1-8
そして数日がたち、いよいよ闘技大会が開かれることになった。
最初に、アンデス帝国帝王であるダンべリオンが軽く挨拶をしたのち予選が始まった。
順調に予選が終わりリューガ、ボッシュ、ダンガの3人は本選へと進んだ。
しばらくした後本選のトーナメント表が発表されリューガ達は確認したが、リューガは驚きを隠せなかった。
「おいおい、まじかよ。おそらくこの7人が勇者なんだとは思うがまさかそんなことがあるなんてな…」
なんとそこには、リューガの高校時代のクラスメート達の名前が書いてあった。その時リューガは
ヒューメニアに対し怒りを覚えた。ただ、リューガは正体を話すべきか迷っていた。
リューガは茫然としていて気付かなかったがダンべリオンがやってきた。
ダンべリオン「おい、どうしたんだリューガ? えらく険しい顔しているが。」
リューガ「ここだけの話だがいいか?」といい、自分が転生者でこの勇者たちとは前世では知り合いだったことを話すとダンべリオンは転生者であることに驚いていたがそれ以上にリューガと同様に怒りを覚えたようだ。
本選の1回戦が始まり、次の二回戦へと進んだリューガだが、残ったメンツがかなり色濃かった。
16人のうち7人は勇者、リューガ達3人、Aランク冒険者3名、Bランク冒険者1名、アンデス帝国騎士2名が残っており、勇者は見事にばらけリューガの対戦相手だけが勇者たちではなく別の人だった。
なお、ボッシュ達とは別の山で次おそらく対戦するであろう勇者の情報は手に入らないという状況だった。
準々決勝へ進んだのは勇者7人とリューガだった。 ボッシュ達も善戦はしたようだが敗れたようだ。
準々決勝が始まり、リューガの対戦相手はタツヤこと倉木達也だった。 達也はクラスメートで同じ剣道部だった奴だ。
インターハイでかなり優秀な成績を収め推薦で大学に入って、卒業後実業団に所属しているというのは知っていた。 実力としては同程度だったが、異世界補正でどうなってるかはわからないので注意する必要があった。 そして試合が始まった。
お互いものすごく接戦で会場がかなり盛り上がっていた。リューガとしては早めに決着をつけたいところだったが、タツヤもかなり粘っていた。その時だった。
タツヤ「君強いね。でもその立ち回り方俺の知り合いと似ているんだが、しかも下の名前も一緒だし。
まあ気にしないでおこう。 今は試合に集中しなきゃね。」
リューガは「勇者様にお褒めの言葉をいただけるとは、ありがたいね。」と一言だけ話し、試合を続けた。 そして10分後、タツヤの体力が落ちてきたと感じ隙を付いて、決着をつけ見事勝利した。
そのあと準決勝はユウタこと立河勇太と対戦をした。彼は勤勉家で海外の大学へ進学したがその後日本の大企業に就職していた。 彼は魔術師タイプでかなり多様な技を使いリューガを翻弄させたがリューガが勝利を収めた。
いよいよ決勝だが、その対戦相手はユウジこと今川佑治だった。彼とは小学校の時から友達でよく仲良く遊んでいた。彼はイケメンで女子からの人気がすごかった。サッカー部キャプテンとして全国大会にも出場した。 彼もユウタと同じく魔術師タイプだが付加魔術を得意としているらしく、様々な武器で魔術付加をし戦うタイプだった。 そして試合が始まった。
両者ともかなり拮抗しており、決勝にふさわしい戦いとなっていた。 すると突然ユウジから声をかけられ、「俺には鑑定眼がある。お前、龍牙だろ?」 リューガはユウジと距離を取った。
そっしてリューガは肯定すると、ユウジは後で色々聞きたいことがあるから早く決着をつけようと言い放ち、戦闘が激化した。 しかし、勝ったのはリューガだった。
表彰式が執り行われた後、リューガ達は勇者たちに見つからないようにすぐさまこの場を離れようとしたが、あっけなく見つかってしまい話し合うことになった。
ユウジ「リューガ久しぶりやね。 こんなところで会うなんて思いもしなかったよ。 もしかして、死んだあとこの世界に生まれ変わったのか?」
リューガ「そうだな、こっちの世界で生まれ変わって今いろんな人と関わっているよ。 まさかここでユウジたちに合うとは俺も全く思っていなかった。」
その後、適当な雑談をしていたが勇者側の付き人がやってきて、そいつがとんでもないことを言い出した。
付き人「勇者様の知り合いなんですね。 仲良くできるかと思えば人間より劣っている種族と関わっているなんて。 勇者様、すぐさま絶縁すべきです。」と衝撃的なことを言い出した。
ユウジは今の撤回しろと叱責するがダンガたちは黙ってはいられなかった。
危うく戦闘になりかけていたがそこへリューガの父であるアトラスが現れた。
アトラス「異世界より来た勇者たちよ。 我が息子に手を出すのは赦さないぞ。 さっさと元居た国に戻るがよい。」といった瞬間、ユウジたちはその場から消えた。父いわく、ヒューメニアの国境付近に転移させたそうだ。
その後、ダンべリオンと合流し、今までの経緯を話したらひやひやさせるんじゃねえよと言われた。
同盟の主要メンバーがそろい、アトラスはこう切り出した。
「 ヒューメニアがアンデス帝国とアルゴニア王国、そしてドラゴニアに向けて進軍を始めた。 」
流れが速くね?と感じる方もいるかと思いますが、別話として話の間で端折ったところを書く予定ですので安心してください!