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最下級の冒険者であっても、混沌龍へと挑む事なら出来る【4】

「そこで相談なんだよ」


「相談ねぇ……」

 

 リダの提案に、フラウは浮かない声を返した。

 相談と言うが、何を相談すれば良いのだろう?


「カオスドラゴンとの戦いで、街に被害を出さない為の相談でもするの?」


 そんな事が、果たして可能なのだろうか?

 フラウの視点で考えると、不可能と言う答えしか出て来ない。


 そして思う。

 果たして、カオスドラゴンの催眠魔法を解く為とは言え、多数の死傷者を出すかも知れない大惨事を意図的に作り出しても良いのか?……と。


「もっと……こうぅ……街の人に被害の出ない方法とかあるなら、そっちの方が良いと思うんだけど……?」


「そこを踏まえて、色々とミーティングしたい訳だよ……私は」


 何かと批判的なフラウに、リダはちょっとだけ不機嫌な顔になっていた。

 さっきから、否定しかしないからだ。

 否定するのは勝手だが、もしそうであれば変わりの案を立ててからにしてくれとぼやきたくなる。

 代案があっての否定なら分かるが、ただの否定だけなら、それはもうただの批判でしかない。

 ついでに言えば、誰にでも出来る事だ。


「ああ、もう良い……とにかく、これが私なりの案だ。これがみんなに受け入れらるかどうかは別にして、話すだけでも話して置きたいから、私はこれからみかん達の所に行く」


 若干大人気ないかなと思いつつ、リダは言うなりベットから起き上がると、そのまま室外へと出て行ってしまった。


「あ、私も行きます、リダ様!」


 程なくしてリダを追う形でユニクスも出て行く。


「うーん……」


 他方のフラウは、行くかどうかで少し迷った。

 今日の所はダンジョン攻略もないだろう。

 言ってみれば、今日は自由行動の日とも言える。

 まして今は冬休み中で、本当なら奔放に色々と楽しんでも良い日なのだ。

 

 また、一律一ヶ月と言う長い休み期間がある為、その弊害も発生する。

 冬休みの宿題だ。

 学生の本文はやっぱりお勉強なのである。

 冬休みに入ってから以降……色々あってまともに課題と顔を向けた事がない。

 

「今日は、冬休みの宿題をしようと思ってたんだけどなぁ……」


 休み期間中、凶悪なカオスドラゴンの催眠魔法を解く為に五十年周期の超ダンジョンを攻略してましたで、冬休みの宿題を免除してくれたのなら良いのだが……まぁ、無理だろう。


 そもそも、信じて貰えるかどうかが怪しい。


 しかし、ここで宿題をした事によって、リダのアホ見たいな案が通ってしまったら……冬休みの課題なんかやってる場合ではないだろう。

 

「やっぱり私も行く事にしよう……」


 フラウは嘆息気味に答えた。


 こうしてリダ達は、みかん達が宿泊している冒険者協会のホテルへと向かって行く事になるのだった。




   ▲○▽○▲




 他方、その頃。


「う~。今日はどうする? みかんさん」


「およ?」


 リダ達の予測通り、冒険者協会が運営するホテルの一室にいたみかんとシズの二人は、何気ない顔でとりとめのない会話をしていた。


 明日は最後のダンジョン攻略が待っている。

 逆に言うと、のんびりしていられるのも今だけとなる。

 そうであれば、今の内にしっかりと休養して置きたい所だ。


 頑張る時は頑張り、休む時はしっかり休む。

 これは、冒険者にとって必須とも言える。

 鋭気をしっかりと養う事だって大切な事なのだ。


「そうですねぇ~? ぼちぼちリダも起きる頃でしょうし、今日の所は近くの酒場にでも行って、楽しくお喋りしながらお酒でも飲みましょ~かねぇ?」


「う~。それも良いかもだ~」


 ちょっと考える感じの態度を取ってから答えたみかんに、シズはやんわりと笑みを作ってからグッジョブして見せた。


 部屋のドアが勢い良く開いたのは、この時だった。


 ガチャッッッ!


「みかん、シズ、ういうい! いるか!」


 勢い良くドアを開けたのはリダだった。

 リダは意気揚々とやって来ては、大きく声を張り上げた。


「かえるっ!」


 直後、みかんは意味なく大声でそうと返すと、シズを見た。

 そこでシズは少しあたふたしながらも、


「う? る、る~……ルタ・ムギン!」


 自分が思い付いた言葉を口にする。

 余談だが、後に神様となる巨人の名前だ。


「あ、んが付いた、シズさんの負け~」


「うぅぅぅぅ~~っ!」


 ケラケラ笑うみかんがいた所で、シズがちょっと半べそになっていた。


「……って、しりとりしてんじゃねーよっ!」 


 一瞬後、リダの怒号が飛んで来た。

 

「およ? 違うのです?」


「なんで、お前のトコまでわざわざやって来てしりとりをやるんだよ! 普通に考えたら分かるだろ、そんな事っ!」


「ほ、ほむぅ……ほじゃ~何しに来たです? 飲みに行く誘いなら、これからみかんらが行く所だったです」


「そこはそれで後で行くけど……そうじゃないんだ! 取り敢えず、私の話を聞いてくれ」


 不思議そうなみかんを前にして、リダは超が付くまでの真剣さで声を返して来た。

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