【13】
揚々と魔法陣にやって来ては、キャンプの準備を始めるういうい。
みかんもそれに合わせて焚き火と食事の準備などを始めた。
「あ、お二人の分も用意するんで、一緒にご飯でもどうですか?」
「いいのですか?」
「もちろん~! 旅は道連れ、世は情けですよ~」
みかんはにっこりと笑みを作った。
こうして、その日は普段より賑やかなキャンプになった。
▲△▽△▲
翌日。
太陽も上がろうかと思われる早朝に、一行はキャンプを畳んで頂上を目指す。
感覚でしかないのだが、もう頂上はそこまで遠くない筈だ。
テラスの様な外側から見る限り、もう肉眼でハッキリ見上げる事が出来る程度にまで塔の頂上を確認する事が出来た。
目測ではあるが、次か次の階層で頂上と思われる。
ようやくゴールが見えて来た所で、意気揚々と進んで行く一行であったのだが。
「……おかしいよな、これ?」
「だよねぇ」
眉を寄せるういういと、頷きを返すみかんの言う通り、明らかに不自然な状況に遭遇していた。
「そうですね……これは、無限回廊でしょうか?」
ジャグも頭を捻らせて答えた。
「可能性は高いわね。さっきから登っても登っても終わりが見えないもの」
ラーもジャグの言葉に賛同する形で相づちを打った。
「う~ん……」
みかんは少しだけ神妙な顔付きになって悩んで見せる。
程なくして、何かに気づく。
「そか、これか~」
足元を見た。
そこには青いレーザーの様な一筋の光が。
「……なんだこれ?」
ういういはキョトンとなる。
「多分ねぇ、これが無限回廊のトラップを作ってるっぽい~」
言うなり、みかんはわざとレーザーに足を向ける。
すると、レーザーは青から赤に変わった。
「で、赤くなるでしょ? これでループのスイッチが入る~」
このまま登ると、自分達も知らない内に、下の階段にワープしてしまう。
結果、無限に階段を登るだけになる。
「なるほど……けど、それをどうすれば良いんだ?」
仮にトラップの仕掛けがそれであったとして、回避策が分からない。
「そのレーザーを跨げば良いのか?」
「多分、違うかな~」
言うなり、みかんは階段を駆け登る。
「おい、みかん! いきなり走るなよっ!」
すぐにういういも合わせる形でみかんの後を追った。
その瞬間、
ヒュッ!
正面からナイフが飛んで来た。
それをすかさず、みかんが右手でキャッチする。
「わざわざ取らなくても良かったんじゃないか?」
「みかんも、最初はそう思っていたのですよ~?」
不思議そうなういういを前に、みかんは真面目な顔で返事する。
実際、これまで一定の場所まで登ると、決まってナイフが飛んで来ていた。
最初は焦った一行だが、かれこれ十度目くらいになる。
流石にもう驚かない。
ポイントとしては、このナイフを今まで避けていた事だ。
避ければ、当然ナイフは慣性の法則そのままに虚空へと飛んで行ってしまう。
きっと、塔の端にある壁にでも突き刺さっているのだろう。
その程度の考えだった。
「このナイフが、実は無限回廊を止めるスイッチだったんじゃないかなと思うのです」
「そのナイフがか?」
今一つ、言ってる意味が分からない。
「多分、こう」
みかんは、更に上へと登り、再び青いレーザーが放たれている場所にやって来る。
そして、レーザーの光を遮る形でナイフを置いた。
すると、ナイフはレーザーの光を反射し、塔の中央にいるミノタウルスらしき像の角に当たる。
今の今まで気にもしなかったが、角の色は青かった。
「そしたらねぇ~?」
今度は、逆に階段を降り始める。
「降りるのか?」
「ほら、もう一つあったでしょ? 階段」
確かに階段は二つあった。
両端に二つ。
その中央に像があり、その真下に魔法陣があったのだ。
みかんとういういは素早く隣の階段に向かう。
ジャグ達二人も、少し遅れる形でみかんとういういの二人を追う形で隣の階段へと向かった。
隣の階段は、やっぱりほぼ同じ造りだった。
ナイフのトラップがあり、その先にレーザーがある。
違いがあるとすれば、レーザーの色が違うと言う事か?
「これもねぇ、同じ要領であの角を狙う~」
みかんはやっぱりナイフを使ってレーザーを反射させ、その光をミノタウルスの様な像の角に合わせた。
その瞬間。
「およ?」
「……なんだ?」
二人の視界が一瞬で変わった。
どうやらワープした模様である。
ワープ先は、この部屋の入り口。
魔法陣がある目前の場所だ。
「なんだこれ?」
「……さぁ?」
いきなり入り口にワープしてしまい、何がなんだか分からない二人がいた時だった。
ゴゴゴゴゴォッ……
地鳴りの様な音が周囲にこだまし、なんと中央の像が動き出した!




