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Shadow Heaven  作者: Day and Buffalo
8/12

8話 Paranoia Agent

シェルターの4人は、町の人間達に受け入れられていた。


4人のライブ演奏は町でうわさになり、キャバレーメチルは人で賑わった。


正確なドラムプレーに本来のベース演奏とは違った独特の演奏、

人々の視線を集め心を動かす独特な浮遊感のある歌声と、リードギターが楽曲を神秘的に演出している。


お客の中には彼らの演奏を録音したいと申し出るレコード会社の人間も現れ名刺を渡してきた。

レコード会社のヨウヘイは期待の新人を見つけた事を喜び、松田と硬い握手をしレコーディングの日程等の話しをした。


全てが順調に進みシェルターの4人にも生活のリズムが出来ていた。

メチルに言われ練習は朝の1時間のみ、小音量でする事を義務付けられ昼から自由の時間になる。


松田はこの世界を知る為に図書館へ向かい


モーリはその風貌から子供たちに人気になり、ゲーム等で一緒に遊び

漫画で似ているキャラがいる為、そのキャラの名前で呼ばれている。


「バッファローマン!何か面白い遊びを教えてよ!!」

ガヤガヤと子供達の甲高い声が響いている。


キョウヘイは、女性のレイコが男達と同じ部屋で雑魚寝する事に反対し、レイコの為に物件を探し始め、レイコは町の廃墟を巡り、フラフラと遊んでいた。



廃墟を歩き回りレイコに友人が出来ていた。

美しい姿をした猫だ。猫の事をヌクと名付けヌクに町の面白いスポットを教えて貰っていた。


今日のヌクとレイコの遊び場は苔まみれになった建物だ。


レイコはお酒を飲みながら苔まみれのヌクを眺めている。


ガガガ


突然音楽が鳴り


ヌクが驚き走って逃げ出した。


「やっと話しが出来るね。」


音の方にレイコが目を向けると。


レイコと同じお守りを持った男がお守りから音を流している。


「君が悪いわけでは無い、。」

「でも、、、」


「許せるわけ無いじゃないか、、。」

男が泣いている。


異様な光景だ。

レイコは男の手に注目をしていた。

男の手には金属バットが握られている。



「ねえ。ミロクちゃん。牛時山ぎゅうとやまの死体の話しっている??」


ナッキがニヤニヤとミロクに話しかけている。


「もー!!ナッキやめてよ!!」

ミロクは怒りながら耳を塞いでいる。


ナッキは耳を塞いだミロクにお構いなく話している。



牛時山ぎゅうとやまに腐敗臭がする場所で金属バットを持って徘徊する男がいるんだって。

腐敗臭がする辺りを歩いていると音楽が流れてきて



突然殴り掛かって来る。


殺した死体を男はどこかに飾って眺めているんだって。


「警察はどうしているの??」

マナコがナッキに質問をすると


ナッキはニヤリと笑い。

「警察もその男の仲間なんだって、、!だから男は捕まらないらしいよ、、!!」


マナコは笑い出した。

「そんなわけないじゃん」



バットは空を切り廃墟の壁を崩した。


レイコは間一髪でバットをかわし出口をチラチラと見ている。


暴漢に襲われているにも関わらずレイコは冷静に男の動きを見て、決して背中を見せない様に男をじっと見ている。


「やっと、、理想の音に出会えたのに、、」

暴漢はフルフルと震えながら涙を流している。

「やっと理想の音楽に出会えたのに、、」


男が無表情でバットを振り回す。


お守りから音楽は消えていた。


「お前らみたいな裏切り者達にこの町は相応しくないんだよ、、!」


バットがレイコに向けられ振り落とされた瞬間

1人の男がレイコの盾になった。


「キョウちゃん!?」


「ッグ」

キョウヘイの背中にバットが当たりキョウヘイが痛みからうずくまっている。


暴漢がキョウヘイを見てにやりと笑う。

「手間が省けたな。お前も次にやるはずだったからな。」


「そうかよ。」

ぽんっと暴漢の肩に手が置かれた。


「!!」


手の置かれた先には三つ網のバッファローマン!いやモーリが立っている。


モーリの拳が暴漢の顎に当たり暴漢が倒れる。


倒れた暴漢をつかみ立ち上げ、暴漢を持ち上げた。暴漢の足が空に向かう。

空から地面に垂直に男は落ちていった。


ブレーンバスターで止めを刺した。


その姿はまさに子供達のヒーロー、バッファローマンだった。


倒れた暴漢を近くにあった布で動けないように縛る。

「キョウヘイ大丈夫か?!」


モーリが駆け寄るとキョウヘイは脂汗を流しながら笑い

「痛いけど大丈夫、。」


「レイコちゃんは怪我はない??」

キョヘイがレイコを気遣うと

「ナァ、、。」

ヌクの心配そうな鳴き声が聴こえた。


「ヌク、、」

とぼとぼと近づいてくるヌクをレイコは愛そうに撫でる。


「この猫が俺たちを呼んだんだよ。」

キョウヘイもヌクを撫でている。


「バッファローマンすっげー!!」

隠れて見ていた子供達がバッファローマンの勇士に目を輝かせて集まってきた。


「よし。とりあえずこの男を運ぶか」

モーリは暴漢を持ち上げ肩に乗せた。

「生きた人間を運ぶのはレイコさん以来だな」

と笑う


「バッファローマン怖ぇ~!!!!」

子供達は騒いでいた。


「とりあえず暴漢こいつを松田のところに連れて行き話を聞かせてもらおう。」

「シェルターとこの町の事を知っている筈だ。」

悪そうな表情でモーリがニヤリと笑う。


「ミロクちゃんが見たらガッカリしそうな顔してるぞ。」

キョウヘイが痛い背中に顔をしかめながらモーリに礼を伝えた。


レイコはキョウヘイにお礼を言い、

動けない暴漢を見て背筋を凍らせながらその男の正体を考えていた。

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