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こうして私は無双する・みかんVer  作者: まるたん
最下級の冒険者と最頂点の冒険者
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【11】

「いや……だってだ? ちょっと考えれば分かるだろ? 補助魔法もスキルも何も使ってないじゃないか」


 リダは口を尖らせつつ、ユニクスとフラウの二人へと答えて行く。

 言われると、確かにリダは自分の能力を増強する魔法もスキルも使ってないない。


「ああ、確かにそうなりますね……なるほど、理解出来ました」


 そして、それはユニクスにも当てはまる。

 だからだろうか? ユニクスは普通に納得の言葉を口にしていた。


「………」


 他方のフラウは無言になってしまった。

 確かに余力を残していると言う事実が、ちゃんと分かりやすくそこにあった。

 しかも、リダだけではなくユニクスまで以下同文。


 フラウもフラウで、ある意味本気を出してはいないとは言っても、それは本当に動いていないだけ。


「もう嫌になるなぁ……このパーティー」


 結局は無駄に強い二人と言う存在を、これまた無駄に知ってしまっただけのフラウが、地味に黄昏ていた時……。


 ボコッ……ボコォォォン!


 地面から宝箱が生えて来た。

 文字通り生えて来た感じだった。


「……宝箱も地中から出現するんだな?」


「このアクションは必要だったんでしょうか……?」


 リダとユニクスは微妙な顔になっていた。

 きっと、特に床から出現する必要はなかったのだろうが、ボスも床から出現したので、そう言った形を取ったのかも知れない。

 実際の所は分からないが。


「まぁ、取り敢えず開けてみるか」


「そうですね」


 答えたリダは、出現した宝箱をゆっくりと開けてみせる。

 中に入っていた物は、


「……また、卵かよ」


 一層で出現した宝箱と全く同じ物が入っていた。

 

「な、なんて事! こ、こんな所にも新しいパンドラの箱がっ!」


 卵を見た瞬間、ユニクスの思考に戦慄が走る。

 慄然となった顔は、決してボケて言っている様には見えない。


 ……リダからすれば、ただのふざけた台詞以外の何物でもないのだが。

 

「これは、お前が思っている様な代物ではないからな? てか、私がボタンを押してもパンドラの箱染みた現象は絶対に起きないからなっ!」


 リダは憤然となって喚いた。

 だが、ユニクスとフラウの二人にはリダの言葉など届く様子もなく、ただただ蒼白な顔になって卵を見つめていた。


「お前らな……」


 まるで、卵に恐怖の大魔王でも詰まっているかの様な顔になっていた二人を見て、リダは額に怒りマークを作りながら右手拳をギュッと握りしめた。


 いっそ、この場で自分が卵を押しても、世界的には無害である事を証明する為に、卵の上にあるボタンを押してやろうかと考えたが……やめにした。

 やればユニクスが喜ぶだけだ。

 しかも、早々遠くもない未来にリダと瓜二つ……と言うか、寸分違わぬリダを無秩序に溺愛するユニクスの姿が思考の片隅から出現した所で、背筋にイモムシが這いずり回ったかの様な悪寒で一杯になる。


「……とにかく、私が二人になっても世界は特に何も変わらないとだけは言って置く」


 背筋が冷えたお陰で、脳内アドレナリンも収まったのか? 比較的穏やかな顔になったリダは、そのまま異空間にあるアイテムボックスの中に、今回手にいれた魔導人形ゴーレムの卵をポイッと入れた。


「……ちっ」


 直後、ユニクスの口から小さな舌打ちが聞こえたが……気のせいと言う事にして置こう。


「さて、次だな」


 答え、リダは前方へと視線を向ける。

 その先には、ボスを倒した事で出現した新しい階段が。


「今までのパターンからすると……次で終わりか、このダンジョンの守護者らしい存在が出現しておしまいでしょうか?」


「言われると、今までの二つはそんな感じだったね」


 階段を軽く見据え、これまでの傾向を元に自分なりの予測を口にするユニクスに、フラウが納得半分の声音を返して来る。


 ここには、リダも同じ事を考えていたらしく、間もなく肯定的な返事をしてみせた。


「そうだな。多分、次で終わりなんだろう……それにしても、もう少し難易度の高いダンジョンだと予測してたんだが……」


 リダは地味に不満気だった。


「そうですね。予想を大幅に下回るダンジョンであったかも知れません」


 他方、リダの言葉に頷いたユニクスはホッと安堵している様にも見える。


 実に両極端な二人を前に、フラウは心の中でのみツッコミを入れた。


 アンタらがおかしいだけだっっっ!


 この、何とも言い様のない負の感情を……一体何処にぶつければ良いんだと、フラウが珍妙なフラストレーションの捌け口を探している中、リダ組は次の階層がある階段へと向かって行くのだった。

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