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出会い

午後7時、学校からの帰り道、風が全く吹かない道を歩き、死にそうになっている。


「......。」

暑い......とにかく暑い....。回りでセミが鳴いているだけでさらに暑く感じる。本来今は、夏休みのはずで高校2年生の伊藤(いとう)暁臣(あきおみ)は家から出る気なんてこれっぽっちもなかった。それが、なぜ出ているのかと言うと....



「えー、今から名前を呼ぶものは夏休み、補習があります。心して聞くように。」


ポニーテールのキリッとした顔立ちが印象的な女教師が信じられない事を言う。彼女は皆からタツキちゃんと呼ばれているが彼女と正面切って言おうとするものはいない。言えば鉄拳制裁がまっているからだ。

「「えーー」」

クラスじゅうから不満の声が飛ぶ。暑さでそれどころではなかった暁臣は他人事だろうと思い、机に全力でつっぷしている。


(こんな、暑いなか学校とか死んでも嫌だわ....)


「あー、うるさいうるさい。少し静かにしろ。まぁ、今回お呼びだしが来るのは一人だけだ。ほとんどの人間には関係ないだろ。では、呼ぶぞ。....暁臣、お前だ。これから渡す補習者用のプリントをよく読んでおくように。」


ポニーテールの教師はそう言い、教卓の前の席である暁臣の席に一枚のプリントをおきHRを始めた。......死のうと決めた。



(こんな暑い日に学校呼び出すこともないだろうに。まぁ、元々はしっかりやらなかった俺がわるいんだが。)

そんな、終業式の悪夢のような出来事を思い出しながらマンションの階段を上る。目的地は五階で、現在地は二階だ。道は果てしなく遠い。こんな時期にエレベーターが故障しているのをひたすら恨む。

「......やっとか」

ひたすらブツブツと呪詛をつぶやきながら階段をのぼっていたら、いつの間にか五階についていたらしい。あとは、クーラーをかけておいた自室のドアを開けるだけだ。そう思い最後の力を振り絞る。


「ただいま....疲れたな....。」


心からの一言を呟き、ソファに寝っころがりテレビをつける。そしたら、ちょうどニュースがやっており内容はここ最近この変で暴れている魔法使いの内容だった。


「またか....」


この世界には魔法と呼ばれるものがある。いつからあったものなのか、それすら明確な事はわからないらしいがかなり古くからあるものらしい。

魔法は世界で広く認知されており、今では魔法という存在は科学と肩を並べるまでに至っている。その魔法を使えるものを魔法使いと人は呼んでいる、なぜか分からないがここ3、400年で急増しているらしい。


「怖いなー。なんで才能を無駄にするようなことをするんだか」はやく魔法機関が解決してくれ、と思う。


自分の右手に視線を落とす。ちょっと右手に念じてみるが特に異変があるわけじゃない。火もでなければ水もでないし風もでない。

「だよな。」

魔法は誰にでも使えるものではない、急増してるとは言っても一部の才あるものだけだ。

全く期待していなかったと言えば嘘になるがこの結果はわかってはいた。自分に魔法の才はない。....高校2年生だもの。ちょっとぐらい夢みたいお年頃なのです。


「....夕飯の支度とお風呂の準備しなきゃ」


馬鹿みたいな考えを振り払い、今、やるべきことを思い出す。


「あ、食べるもん無いんだった。」


買ってから帰るつもりだったのに....と、もう一回外にでなきゃいけないことを考え憂鬱になる。


(全部補習のせいだ。)


そんなことを思い、再び家を出る。













「おい!暁臣!」

家を出てデパートに向かう途中後ろから肩を捕まれた。この声にはとても覚えがある。

「ヤスか?」

若干茶髪な感じがする今風な雰囲気をだして俺に話しかけているのは、同じクラスの今井(いまい) 広安(ひろやす)

彼はニタニタしながら聞いてくる


「こんな時間に制服姿とは....いやいや、このヒロヤス....暁臣殿の勉学意欲には関心させられまする!!」


「ほーう、いい度胸だ。事情を知った上でそうゆう事を聞いてくるってことは覚悟はできてるんだろうな?」


ヤスは楽しそうに笑い、

「うそうそ、冗談」

と、手をヒラヒラ~っとして見せた。

「今、帰りか?」


「1度帰って飯を調達しに行く身だ」


「そりゃあ、都合がいい。どーだ?これから、飯いかね?」

飯に誘われ、一緒に行くか迷ってた暁臣にトドメとばかりにヤスは二枚の紙を取り出す。


「焼肉の園40%割引券」


「ご一緒しよう」


即答だった。だって断る理由がないだろう、40%だぞ?これほど美味しい話を逃すのは馬鹿のやることだと暁臣は強く確信している。


「さっすが、兄弟~、分かってくれると思ってた!んじゃ、行くか」






~焼肉の園にて~



肉の焼けるいい匂いがする。見れば机に設置された網には肉が食べてくれと言わんばかりに美味しそうな雰囲気を醸し出している。


(よし、今、食べてやるぞ)


ヒョイっと、その肉をつかんだのは暁臣の箸ではなかった。


「貴様......ヤス....」


「な、なんだよ....?どうかしたか?」


暁臣が物凄い剣幕で睨んでいるからだろう。オドオドしながら、なぜ睨まれてるか分からないヤスに「なんでもない」と告げる。


「で?今日の補習では何やったんだ?」

もぐもぐと口に含みながら聞いてくる


「魔法の歴史についてだよ。「魔法が今まで私達の世界にどんな影響を及ぼしていたか、どんな形で繋がっていたか貴様は知っておく必要がある」....だとさ」


少し高めの声をだし、タツキちゃんの全然似ていない声真似をする。もし、これをタツキちゃんが聞いていたら俺が焼肉になっていただろう。


「魔法ねぇ....俺たちはさ、生まれてからだからそう違和感ないけどさ。少し前は全くの未知の力だったらしいな。こんなすぐ隣に魔法が使われてるとは思わなかったろうな。」


ヤスは肉を焼いているコンロ?のようなものを箸でつつく。実はこれも魔法で動いており電気代、ガス代がかからないという理由から、今じゃどこの飲食店も似たようなものを使っている。


「便利なもんだよな。魔法ができて開発可能になった技術もたくさんあるんだろ?魔法様々だぜ」


「けど、一方で」

天井にぶらさがるように設置されているモニターに目を移す。モニターには、家でみたのと同じ内容のニュースがやっている。


「ああやって魔法を悪用するやつもいる」


魔法は便利という面をもつが、大きな力という面も会わせ持っている。なので、当然その力の大きさを懸念している人達はいるわけだ。魔法を忌み嫌うもの。ほとんどの人達は魔法を便利な存在として受け入れているが、一部ではそうでない人達もいるのだ。


「まぁ、まだ物を壊したりってだけだからな。人を殺してないだけマシ..と、考えていいのやら」


「......俺らが気にしてもしょうがねぇよ」


「そうゆうのは魔法機関の仕事だしな」と付け加える。


魔法機関。簡単に言ってしまえば魔法関係の問題を解決する警察みたいなものだ。いや、警察よりは軍隊に近いんだったか?確か今日の補習では「この組織の警察と違うところは武力を行使することだ」と言っていた気がする。魔法犯罪や、魔獣を相手にするという仕事の性質上、物騒なことになりがちだという。そして、国毎に設置されている魔法機関はその国の軍事力としてもみられているのだそうだ。


「お前、魔法機関に入りたいと思う?」


肉が焼けていなかったのか1度とった肉を網に戻しているヤスに聞く。


「金の面では一生苦労しないとは言うけどな。ただ....」


「命の危険があるから嫌だ....と?」


「そーゆーこった。危険な仕事なんだろ?常に命のやりとりらしいじゃねぇか。俺はそんな仕事嫌だね。お前はどうなんだよ?入りたいと思ってんのか?俺たちに魔法が使える使えないは無しでよ。」


「入りたいとは....思わないな。お前と一緒だよ。命のやりとりなんかしたくない。」


お互いに情けない男達だ、と笑う。そうして、ヤスとの楽しい時間はすぎていき「そろそろ帰るか」というヤスの一言でその日は解散となり、明日の補習に備えることにした。










~翌日~







「........という訳だ。ある一定のレベルに達した魔法使いには、なんというんだろうな。異物が呼び出せるようになるんだ。それを、杖と呼んでおり....」


(............)


今は補習を受けているんだが1つ大きな問題がある 、それは....


(眠いッ!!これは、非常にまずい!もし半分聞いてませんでしたなんて、タツキちゃんにばれたら)


昨日余裕を持って寝たはずなんだが....そんなことを途切れそうな意識で考えていると


「貴様聞いているのか?暁臣?....よし、何の話をしていたか言ってみろ」


タツキちゃんはこちらを笑いながら見ているがそれは決して好意的な笑みではない。暁臣が答えた時のことを楽しみにしているのだ。具体的には答えた後の事を....


パキパキ


(間違えたら......殺される......ゴクリ)


指の関節をならして笑っている目の前の人物が本当に人間なのか疑う。彼女から発せられている何かは明らかに人の域を越えていると思われる。


(..............)


必死に記憶を手繰る、確か......杖の話だったか..?


「つ....................................................................杖の話です」


長ーい溜めを作ってからやっとのことで話す。


「....怪しい気もするが、まぁいいだろう。今回は見逃してやる、だが、次はないからな。」


そう言ってこちらに握りこぶしを向ける。そんな圧力向けなくても分かってますって。


「いいか、杖とは童話にでてくるような棒切れじゃない。それは、人によって違うらしい、動物、武器、鎧、など種類はいろいろだ。」


「人間の姿もあるんですか?」


ふとなんとなく思った事を聞いてみる


「お前にしてはなかなか面白い発想をするな。質問に答えるが、それは分からない」


ちゃんと話を聞いているか確認して納得したような素振りをみせる


「曖昧な答え方をしたのには理由がある。それは、まだ確認されていないからだ、だが今まで確認されてきた杖のことを考えれば人の姿をするのではという事は充分に考えられるな」


「........私はな、思うんだ。杖とは可能性の形なのではと。だから、もし....人型の杖があるなら....それは、人の可能性がまだ残っていて、我々はまだ進化できるのではと」


それを話していた時のタツキちゃんは何か考えているようだった。だけど、何を考えているのか、俺には分かるわけもなくて....


「話が反れたな、続きを始めるぞ」









............................................。









_______________________











ここは日本関東魔術支部。その一室で二人の人物が話していた。

広いということ以外大して特長のない部屋では、二人の人間が話していた。一人は髪のない頭にたくさんの傷のある男、もう一人は長く赤い髪が印象的なすれ違えば誰もが振り向くというほどの美少女。




「..........という訳だ。都市長からの依頼でここ最近好き勝手やってる魔法使いを捉えて欲しいらしい。」


目の前の男はクルッと、イスを回し言う。そして、手に持っていた資料を机に投げ出す。


「どうやら、相手は高位魔法使いではないようだな。杖の顕現痕跡はない。魔法使いなら誰にでも出来る念力で物を壊したりしているだけだ。本当に杖の顕現ができないのかどうかは直接みてもらうしかないが」


彼はここの支部の支部長だ。頭にできた傷は違法魔法グループと戦った時に出来た傷で魔法戦の凄まじさを語ってくる。


「悪いんだが受けてくれないか?今、うちから出せそうなのが君だけなんだ。君なら問題ないとは思うのだが....」


どうだい?と、男は聞いてくる。


「はい、分かりました。では、その都市に行き犯人らしき魔法使いを見つけ、拘束すればよろしいのですね?」

男と話していたのは、この支部の戦闘員だ。綺麗な赤い髪が特長の少女だ。


うむ、と男は頷く。つづいて「すまないな。」と、男は謝ってくる。


「いえ、支部長は悪くありません、謝らないでください。これも、仕事ですので。....では、早速これから現場に向かおうとおもっているのですが、他には何かありますか?」


そんな彼女を見て、男は苦笑する。


「もう少し肩の力を抜いたらどうだ?疲れるだろう」


「お気遣いありがとうございます。ですが、大丈夫です。適度な息抜きはしているつもりですので。」


それでは....と支部長室を彼女は後にする。「ふぅ....」と息を吐く。

「彼女はもう少しどうにかならんのか」


と、一人呟き、机の上で丸くなっている猫に視線を移す

。実はこの部屋にはもう一匹いたのだ。机の上で寝ている猫は彼が飼っているものでこの支部の人達皆から可愛がられている。


「その真面目さが、いつか自分を傷つけなければいいが....」







_______________________









夜の都市を街灯が辺りをすこしだけ照らしている。その街灯は故障しているのか1つだけ灯りが心細い。この道は夜になれば車もあまり通らず人も少なく静かな所だ。

ただ、今日はそれだけじゃなかった。いつもと違うのだ。この暗さでは目を凝らさなければ気づかないが一本の木からなにかが滴っているのである。その水滴は赤いようにもみえる。


「そろそろですかねぇ。」


フードを深くかぶった長身の男は不気味な笑顔を浮かべる。

「さすがに私のことをこれ以上は放っておかないでしょうね」


自分の手にある物を大事そうに撫でる。それは、母親が我が子の頭を撫でるのに似ていたかもしれない。


「もっと....もっとです....。もっと吸わせてやらなければ....ひひっ」


それは鎌と呼ばれているものだった。死神が人の魂を、狩りだすための道具。

そして、この世界では「杖」と呼ばれているものでもある......。


「はやく来てくださいよ..魔法機関んんん!あなた方みたいな人を殺したい、魔法が使えない者など殺しても何も面白くない!!あなた方はさぞ、私を昂らせてくれるのでしょうねぇぇ」


ただ力を振り回していた鬼はいなくなった、今は明確な目的と確かな力を得た殺人鬼と成り果てていた。






_______________________








補習を終わらせた暁臣は減ってきた生活品を補充するためデパートにきている、本当は昨日の夜にでも揃えようと思っていたのだがヤスと飯を食べたあとそのまま帰って寝てしまったのだ。


「一人ぐらしってこうゆう時、不便だよな。」


生活品を補充しにデパートに買い物に来るたび思う。

暁臣は親からの仕送りで一人暮らしをしているため、必然的に家事などは全部、暁臣がやらなくてはならない。暁臣が住んでいるのは新東京という都市で、あちらこちらに魔法と機関の最先端が動いている大都市だ。なにやらこの都市の魔法と科学の技術は世界でも指折りらしい。

そんな都市で生活したいという彼の好奇心は高く、我が儘を言って家を離れ一人暮らししているという訳だ。


「まぁ、俺が望んだ事だし、仕方ない事だよな。」


一人で納得し、レジに商品を持っていく。レジでは店員さんが眩しい笑顔で暁臣のことを出迎えてくれた。......オバサンで少しがっかりだったのは表にでてない....はず。

「お会計5800円になります」







........................................








「思ったより重い....誰か呼べばよかったかな?」


店をでた暁臣はヤスの顔を思い出すが、どーせ手伝ってはくれなかったろうと考えないことにする。


「やべ!」


信号が切り替わりそうなのを見て走るがギリギリ間に合わない。


「くっそ......間に合わか....ったか....。ってかほんとに重いな、やっぱ今からで......も......」


若干息を切らし、その手に携帯を取り出して友達に電話をかけようとしたがその手は止まった。隣に赤い髪の目立つ女の子がいたためだ。


(うわ....すげー美人....てか、めっちゃ可愛い)

彼女に吸い寄せられるようにみとれてしまっていた。もちろん、そんなにマジマジと見ていればあちらも気付くわけで視線が合い、反らした頃には遅かった。



「私の顔に何かついていますか?」


不思議そうに彼女は聞いてくる。聞いてくるのと同時に微妙に首を傾げていたのもとても可愛かった。


「い、いえ、知り合いに似ていたもので、すみません」


(そんなわけ無い!こんな可愛い娘何人もいねーよ!)と心の中で一人で突っ込みをいれている間に彼女の方は「そう」と興味を失い暁臣から視線を反らす。

信号がいつの間にか青に変わり、回りが歩いていた事に気づいてようやく慌てるように歩きだす。


(あんな娘と一緒に青春を遅れたらなー..はぁ......ん?なんだアイツ)


道路を挟んだ向こう側にフードを深くかぶった男(?)がこちらを見ている気がする、いや、正確には彼女を。


(まぁ、気持ちは分かる、分かるぞー。だけど、なんか気持ち悪いな。あんな遠く....に......あれ?)


誰もいない。さっきまで見ていたフードマンが。(暁臣が勝手につけた名前)回りも探すがいない。瞬きひとつした瞬間に


(あれ?気のせい......?でも、確かにいた気がするんだけどな....ま、いっか。)


特に気にすることなく歩き出す。



この時、止まっていた時計の針はゆっくりと動き出していた。本当に動いたのか分からないほど小さな動きだが確実に動いていた、偶然に偶然が重なったこの出会いは必然と言ってもよかったのかもしれない。













_______________________




赤い髪の少女は歩く、ただひたすら歩く。目的地なんてない。強いて言えば標的の所だろうか。

(犯人は念力で公共物や建築物などを破壊し回っている、「杖」の顕現はできないそうだが充分強力な念力だ。覚醒が近いかもしれない。)

彼女は焦っていた。支部長からは「杖」の顕現は出来ないと聞いているがそれはあくまでも昨日までの情報だ。今日は違うかもしれない。いや、冷静に考えれば昨日聞いた情報はもっと前のものなのかもしれない。既に覚醒していたとすれば....


(厄介だな....)


そこまで、考えていたところで隣に立つ人物がこちらを見ていることに気づいた

強い視線を受けてそちらに目を向ける


「私の顔に何かついていますか?」


こちらを見ている少年に向かっていう。急いで支部を出てきたので鏡をみてこなかったが、顔に汚れでもあっただろうか?


「い、いえ、知り合いに似ていたもので、すみません」


そのあとその少年は一人でなにか思案し始め会話は終わる。再び歩きだそう、そう思ったところで異臭に気がつく。



「そう」


(血の匂い........?)


彼女は今、犯人から不意を突かれないように、魔法を使い、あらゆる感覚器官を強化している。そのため、普段では絶対気づかないような微かな匂いにも反応できた。辺りを見回し匂いの元を探す。......あった。何か水滴のようなものが滴っている一本の木に目を止める。


(..........)


不味い事態だ。一般人が襲われた。こうなっては事態は一分一秒を争う。このままでは犯人がどんどんエスカレートしていくかもしれない。


(応援を呼ぶ....?いや、駄目。支部長は私しか出せないと言っていた。つまり応援は呼べない......)


一般人が襲われた悔しさに歯を食いしばる。もっと、早くに到着していればと....


(止めよう....こんなこと考えても意味がない、私が出来るのはこの足掛かりを無駄にしないこと....!)


胸に誓い彼女は再び歩きだす。



彼女は決定的なミスをした。それは、誰が見ているか分からない場所で、回りと明らかに異様な反応を示してしまったこと。具体的に言えば匂いに反応し一本の木に目を止めてしまったこと。そして、それはその場にいた犯人に伝わる..........。






どこかで薄気味悪い笑顔が浮かんだ








___________________________________________




買い物を全て済ませ、家についた時には午後7時になっていた。


(結局この時間か......まぁ、途中で映画みちゃったしな。まさか、まだ放映してたとは。 )


「どっこいしょー疲れたー重かったー」


荷物をおろし、食品を冷蔵庫にいれる。


「今日はご飯たべたらとっとと寝ますかね」


(にしても、昼間の娘......かわいかったなー....なんかのモデルさん?あんまり分かんないんだよなー芸能人とか。)




............................................。










(後は寝るだけ......と)


ソファに座り、テレビのリモコンをとる。つけたテレビではまた例のニュース....最近騒がせている魔法使いのニュースがやっているらしい。

(またか。しかも......今度は人が死んでる?)


ニュースでは、使われた魔法の痕跡が似ていることから同一犯と警察は調べているらしいこと。


(怖いな。住所がうちの近くだし....)


(............おいおい、まじかよ......ここって....)


テレビでは見覚えのある場所が写っている。それは、そうだろう。昼に見たばかりなのだから。だが、それだけならいい。問題はそこで人が死んだってことだ。


(......とうとう人を殺し始めたのか?)


顔が青くなっていくのが分かる。そこまで考えてだった、今日そこに[誰が]いたのかがフラッシュバックする


(は、はは....まさか....な。あの、フードマンが......)


気づけば体が震えていた。俺はあいつを凝視してしまっていた。


(あいつは、俺が見ていたことに気づいていたか?)


それはないな、と頭を振る 。こちらをみた感じはしなかったしあいつは赤い髪の少女しか見ていなかった気がする。


(........まさか)


ある考えが浮上する。


(あの娘を見ていたのは....単に目を奪われたからじゃない?もしかして、次の....)


しかし、今考えた事はあくまで想像の範疇をこえない。俺が勝手に考えた......いわば、妄想だ。それに、もし本当だったとしても俺にはどうする事もできない。犯人は魔法使いだという。ただの一般人に何ができるというのか。精々一瞬気を引くのが限度だろう。


「俺には......関係ないさ、どーせいつものように魔法機関が解決してくれる」


無理矢理納得するように自分の考えを吐き出し、部屋の電気を消す。


「今日は......寝よう。疲れてるんだ。」


部屋は暗くなり少年はベッドに寝転がる。


夜はふけていく......





















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