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そしてリューガ達は領主の館へ到着したのだった。
そして部屋に通された後、カーターがこう切り出した。
「リューガ君には驚かされたよ、調査をすると申し出てくれたのがこんなに若いだなんて思いもしなかった。 そして…それ以上にあれには驚いたよ。まさか君が龍王の息子だなんて。なあ、アランさんよ。」
アラン「そうですね、訳アリとは聞いていましたが、このことだったのですね。 あの強さには納得です。
いろいろと聞きたいことがあるけどいいかな、リューガ君?」
リューガはいずれは父親が龍王だということを話しておく必要があると感じていたのでちょうどよかった。
リューガ「黙っていてすみません。 いずれはお話をするつもりでした。 確かに龍王の息子です。
しかしそのことを言って周りから敬遠されてしまうんじゃないかと恐れていたのです。」
アラン「いずれ話すつもりでいたのなら別に責めはしないよ。 ただ、勘違いしていることがあるよ。
君は優しい性格をしていることは話してみて感じたよ。 だからそういったネガティブな考えをする必要はないよ。 それにあの方は本で読んだ龍王の話と違い、すごく理想的な龍王であり、父親であると僕は思うよ。」
ボッシュ「俺もアランさんとおんなじ考えだな。 それで俺たちはリューガから縁を切るってことはねえよ。」
ウェントス「私からしたらすごくうらやましい親子関係だと思うわ。 私の父もリューガの父親みたいだったらどれだけよかったか…」
ロール「ウェントス、それ言っちゃだめでしょ。 でも私もウェントスと同じ意見だよ、リューガ」
そしてカーターは彼に聞きたいことがあった。
「リューガ君はこれから何をしようと考えているのかな? その考え次第では私は君に協力したいと思っているよ。」
リューガ「これからは仲間を増やしていきたいと思う。 二兎族はもちろんだが獣人族など様々な種族の人をこのパーティーに入れたい。 そのためには情報が必要なんだ。 どのあたりに行けば会えるかといった情報をね。」
カーター「ふむ。わかった。 この領地があるのはアルゴニアという国だ。私たちの国では人種差別は禁止されている。だから、それなりに獣人族などはいる。 しかし、強い者を探すとなると、この領地から見て南にあるアンデスという獣人族が治めている国家がある。 そこの国も人種差別は禁止されている。
そこでは年に一度闘技大会が催しされている。 そこなら、かなり見つけやすいはずだ。
その一方、ヒューメニアという国があるがそこはお勧めしない。なぜなら、人族至高主義を掲げていて獣人族などは排除の対象となっている。しかも、今よくない噂が飛び交っている国でな。 どうやら、獣人族などを排除するために勇者召喚を試みようとしているとされる。」
リューガは勇者召喚と聞くと真っ先に思い浮かぶのは異世界から召喚するものだがここではどうなのだろうか気になっていた。
リューガ「勇者召喚? それはどういった感じなんだ?」
カーター「私が聞いたのは異世界からということだ。 にわかに信じがたいが過去にも異世界から召喚され世界を救ったとされる記述の本がかなりある。 まあ、なぜ今行うか考えたらぞっとするがな…」
アラン「もしや戦争を起こすとかではないですよね? そうなるとかなりやばいですよ。 この噂はこの国もですが、アンデスは知っているのでしょうか?」
カーター「おそらくは知っているはずだ。 そのために裏で対策をとっていると聞く。 まあ、語法であることを信じたいがな…」
すると、部屋に兵士が入ってきた。
「ご報告いたします。先ほど、ヒューメニアから近隣諸国に向けてこのような内容を発表した模様です!」
カーターはその中身を見るが、驚くべきものだった。
カーター「どうやらヒューメニアは勇者召喚に成功したらしい。 しかも、一人ではなく7人とのことだ。
これはまずいな。 リューガ君どうする? このままだと探している間に戦争が始まるってことも考えられなくはない状況だ。」
リューガ「仕方がないな。俺としては自分の目で見て仲間にするか判断したかったが難しくなりそうだな。ボッシュ達はどうしたい?」
ボッシュ「闘技大会で見つけることもありだと思うが、それだと時間がねえかもな。 何かいい案があればいいんだが…」
すると突然アランがこう切り出した。
アラン「そういえば、今のアンデスの国王って龍族の方をかなり尊敬しているということが知られていたような気がします。 そこで、お手数かもしれませんが、アトラス様にもう一度お会いしてこの趣旨を話しましょう。 それと国王に会いましょう。 私は何度か国王と話したことがあります。 そして国王とともにアトラス様のもとへ向かうのはいかがでしょうか?」
カーター「なるほど、それはありかもな。リューガ君、すまないがアトラス様と連絡を取ることはできるだろうか? この話を伝えてほしいのだが…」
リューガ「わかった、話してみるよ。」
そしてリューガが父に話をするとすぐに向かうとのことだった。
そして、あの衝撃のコンタクトを取った場所である広場へリューガ達は向かった。
アトラス「待たせてすまない、里の者へ説明するのに少々時間がかかった。我らはこの事態をよくは思わない。 だから、アラン殿の話に賛同だ。 すぐに向かうとしよう。」
そういって王都へ彼らは向かったのだった。
一方王都ではー
アウロ国王はヒューメニアの動きに対し頭を抱えていた。
「くそ、なんなんだあの国は。忌々しいことよ。 しかし、ヒューメニアがもし勇者を使って排除をしようとするならばアンデス帝国が真っ先に狙われるだろう。 外務大臣を呼び、味方することを伝えておくか。」と考えていた時、近衛兵が入ってきた。
「失礼いたします。 先ほどマリーの領主であるカーター様とギルド支部のマスターのアラン様がこちらに来られるとのことですが、その手段が…」
アウロは何事かと思って気になった。
「それが、りゅう龍に乗りこちらへ来るとのことです。 いかがいたしましょうか?」
アウロ「なんだと!? 龍族とは不可侵の協定をしたはずだ。 何か問題でもあったのか? いやきにしてはならんだろう。 アランとは交友がある。 おそらくは訓練場へ降りるよう指示するだろう。 今から向かう。 訓練場周辺は人払いせよ。」と指示をして、彼は訓練場へ向かうのだった。
そして彼はそこで目にした光景に驚きを隠せなかった。
一方、リューガ達は訓練場へ着いた。そしてしばらくした後そして何人かの人を従えてこちらにやってきた男性がいた。 リューガは彼が国王なのだろうとすぐさま分かった。
アウロ「アラン、カーター久々だな。 かなり大所帯でやってきたようだが、どうしたのだ?」
カーター「久しぶりでございます。それにつきましては「我が説明しよう」…」
アトラス「その前に、人族の王よ。我は龍王であるアトラスだ。 此度は勇者召喚した国の対処について話し合いに来たのだ。よろしく頼むぞ。」
アウロがかなり驚いた。まさかこの龍が龍王だなんて全く思っていなかったのだ。
アウロ「お初にお目にかかります、アトラス様。 お会いできてとても光栄です。 そのヒューメニアについてどのような用件で来られたのでしょうか?」
アトラス「そこにいるアランから聞いたのだがな。 アンデスの国王は龍族を尊敬していると聞く。そこで、我とともにアンデスへ行けばいろいろ好都合だ。そして同盟を再確認した暁には我ら龍族もその同盟に参加するという趣旨を盛り込もうと思うのだ。 我らが参戦すればそちらにとってはいいことづくめだと思うがどうする?」
この発言には国王もそうだが周りにいる側近も驚くべき内容だった。 そして側近全員がこの話を飲むよう国王に提言した。そして、国王が了承を出し、龍族とアルゴニア王国は同盟を結ぶことになった。
また、アランが提案した案に国王は賛同し、国王、側近2名、リューガ、アランの5名と龍王であるアトラスがアンデスへ向かうことになった。
そして、これを機に歴史が大きく乱れていくことになり、戦乱の世となる。
また、アンデス帝国では龍族が来たことにより大騒ぎとなりお祭り状態になるとはこの時誰も思っていなかった。
読んでいただきありがとうございました。
この後一体どうなっていくのでしょうね?
楽しみにしておいてください!