表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こうして私は無双する・みかんVer  作者: まるたん
最下級の冒険者であっても、決して最弱であるとは限らない
26/1278

【3】

 だが、しかし……だ?


「お前は首都クシマの本部にいる筈だろ? なんでこんな所にいるんだよ?」


 そうと答えたういういの言葉通り。

 元来のシズはこの国の会長を任されている関係上、自宅はクシマ国の首都であるクシマにいる筈だったのだ。


 国際交易都市にまで発展してしまった為、今でこそコーリヤマの方が大きな街になってしまったが、元々はクシマが国内最大の都市でもあった。


 今でも国王がクシマにいるので、国内の中央はクシマであり、行政関連の本部もクシマに集中している。


 それはさて起き。


「それはこっちの台詞だ馬鹿娘! こんな近くにまで寄ったのなら、親の顔位ちゃんと見に来い!」


 シズはいかめしい顔になってういういに述べた。

 普段から穏やかなシズではあったが、娘にだけは手厳しい。

 母親であるが故の行為なのかも知れないのだが。


「近くって言ったって……ここからクシマまで何キロあると思ってるんだよ? 街道通って馬車使っても三日は掛かるぞ!」


「馬鹿者! 三日しかだ! その程度ですぐに会える距離なら飛んででも来るのが娘だろ!」


 どんな娘だよ! とか、ういういは叫んでやりたくなった。


「ういういさん、先に行ってますねぇ~」


 そこらで、近くにいたみかんが苦笑混じりに、そそくさと八番カウンターに向かおうとした。


「う~っ!」


 刹那、シズがみかんの前に瞬間移動して来た。

 正確には目にも止まらぬ早さでやって来たのだが、傍目から見たら瞬間移動して来た様にしかみえない。


「およ~」


 いきなり通せんぼされてしまったみかんは、少しだけ驚いた顔になってしまう。


「う~。みかんさんも水臭い。こんな近くにまで来たのなら、うちにも顔を見せてくれても良いのに。う~」


「あはは~。実はちと……時間が無かったのです~」


「う? 時間がない?」


 誤魔化し半分に言うみかんへ、シズは少しキョトンとなる。


「そうなのです~……ん? そか、シズさんなら分かるのか」


「う? うう~?」


「シズさん、カオス・ドラゴンは知ってますよねぇ?」


「わかる~。みかんさんと五十年前に封印したドラゴンだ、う~」


 シズはコクリと頷いて見せた。

 そんな二人の会話を耳にしたういういが呆然となる。

 

 心では言っていた。

 あんたら……本当は幾つなんだよ? と。


 妖怪じみたみかんはヨシとするが……まさか身内にも妖怪染みた実年齢を持っているとは思わなかった。


「実はですねぇ……あのダンジョンが復元されてしまうそうです」


「う?」


 神妙な顔で言うみかんに、シズは小首を傾げ……そのままフリーズした。

 まもなく、滝の様な汗が。


「……そ、それは……うぅぅ~」


 汗をダラダラ流したまま、顔を青くして唸り始めるシズがいた。


「ダンジョンの復元は、幸いにも全部一緒にではなくて、段階的に少しづつらしいのですが、このまま行くと十二日後には完全開封されてしまうみたいなのです」


「一大事です、うぅ………」


 シズは半べそになっていた。

 彼女からすればたまった物ではないのだろう。

 このまま行けば、早々遠くない未来にカオス・ドラゴンがこの街に復活してしまい、見事な地獄絵図が完成してしまうのだから。


 一刻も早く手を打たないと行けない!


「事情は分かった、う~。それでみかんさんとういういは、これからどうするつもり、う?」


「そうですねぇ……まずは、冒険者協会預かりのダンジョンなので、部外者でも入れるか問い合わせていた所なのですが……まぁ、無理でしょうね」


 みかんは、少しだけ困った顔になった。


「ま、ダメな時は忍び込んででもやってやるがな」


 ごんっ!


 不敵な顔で含み笑いで言ったういういに、そこでシズのゲンコツが落ちた。


「お前は何処の盗賊だ? そんな恥知らずな事をするんじゃない! 全く、親の顔が見たい物だ……」


「鏡を見ろよっ!」


 呆れた顔して嘆息したシズにういういは声高に喚いて見せた。


「ともかく、事情は分かった、う~」


 言うなり、シズは動いた。

 但し、シズが向かっていた先はカウンターではなく、支部長室だったのだが。


「およ? どこに行くです? シズさん」


「う? そう言う話なら、カウンターではなくて、直接ここのボスと話した方が早い。私も丁度、ここのボスを食事に誘おうと思って行く所だった」


「ほむぅ~」


『お問い合わせナンバー1088の方。あんまり遅いと打ち切るぞですっ! さっさと来なさい!』


「お、およ~」


 アナウンスの声が室内に響く。

 丁寧なのか口汚いのか良く分からないアナウンスだった。


「う~。高圧的な事を言う」


「まぁまぁ。みかん的にはこっちのが冒険者協会らしくて良いですよ~」


 眉間に皺を寄せたシズに、みかんが即座にフォローを入れる。

 変な話だが、荒くれ者が多い冒険者を相手にしている受付の人間は、総じて気の強い者が多い。


 見た目が変わってしまい、少し違和感を受けてたみかんだが、根本的な所は変わってない事に気づいて、少しホッとした位だった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ