。
「…っ」
あの日から気まずくて今日まで1ヶ月ほど話もしていなかった。
その陸が話しかけてきた。
「お兄さんやな」
「あ、うん、、」
どんな口調で話せばいいのだろう?
家から出て行くとき、優しい言葉をかけてくれたけれど、あたしは陸を傷つけたんだ。
その事実があるから、あたしは陸の前で笑顔なんか見せられないような気がした。
「お前を繋ぎとめておける奴なんてお兄さんしかいないもんな」
と、笑う陸。
「…」
「俺は、お前が幸せになってくれたらいいなって思うとるよ。」
そんな言葉をどうしてあたしなんかにかける事ができるんだろう
「せやけど」
そこで、陸の口調が変わる。
「世間的には難しいよな。ほんまもんの兄妹やと思うとる人もおるわけやし」
そういわれて水城の顔に陰が落ちる。
でもそれは解ってた事。
そして壱と一緒に決めたこと。
一緒に未来を歩むって。
あの日、決めたんだ。
そう思ってぎゅっとペンダントの指輪を握る。
「大丈夫、乗り越えていけるよ」
壱が一緒だから、
いつも想ってくれるって誓ってくれたから
だから、
あたし達はどんな事があっても
別れる事なんてないよ。
……………………………………
まずは、友達から
やっぱり、和也と流にはちゃんといいたい。
そう思って、言ってみた。
「オレ、水城とつき合えたんだ」
「へー、よかったね、」
返ってきたのはそんな言葉で。あっけなく会話ストップかと思って驚いて、
俯いていた見上げると、夏森だった。
あ、あれ…?
「つき合えたんだ、よかったじゃんか」
だよな、嬉しくて顔がにやけるオレ。
でもまだ課題は残っているわけで。
夏森は本当の事を知っていて、応援してくれたんだ。
だけど、、
和也や流にはまだ何もいってなくて。
「頑張りなよ、私は応援してる」
そんな風に背中を押してくれる人がいるから頑張れるんだ、
頑張っていこうと思えるんだ。。
だけど、
現実は
簡単には行くものなんかではなくて、、
「なんだよ…それ、、」
僅かに怒りがこもったかのような和也の声。
そんな声をオレは初めて聞いた…
「友達だと思ってたのに、、」
「何でだよ…っ!?」
そんな風に親友に問われてオレは
「…っごめん」
ということしかできなくて。。
そんな風にいわれるなんて思ってなんかいなかったから…
ショックだった
きっと判ってくれると思ったのに。
なのに、帰ってきたのはそんな言葉で。
オレはその場で立ち尽くした