【18】
コーリヤマにある五大池の一つ、ゼンポー池の迷宮・踏破!
五つある封印の一つを復活させ、みかん達は意気揚々とダンジョンから抜けて行くのだった。
金色に輝く魔法陣。
みかん達が去った後も、一切の陰りを見せる事なく、その輝きを維持したまま魔法陣は静かに光を放っていた。
ブゥゥゥン……
空間が揺らいだ。
しばらくすると空間はグニャリと曲がり、一人の人影を吐き出してみせる。
現れたのは、伝承の道化師と呼ばれる、謎の道化だった。
「くくく……中々、良い仕事をしますねぇ。いや、本当にみかんさんには驚かされる」
金色の魔法陣を品定めでもするかの様に軽く見渡しつつ、道化は独りごちる。
「本当……つくづく、人間が可愛いのでしょうねぇ……私の同胞は」
尚も自虐的に笑いつつ……呟いた。
私の同胞……と。
「私からすれば、人間はおろか……この世界に存在するあらゆる生命など、なんの価値も見出だせない、ただの暇潰しのオモチャに過ぎないのですが……本当にみかんさん。あんたは驚く程の変わり者だよ」
くくく……と、再び含み笑いをしながらも、魔法陣を見据える。
しばらくして、
「……おや? これは行けない。魔法陣にほころびがある。ダメですねぇ……こう言うのは几帳面さが大事だと言うのに」
答えながらも右手に黒い闇色の球を作り出す。
作り出された闇色の球体は、幾つもの小さな球体を吐き出した。
吐き出された小さな球体は、それぞれ金色の魔法陣の中に飛んで行き……消えた。
「これで良し。きっとみかんさんも喜んでくれる事でしょう……くくく」
三度、含み笑いをみせた道化は、闇色の球体達が金色の魔法陣の中に溶ける様に入って行ったのを確認した後、満足そうにその場から消え去った。
再び、ダンジョンの最奥は金色の魔法陣だけが、その空間を埋め尽くしていた。
次回に続く!




