感銘と約束
「んっ! おいしょっ! おっとっと……」
ぶつかってきたドルジィ君を俺はしっかり受け止めた。
合図と同時の速攻に反応が遅れて一方的に受ける形になってしまったせいもあるが、まさか俺が数ミリも押されてしまうとはやるな。
生身の人間にしては――だが。
ズリズリズリズリ……。
「なっ、なんスか、この馬力は……!」
俺が反撃で押し返していくと、その力強さに困惑するドルジィ君。
確か相手を輪っかの外に出せば勝ちだったよな?
俺とドルジィ君はしっかりと組み合ったまま正面からの押し合いに発展する。
ドルジィ君は顔を赤く歪めながら全力で俺を押し返そうとしていたが、いくら頑張っても人間がトラックと力比べで勝てるわけがない。
「ド、ドルジィが押されてるぅ!?」
「あいつ、正面からドルジィのぶちかましを耐えた上にコレかよ!」
「どうなってんだあのエルフは……!」
周囲から困惑の声がちらほら聞こえてくる。
自分、トラックっスから!
俺はエンジンを稼働させて真っ直ぐに進んでいく。
「ウオォォオォオォ! ま、負けないっスゥウゥゥウゥウゥゥ!」
ドルジィ君はドヒョウの上で咆哮し、精一杯の力を振り絞ってきた。
ドルジィ君の力強い下半身の証明として彼の足の裏の地面が抉れていく。
だが、
やがて――
必死に踏ん張った痕跡をドヒョウの上に残し、ドルジィ君の足は輪っかの外に出た。
「寄り切りじゃとォ!? それも綺麗な馬車道までできておる……!」
寄り切り? 馬車道? なにそれ?
ふんふん……?
どうやら組み合った状態でそのままドヒョウの外に押し出して勝つことを寄り切り、踏ん張った両足の跡が地面にまっすぐ続いて残ることを馬車道というらしい。
「まさかドルジィが……。我が子爵家でモウスが一番強いドルジィがあんなにあっさり負かされてしまうとは……! ワシの想像以上じゃ……!」
ニゴー子爵は驚愕に打ち震えていた。
「いや、完敗だったっス。差があり過ぎて悔しいとすら思えなかったっスよ……」
ドルジィ君がおずおずと話しかけてきた。
「勝負の前は魔法の力とか言って申し訳なかったっス。実際に戦ってわかったっス。あんたは本物っス! 追いつけるように自分も鍛練頑張るっス!」
柱を壊したのは俺が悪いのに謝罪をされてしまった。
てか、人間基準ならドルジィ君は十分に規格外なパワーのはずだけど。
トラックパワーを搭載した俺が人型をしているせいで、彼は人の限界値が俺くらいまであると思い込んでしまったらしい。
まあ、人間は常識を超えた存在が新しい常識を作って進化を続けてきたと聞くし。
高みを目指すのはいいことだろう。
◇◇◇◇◇
「すごいね、グレンっち!」
エルーシャが俺のもとにトコトコやってきて称賛の言葉を送ってくる。
「グレンっちのそれ、魔法じゃなかったんだね。びっくりだよ」
「ん? ああ、そうだな……」
そうなんだけど。
どうして今回は魔法じゃないって信じてもらえたんだ?
場合によっちゃ『魔法は禁止って言っただろ!』となるのも覚悟してたんだけど。
俺が疑問に思っていると、
「真摯に体を鍛えている者同士なら、正面から肉体をぶつけあえば本質はわかるものじゃ」
ニゴー子爵がオカルト的なことを言い出した。
なにそれこわい。
「それに試合前に撒いたあの粉には魔法を無効化させる効果があったからのう」
「あ、そっちが本命ですね」
マジで身体をぶつけあうだけでわかったのかと思っちゃった。
「モウスは肉体の力と技だけで戦う神聖な競技。カウス族はあの粉をドヒョウに撒いて、互いに魔法を使わないことを宣言し、己の鍛え上げた肉体ひとつで戦うことを誓いあうのじゃ」
なるほど、あれは魔法を使えなくする粉だったのか……。
…………。
あっ! それって奴隷商人のやつじゃん!
エルフを捕まえるときに輩が使ってたり、ニッサンの街の領主にあげたりしてたやつ!
あとルドルフが俺に使ってきたやつ!
最初に見たときどっかで見た気がしてたんだよ。
久々すぎて記憶からですぐでてこなかった。
なんでニゴー子爵家にコイツがあるんだ……?
「む? この粉か? これはカウス族の長から友好の証に貰ったんじゃよ。モウスという競技を互いに研鑽しあい、切磋琢磨しようと約束してな……」
過去を振り返り、遠い目をして懐かしむニゴー子爵。
浸っているところ悪いが、ちょっとそのカウス族のことを教えて頂きたい。
ひょっとしたらカウス族と奴隷商人は何かしらの接点があるかもしれない。
そこから奴隷商人の手掛かりが見つけられる可能性も――
「カウス族と会いたいのか? まあ、グレン君ほどモウスが強い男なら彼らも歓迎じゃろ。カウス族は根っからの戦闘民族じゃからな。近いうちに騎士団の数名を連れてモウスを挑みにいくつもりじゃったから、そのときは君もついて来るといい」
マジで? いいの?
偶然訪問した友達の実家で新たな手掛かりを掴むことになるとは思わなかったぜ。
でも、話の感じだと会ったらモウスで戦わないといけなさそうな……。
ま、それはそのとき考えよう。
◇◇◇◇◇
「ところでじゃが……」
「なんですか?」
ニゴー子爵、なんだか目が据わっている。
嫌な予感が……。
「!?」
瞬きをした瞬間。
ニゴー子爵は距離を詰めて俺の背後に回っていた。
すげえスピードだ……。
いや、足捌きが巧みだったのか?
まったく追うことができなかった。
この老人、筋肉だけじゃない。
「フホホホ……」
背後に回ったニゴー子爵は俺の下半身に手を伸ばしてくる。
な、なにをするつもりだ!?
やめろぉ!
もみもみ。
「これは……素晴らしい筋肉じゃ……」
「…………」
「柔軟性と弾力に優れていて、俊敏性と長時間の走行を維持するためか必要以上の肥大化は抑えられておる……。それでいながらドルジィを凌ぐ力強さも伴っておるとは。どうやったらこのような質感に鍛えることができるのか実に興味深いのう……」
ニゴー子爵は俺の脚や体幹の筋肉を揉んで撫でて、興奮気味に実況し始めた。
そうかぁ……ニゴー子爵はこういうタイプで変態だったかぁ……。
部屋にいた騎士たちもニゴー子爵が俺の筋肉を吟味する様子をチラチラ覗いて来たり、聞き耳を立てたりしている。
「子爵はあのエルフから鍛え方を聞き出せるかな……」
「エルフがあそこまでの力を手にしたレシピはぜひとも知りたいところだ」
「オレも間近で見てえなぁ、触りてぇなぁ」
ああ、ここはそういう巣窟なのね……。肉体を鍛えることに対してどこまでも貪欲に変態的なまでに精進していく場所。
エルーシャが暢気に干し肉を取り出して食べ始めた辺り、ニゴー家の屋敷はコレが通常運転の世界なのだろう。
「もう辛抱ならん! 次はワシと戦ってくれい! ふんっ!」
バリィッ!
ニゴー子爵が筋肉を膨らませると上着が吹き飛び、上半身裸になった子爵が俺を土俵に誘ってきた。
「ちなみにワシの筋肉はどうじゃ?」
くまなく鍛え上げられた筋肉の鎧を見せつけながらニゴー子爵が訊ねてくる。
どうって……そんなん聞かれても……。
正直ついて行けないと思いながら、しかし鍛えたモノを見せられたからにはしっかり感想を言っておくのが礼儀だろうと思い俺は真面目にチェックする。
…………。
俺が注目したのは『びくんびくん!』と左右交互に脈動する厚く膨らんだ大胸筋だった。
「胸の筋肉がすごいと思います」
俺も運転手を抱える力をつけるため上半身を必死に鍛えてきた。
だからこそ、ニゴー子爵がこの大胸筋を育てるために費やしてきた努力、熱意、時間がどれほどのものかは想像がつく。
ぶっちゃけ尊敬できるレベルのものだ。
ん? ハッ! そうか……!
これが真摯に体を鍛えている者同士ならわかる本質というもの……?
ニゴー子爵がニコリと微笑みかけてくる。
ああ、子爵……。そうだったんですね……。
オカルトだなんて思った自分が恥ずかしい。
俺はニゴー子爵の言葉の意味を実感し、その奥深さに心から感銘を受けたのだった。
「フォフォフォ……しかし、見れば見るほどグレン君の下半身の強さとしなやかさは素晴らしいものじゃのう……」
「いえいえ、ニゴー子爵の大胸筋もさすがです」
「いやいや、なにを言う――」
「何で筋肉を鍛えてる人たちってお互いの筋肉を見せ合って褒め合うんだろうね」
ループに陥りかけていた俺たちを見て、エルーシャがどうでもよさげに呟いた。
◇◇◇◇◇
「ずるいぜ、俺だってモウスでドルジィをあそこまで圧倒したヤツと戦いたいですよ!」
「子爵! 我々にも彼とモウスをさせてください!」
「自分も、もう一回胸を借りたいっス!」
ジェロムを始めとする騎士たちが口々に騒ぎ出した。
理由はニゴー子爵が俺とモウスをすると言ったから。
「おいおい、なにがあったんだ?」
「ドルジィが馬車道を食らってエルフに負けたらしいぜ」
「なに!? あのドルジィがモウスでエルフに!?」
「一体、どんな怪物エルフなんだ……?」
やいのやいの。
ドヒョウ周辺にいた騎士だけでなく、外の鍛練場にいた騎士たちも集まってきて騒々しさは増していく。
「大将は最後というのが相場でしょう!」
「なにをいうか! ワシは昔から最前線に立って戦う主義じゃ!」
この後、彼らは揉めに揉めて順番を決め、俺はニゴー家のマッチョたちと何回もモウスするハメになった。
◇◇◇◇◇
ちゃぽーんっ。
ニゴー子爵や騎士たちと何回も肉体をぶつけ合った後、俺は泥や汗で汚れただろうということで屋敷の大浴場を使わせてもらっていた。
「ふぃ~動いた後の体に染み渡るのう……」
ニゴー子爵と一緒に――
いや、浴槽はかなり広いから圧迫感とかは全然ないんだけどさ。
下半身の筋肉を鼻息荒くして揉んできた人と生まれたままの姿で二人きりというのはいろんな意味で緊張するものがあった。
「グレン君、今日は来てくれて本当に感謝する。騎士たちも励みになったし、ワシ自身もよい鍛練をさせてもらった」
ジャバジャバと肩や首に湯を当てながらニゴー子爵が何気なく言ってくる。
「いえ、俺も知らなかったトレーニング方法を聞けたりして楽しかったですよ」
何十人と立て続けにモウスさせられたのは少々参ったが、奴隷商人に繋がるかもしれない新しい手掛かりも掴めたし、全体的に有意義な訪問だったのは間違いない。
「うむ、そう言ってくれると助かるわい。君がエルフでなければニゴー家に婿入りしないかと積極的に誘っておったところじゃ!」
「ハハハ……」
ニゴー子爵の言葉を俺は苦笑いで受け流す。
どこまで本気なのかわからないので迂闊なことは言えない
「まあ、そういうことは置いておいてもじゃ。エルーシャとはこれからも仲良くしてやってくれるとありがたい」
ニゴー子爵はフゥ……とらしくない溜息を吐き、
「あれは幼い頃に母親を亡くし、父親ともワケあって長いこと会っておらんくてな。その父親と約束したのだと言って、美味い料理を求めて食べることばかりに執着しておるからちょいと心配なんじゃよ」
「…………」
エルーシャの両親が出てこねえなぁとは思っていたが……。
そんな家庭の事情があったとは。
そういえばテックアート家でもレグル嬢の母親に会ってねえぞ。
ひょっとしたらあっちの家も何かしら訳アリだったりするのか?
まあ、そこの部分に俺が関わることはないと思うけど……。
「あの男とどういう約束をしたのかは知らんが、そろそろ過去に縛られず自由に生きてほしいものなんじゃがな……」
ニゴー子爵はエルーシャが過去に縛られていると言っているが、きっかけがどうであれ、エルーシャの美味いモノを食うことへのこだわりはすでに彼女のものだと思う。
ライフウェイとか言ってたし。
だが、俺はニゴー子爵にその考えを伝えることはしなかった。
俺の運転手を乗せて走ることを追い求める想いも、トラックだったという過去に縛られた自由ではない『好き』なのでは? という疑問が一瞬だけ頭をよぎってしまったからだ。
まあ、そんなことはないよな。
俺はちゃんと俺の意思で走ることが好きなのだ、きっと。
その後、学園での話を色々聞かれたので俺はラルキエリが構想中の筋肉を効率よく鍛える器具のことなどを話した。
すると、
「なんじゃと! あの魔道学園の才媛が筋肉を鍛える器具を!?」
子爵はザバァと勢いよく湯舟から立ち上がって大声で叫んだ。
信じられないくらいデカかった。
後日、ニゴー子爵からラルキエリに研究を援助する申し出があったそうだ。
器具が完成したら真っ先に試用させることを条件に……。
◇◇◇◇◇
夕暮れとなり、俺は屋敷の者たちに見送られながらエルーシャと学園の寮に戻るための馬車に乗った。
ニゴー子爵は食事の席で機嫌よく酒を飲みまくったせいで酔い潰れてしまったので見送りにはこなかった。
「グレンっち、今日は来てくれてありがとね。お爺様、すごく嬉しそうだった。騎士たちもグレンっちと勝負できて喜んでたし」
門に向かってゆっくり走り出す馬車のなかでエルーシャから礼を言われた。
彼女は天然で掴みどころがない性格だが、こういう些細なことはきっちりしてるんだな。
本人の知らぬところで両親の話を聞いてしまったことは黙っておこう。
ゴトンッ。
あれ、馬車が止まった?
発車してから数メートルも進んでないぞ? まだ敷地内だよな?
「すいません、なにやら門の前で喚いている輩がいるようでして」
御者の人が申し訳なさそうに言ってくる。
喚いている? 人の家の前で通行止めを起こすような真似をするとは迷惑な輩だ。
一体どんなやつなのか。
俺は窓から覗いて確認をしてみた。
「なぜだ! 武闘派で名高いニゴー子爵家も伯爵家の権力が怖いのか!」
「他家の事情は関係ない。お前のような眼差しの濁った者がニゴー家に仕えるのは分不相応というだけだ」
「何が眼差しだよ! 訳の分からないことを!」
薄汚い身なりをした青年がゴリマッチョな門番に食ってかかっている光景がそこにあった。
「オレはディーゼルだ! 地元じゃ天才と言われてた男だ ! 召し抱えて損はしないと子爵に伝えろ!」
ディーゼル……?
どこかで聞いたことあるような……。
「テックアート家をクビにされた元騎士ですね。問題がある男なので雇わないようにとテックアート家から達しが出ております」
実は行きの馬車から一緒にいたのに、今日は徹底して存在感を消していたエルーシャ専属メイドのサラスが言った。
いやホント、この人、気配消すのメッチャ上手だったよ。
盗賊退治のときも強かったし底が知れないね。
それはそうと。
ディーゼルとかいうのは俺が訪ねたときに門番をやっていた騎士だったな。
レグル嬢から貰った書状にケチをつけて襲い掛かってきた挙句、みっともなく言い訳して騎士をクビになった男だ。
どうして彼がここにいるんだろう?
雇えとか言ってたし、就職活動ってやつかな。
「当主をだせ! 子爵がオレの実力を見ればきっと理解できる! お前のような三下では話にならない!」
「いいから去れ」
会話の雰囲気的にいつ不審者としてとっちめられてもおかしくない様子である。
見ているこっちがヒヤヒヤものだ。
「くそっ、どこの貴族も日和りやがって……。オレという、勇者にもなれるはずの才能が悪しき貴族の権力に阻まれて潰されるってのかよ。こんなことが許されていいのか……。これも全部あのクソエルフ野郎が……」
一応は知った顔なので俺は馬車を降りて挨拶することにした。
どいてもらわないと帰れないってのもあるし。
目の前で流血沙汰が起きても気分悪いもんな。
「おーい、クソエルフって俺のこと?」
「お、お前はあの時の! どうしてここに!? なぜ門のそっち側にいる!?」
「いや、ちょっと子爵にお呼ばれしちゃって」
門前払いされてた彼に言うのは嫌味っぽいかもしれないけど。
事実だからしょうがないよね。
「ニゴー家に貴様が!? ぐぬぬ……そうか、貴様はそうやって先回りしてオレの邪魔をしていくのか……! 許せんッ!」
ありゃ? なんかとんでもない被害妄想をされてしまったような?
「貴様のせいで! 貴様のせいでオレは騎士として出世する道を絶たれたんだ! 勇者になるはずだった栄光の未来は閉ざされたんだァ!」
唾を飛ばしながら憤怒の形相で俺に詰め寄ってくる。
「勇者ってなに? よくわかんないんだけど、君はそれになりたかったの?」
「こ、このっ! オレじゃ勇者になれないと馬鹿にしてるのか!?」
いや、俺は勇者ってモンの概念を訊いただけなんだが……。
言葉の意味をとんちんかんに深読みした彼はさらに怒りを増幅させてしまった。
恩に着せるつもりはないけど、死刑になるところを鞭でぺちぺち叩かれるだけで済ませてあげたのにここまで嫌われてるとは。
「オレは地元じゃ一番だったんだ! 最強で無敵で……勇者にもなれるとみんなから言われて村を送り出されたんだ! あんなことで簡単にクビにしていいと思われるような軽い存在じゃないんだ……オレは……井の中の蛙じゃない……!」
ディーゼル君はブツブツ言いながら腰に差した剣を抜こうとする。
だが、ゴリマッチョ門番が睨み付けていることに気付くと舌打ちして手をひっこめた。
「いいか、貴様だけは絶対に許さない! 絶対にだ! 覚えとけ! 背中に受けた鞭の借りはしっかり返してやるからな!」
捨て台詞を残してディーゼル君は去って行った。
「なんだったんだ……?」
「よくある話ですよ。地元で天才とおだてられていた者が、王都に出てきたら自分が思っていたほど飛び抜けた存在ではなかったと知る……。彼はまだまだ自尊心が捨てきれておらんのでしょう」
門番をやっていたゴリマッチョさんが隣にやってきて渋い表情をしながら教えてくれた。
エルフの里でフツメンだったやつが人の街に出たら美形扱いでモテモテになる現象の逆パターンと考えればいいのか?
なるほど、そいつは地味に辛いかもしれないね。
門番のマッチョさんはどこかディーゼル君を憐れんでいるような雰囲気だった。
この人もいろいろな葛藤を乗り越えて生きてきたのかな。
最後にひと悶着あったものの。
その後は特に何事もなく学園の寮に辿り着き、俺はベッドで心地よく眠りについた。
明後日はいよいよエルフの里から幼馴染みのシルフィが旅立つ日である。
奴隷商の手先が狙ってくるかもしれないし、ちゃんと迎えに行ってやらないとな。
次回は直前に見返して直さなきゃやばいと思う部分が出てこない限りは三日後に更新です。
短めの閑話です。よろしくお願いします。




