表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

六日目

六日目


今日も爽やかな目覚めである。そして暑い。とにかく暑い。


まあ、仕方がない。なにせ、明後日から八月なのだ。夏真っ盛り。暑くないわけがない。


「はあ、暑い」


「樹、いい若者が朝からため息つかないでよ。ため息つくと幸せが逃げるんだよ」


「……ナニソレ」


そんなこと、聞いたこともないわ。だが、たしかに朝からため息つくと暗くなるよね!気を付けよう。


今日は朝はおばあちゃんとおつけものを漬けるのだ。おばあちゃんの漬物は売っているものより美味しいから私は大好きだ。料理も和食ばかりだけど、美味しいし。お母さんはあんまり上手じゃなかったからなあ。


お昼からはとなり町の図書館に行く予定。明日は山(?)に行くわけだし、ついでに図書館の近くにあるらしいホームセンターでものぞいてみよう。なにかしら必要なものがあるかもだし。でも山登りなんかしたことないけど、何が必要なんだろう。……本でも探してみるかな。


おばあちゃんと楽しく話をしながら、おつけものを漬けていると、ちょっと面白い話をきいた。


「抜け穴?」


「そうよ。今はもう通れないけどねえ」


その抜け穴は昔からあるのだという。町中に入り口があり、坂の上の八幡さんのところまで続いているのだとか。その話を聞いたとき、なにかとても大切なことを忘れているような気がした。……なんだろう?気のせいかな。


結局なにも思い出せないし、まあ、気のせいだろう。なんだかもやもやするけど、思い出せないなら大したことではないのだろう、とちょっとした違和感など忘れることにしたのだった。





お昼過ぎ、私は図書館に向かった。今日は電車である。うん、やっぱり車ないって不便。都会にいたときは特に不便とか思わなかったけど、ここって電車もバスも全然本数ないからなあ。一時間に一本あるかないかなんて……。まあ、たとえ車があってもまだ免許とれないけどね。


それはそれとして、駅から徒歩五分で図書館についた。意外と、といってはなんだが、本格的な図書館である。小さな町の図書館にしてはかなり蔵書数があるし、CDやDVDなんかもおいている。更には絵本にマンガ、木のオモチャ。畳敷きの遊べるスペースもあるし、テラス席のようなものまであり、コーヒーも飲めるらしい。もちろん視聴覚コーナーもある。


「うわー、読みたかった本がいっぱいある」


まずい、毎日でも通いたい。


とりあえず、何冊借りてもいいと言う夢のような図書館だったので、読みたかった本を片っ端から積み上げていく。


「うはははははは」


本好きとしては笑いが止まりませんなあ!


ついでに、おじいちゃんの家のある町の史書もあったので、パラパラめくってみる。


「へえ、あんな小さな町なのに、結構色々あるんだなあ」


「歴史は古いからね!戦国時代から続いてる家とかいっぱいあるし」


なぜか誇らしげに言うハン。なぜお前が誇らしげなんだ、ビー玉のくせに。


ともあれ、非常に有意義な一日であったことは間違いない。


ちなみに、帰りに寄ったホームセンターで鈴を買っておきました。うん、熊がでるらしいのよ。マジで。聞いたときは本気で都会に帰りたくなったわー。


ないわ、熊。











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ