《001》
このサイトで投稿するように書かれていない小説なので、一つ一つの節目が長いです。
こちらで適当な長さで切って投稿しています。読み辛いと思いますが、ごめんなさい。
《001》
とまぁ、俺の三日間の行動ををダイジェストで振り返ってみたのだが、俺がここに居る理由には全く繋がらなかった。ここ最近の出来事を思い出したところで、この原因の答えに至ることはなかった。
「これはもしかして、世間に対して偏屈な見方をしている俺への罰……この世界には神様と言うのが居て、俺の荒んだ心に罰を与え――、いや違うな」
一瞬そんな突拍子もないことを考えてしまったが、俺はすぐさま『これは違うだろ』と否定する。
惨めで情けない学生時代だったが、神様が介入するような悲観的で厭世的な精神状態ではなかった。思い返せば、俺は一人だったとしてもそれなりに人生を楽しんだと思う。
心の中で人を小馬鹿にし、蔑み、咎め続ける。人生においてこれほど楽しいと思える時間はないだろう。これが楽しくないわけがない。
一人でも学生生活を楽しめた理由と言うのは、ひとえに、俺の類まれなる精神力のお陰だと言っても過言ではない。もし仮に俺がこの場所に立っている理由があるとするのならば、バイト帰りに願った俺の欲望が叶ったって言うことに他ならない。彼女が居ないと言うのは寂しいが、決して俺が独りで寂しい為に連れてこられたとは思わない。
それは断言しても大丈夫だ。
願いが叶うとしても、俺のとった行動は、『ドアを開け、部屋の中へ入ろうとした』だけであって、特別何かしたわけではない。
これがもし願いを叶える為の一つの行動だとすれば、全く持って不自然極まりないと言えよう。願いが叶うにしても、訳の分からない場所に連れて来る意味があったのだろうか……。
これはまさしく事案の発生である。誘拐だよ誘拐。
そう、俺は自分の住むアパートのドアを開けて家の中に入ろうとしただけに過ぎないなのだ。これは誰しもが家に入るためのスタンダードでオーソドックスな行為である。
これで願いが叶うなら誰しもが願いが叶うと言うことにも繋がる。
しかし、玄関から入るのが普通の行為とは言ったが、残念なことに誰しもがドアを開けて玄関から入るとは限らないのも事実である。部屋に入るための方法と言うの、ドア以外にも様々な侵入経路があると思われる。
そうだな、例えば、出先で玄関の鍵を無くしてしまったとしよう。家の主は迷った挙句、仕方なしに窓から入る不審者も中には居るかもしれない。嫁や家族に締め出しを食らい、仕方なしに窓から入る不審者も存在すると思われる。
その人たちの胸の内を理解するべきかどうか、一考の余地はあるものの、これは大いに有りえる事案である。
そしてこれは余談ではあるが、海外では玄関以外から入ってくる兵も存在している。何処から入ってくるかと言うと、それは煙突からである。この人物は煙突から好んで入ってくるイカレタナイスガイなのだ。その行動もさることながら、服装もまたド派手な野郎で、年齢に似合わず、好んで赤い服を着ているおっさんらしい。煙突から入ると言うのは、余程このおっさんは切羽詰った状態だったのではないかと推測することが出来る。
ちなみに、例え出先で鍵を無くしたとしても、窓や煙突からの侵入ではなく、何食わぬ顔で玄関から入る曲者が居るのを知っているだろうか? このご時勢、煙突が有る家など早々に無い。進入経路が一つ断たれたということは、自然と窓から入ると言う選択肢しか残されていないのだが、この曲者の心理と言うのは、鍵を持っていない罪悪感と、窓を壊して家の中に入ると言う申し訳ない気持ちになる輩だったのではないかと推し量ることが出来る。
これは家主なら当然の配慮だろう。
さらに壊すと言うのは修理費も掛かる上に、セキュリティーの点で見ても、修繕が完了するまでの間、この上なく危ない状態が続くデメリットが付き纏う。その点を踏まえて、この曲者は、玄関から入ることを由としたに違いない。
なんと律儀で真面目な不審者なのだろうか。成人君主の様である。我が家を傷つけたくない熱いパトス感じる。
そしてこの闖入者と言うのは、ドアから侵入するにあたって、正規の合鍵を使わないのがポイントではないかと思われる。
最高の職人は針金一本で事足りると聞いた。
無論これは鍵を落としたときのための侵入方法と言うわけであり、決して不健全で邪な事をしたいがために侵入する訳ではない。針金やピッキングの道具と言うのは、鍵を無くしたときのための最終手段と言うところだ。
ここで仮に権力を誇示するお偉い方に見つかった場合、『いやぁ、何処かで家の鍵を落としちゃったんですよねー』テヘペロッていっておけば万事オッケーだろう。この後、きっと苦労話に花を咲かせて美味しいカツ丼をご馳走してくれるに違いない。
ドア以外の確率の高い侵入経路と言えば、床下、屋根裏からもありえるだろうが、ごく一部の偏見を持った輩が行うこの行為を普通の侵入方法と言ってはダメな気がしてしょうがない。
そんな屋根裏や床下から『ただいま』や『行ってきます』と言って出入りする家主など見たことも聞いたことも無い。無論身内でもだ。どんな忍者屋敷だ。どんな家族構成だ。
やはり、普通で、ありきたりで、昔ながらのスタンダードでスマートな技法で、愛する家の玄関を、愛する人が待つ玄関をドアブリーチングを使い突入して『ただいま』と言うのが一番素敵では無いだろうか。
『GO! GO! GO! GO! GO!』
そんな貴方の男らしい行動を見た相手は、貴方のことを色んな意味で見直してくれるだろう。そして新たな門出を祝うために、妻はあなたの目の前に、『署名と捺印をしてねって』そっと紙を一枚目突き出してくるにちがいない。
しかし、全くもって俺のとった行為は、己を恥を世界中に晒しただけに過ぎないのでは無いだろうか? 俺はそんな気がしてしょうがなかったが、気にしたら負けだ。気にすること事態負け犬だとも言えるが、その真実には目を瞑ろう。
さてさて、俺のつまらなくて恥ずかしい過去はタイムカプセルのように校庭の何処か地中深くへ埋めて忘れ去る事にしよう。それよりも、過去に答えが無いとするならば、答えが有るのは今と言うことになる。
「今か……」
情け無い話、今の俺は目の前に広がる景色に意識を奪われ、俺の右手はドアを開けるポージングのまま固まってしまっていた。
一体どういうポーズだよって話だが、そんなポーズとしか言いようがない。
まるで俺の常識と言う扉が、ドアブリーチングで破壊され、その壊れたドアから非常識が飛び込んできたと言えばわかりやすいだろう。
それもそのはずだ、これも先ほど言ったが、今俺の目に映る空の色は冬の東京とは違い、南国の初夏を思わせる青空が広がっているのだ。
だがしかし、俺を動けなくしたのは何も空の景色だけではない。空の模様以上に、俺の体を動けなくしたのは、俺の目の前に広がる見慣れぬ風景のせいだろう。
そう、俺の目の前には青空以上にとんでもない景色が広がっていたのだ! それはなんと、男が憧れる聖地の一つでもある『ヌゥゥーディストビィィーチ!!!』が目の前に広がっていた! ら良いなって……思ったんだけど、広がってるわけないよね。
俺の言葉に踊らされたやつ、恥を知れ恥を! この人生の敗北者どもがっ!
とりあえず俺はドアを開けるポーズを崩し、眉間に人差し指を当て、今にも眠りそうな頭で考えた。
「OKOK、落ち着け俺――。俺の部屋がこんなに広い訳けないだろぉぉ!」
足りない頭で色々考えたとはいえ、まだまだこの現状を理解するためには時間が足りない。嘆かわしいところではあるが、俺は突っ込みどころすら解らない状態と言わざるを得なかった。
俺の目の前に広がっていた景色と言うのは、なんとあのアフリカのサバンナを髣髴とさせる、見渡す限りの草原が一面に広がっていたのだった。
おかしいでしょ、どう見ても……。
俺の部屋は草原だったのだろうか……。
いくらなんでも俺は路上生活者ではないぞ。
「お、俺の部屋って草原だったか……? いやいやいや、そんな筈は無いだろ!? 俺の部屋は築40年の2K……『2Kってどんだけー!』って思うだろうが、実際問題部屋の間取りで2Kってなんだよ!? 今の時代テレビですら4Kだぞ!? 4K! 2Kって聞いたら、テレビよりも俺の部屋は劣ってると思われるじゃねぇか!? ってか、今思えばキッチンが二ヶ所ある間取りっていったいなんなんだよぉぉ!!」
俺は一気に台詞を吐き出したため、呼吸が激しく乱れる。
「はぁはぁはぁ……くそくそくそっ! 意味がわかんねーぞ」
俺は荒ぶる呼吸を整え、再び自身に言い聞かせるように喋りだす。
「契約したときは気にならなかったが、嫌、気にはしてたさ。だけど、家賃の安さに目がくらんで……機能性よりコストパフォーマンス……。まぁ家賃が安いからいいんだが……間取りも七畳とキッチンが二箇所あるにもかかわらず広いし、あまり文句は言えない物件だが――。つか、この特殊な部屋の間取り、どうやら俺の借りてる部屋だけらしいんだよ。世間でも滅多に御眼に掛ける事の出来ない間取り……って、いやいやいや、話がそれてるそれてる。話を戻そう。俺はビフォー・アフターに依頼などした記憶はないが、大家さんが匠にビフォー・アフターを依頼したのか? いくらなんでもこのリフォームは手抜きだろっ!」
壁をぶち抜いて、草木を生やしただけのリフォームってリフォームって呼ばなくね?
10代匠の初の仕事。
『手のつけ様がなかったので、更地に戻しておきましたー!』
10代の若者がやりそうな手口だぜ……。
『いやーほんとさ、斬新だよねこのリフォーム。自然が直に感じ取れるリフォームだよ』
とっころさーん!
「しょうがない、辺りを見渡して確認してみるか……」
俺はここにきてやっと周りを見渡す。
期待と不安の狭間、俺は恐る恐る後ろを振り向いた――――が、やはりと言うべきか、そこには玄関は勿論、見慣れたアパートの風景や東京の町並みすら見当たらなかった。
俺は愕然とするしかなかった。
「おいおいマジかよ……やはりこれはリフォームじゃなかったんだな。――って、もう何処からどう突っ込みを入れて良いのかわかんねぇよ……」
一言で言えば茫然自失。そして漫画で言えば顔面に縦線が入る状態。映画で言えばゴッドファーザーがBGMで流れる心境。
そして俺はこの状態を夢だと信じ、先ほど考えた第三の項目、『これが夢であるということを信じ、服を脱ぎ捨てて裸で好き勝手暴れてみる……』を、試みようとズボンに手をかけて脱ぎだそうとしたその瞬間、突然俺の背後から可愛らしい声が聞こえた。
「はぁい、ようこそ《ドラゴンズソウル》の世界へー!」
「うおああおぁ!?」
それはあまりにも突然であった為、俺は小腹が空いてバイトの合間に食べた『ボルシチ』と『ナン』が口から逆流してくるかの心境……待て待て、違う。これじゃただ汚いだけだ。泥酔した挙句に、下呂した奴見たいになってるやないか俺。
そうやなくて、口から『アレ』や『アレ』――、なんちゅうんやったっけ?
とにかく、『アレ』が飛び出してきそうになったんや!
『急に横道からアレが飛び出してきよってな! ほんまあぶないっちゅうねん! 危うく轢きかけたわ』
って『アレ』ってなんや!
すでに心臓以外のものになってるやん!
まるで俺の心臓は口から飛び出し、自らの意思を持って自走しているようだぜ。
どんなホラー映画だよ。
あぁ、ゴホン。もう一度落ち着け俺。一度気を落ち着かせて冷静になるんや。しかし何で俺はこんなところに居るんだろうか。今頃自家発電を終え、暖かい布団の中で夢の中で余韻に浸る予定だったはずなのにな……。
『Zzz……』
「なになになに!? 突然誰だですかっ! いきなり声掛けるなんて俺をショック死さ――」
俺は気を取り直して声がしてきた後方に視線を向けると、そこには見慣れぬ物体が宙にたたずんでいた。そのサイズは俺の手の平でも乗るような小さなサイズに見え、よくよく見ると、全長約10センチ程、俺のメイルヴァージンアイで推測するに、推定質量約214gに見えた。俺のこの目は、どんなサイズの異性だろうが、その質量を余すことなく推し量ることが可能なのだ。
この技術が童貞に由来するもの言われれば否定することは不可能である。そしてこの目によれば、その胸部には異性の象徴と見える二つの山が見てとれた。すなわち、その物には四肢があり、頭と思しき頭頂部からは髪の毛のようなものも生えており、その髪の長さは約四センチほど、色は黒に近いグレーのような銀色でストレート、さらにその物の背中には、蝶のような羽のようなものも見え、その羽は天女の羽衣のように透き通って見えることから、この物体は北欧でよく噂されている例の『アレ』だと思われる。
「ぶふぉっ! な、何このちっこいのは!?」
あぁもう次から次へと……一体何なんだ、何がどうなってるんだ。
人の形には見えるのだが、そいつは人の大きさには全く見えない。確かに第三者の登場を俺は願った。願って登場してくれたのは嬉しいが何かが違う。
俺は心は有り得ない第三者の登場によって激しい動揺をみせる。
「にゃははは、始めまして、私はこの世界の案内人をしております妖精族のマリーと言います! よろしくですっ」
「はい? え? えええ!?……しゃ、喋っ……。は? ようせい? 妖精だと!? よ、妖精はよせい……」
ありのまま今起こった事を話すぜ……この元気一杯の妖精と言った奴を前にして俺は何をなにを言ってるのかわからねーと思うが、俺も自分で何を言っているのかさっぱりわからねぇぇえ。
『You Say! はよ夭逝!』って、俺はまだ死んでないよっ! 不吉なことを言うんじゃない。全く現代の若者ときたらジョウシキモシラナイヤツラダ……。
「だ、大丈夫なのかこの人は……」
その妖精は不思議な顔をして俺の顔を覗き込み、俺の情けない表情を見てつぶやいてくる。
なんとも愛らしい瞳をしていたのだが、俺の精神状態はこの妖精とやらの登場で一杯一杯となってしまい、この妖精の台詞は俺に届くことはなかった
「ハハ――頭ぶつけて気絶して寝てるんだよな俺……ふぅ全くヤレヤレだぜ……」
俺は額に浮かぶ汗を袖口で拭う。唇の端が微かに上がり、笑みを浮かべる。
『ほんと焦らせやがって。全く俺と言う人間は、他人だけでなく自分自身にまで迷惑かけるとはな……この世に妖精なんて居る訳ないだろ!? 全くもぅ……勘弁してくれよな俺』
たぶんきっと恐らく俺は仕事で疲れ果てていたのだろう。それにここ最近精神的にも追い詰められていた。きっとドアを開けたとたん寝落ちしたんだろうな。
俺は自分の考えに納得し、次に目を覚ますための行動に移った。
「さぁ……さっさと夢から眼を覚ますんだ俺!」
俺は今自分の居る場所が夢の中だと思っていたので、ここぞとばかりに恥ずかしげも無い決めポーズをとって夢から覚めようとした。
皆も変身ポーズとかよく子供のころにやっただろ?
『変人! はっ!』
――と、ここまでは良かったのだが、何故か決めポーズをとっても目が覚めない。そもそも夢の中ってこんな自由に思考を巡らせる事が出来たっけ? 夢をコントロールできる話を聞いたことはあるが、夢にしてはやけに景色がリアルなのも不思議……これは本当に夢なのか?
そんな疑問を抱きつつも、目を覚ます為には何が足りないと真剣に悩んだ。
『目を覚ますためには何かが足りない……』
足りないピースとは一体なんだ?
良く考えろ――物語の中で眠っている人を起こす儀式と言えばなんだ!?
それは勿論、王子様の熱いキッス!
『だが断る!』
俺が真剣にそんな馬鹿なこと考えていたら……、「……あのー、大丈夫ですかー?」そんな俺を、マリーと言う名の自称妖精が、わりと真面目に哀れんだ目で心配してくる。
そんな哀れんだ目で俺を見つめないでくれ。
物凄く…………物凄くドキドキするじゃないかっ!
「嫌、全然大丈夫じゃない。一体俺はどうしてしまったんだ? 悪い夢ならさっさと冷めて欲しいところなのだが、覚める気配が一考にない――」
夢から覚めて欲しい願いとは裏腹に、頬に当たる風はサバンナとは思えぬ爽やかな様相を漂わせ、鼻をくすぐる草木の香りといい、その風に運ばれる香りは新鮮な空気を漂わせる香りであった。今までに嗅いだ事のないような匂いが俺の嗅覚を刺激し、足元に目を落とせば新鮮な色合いの草花が垣間見える。
焦りによって眠りについていた感覚が敏感になっていく。周りに広がる景色が自然と目に入りだす。
かくして俺は自称妖精の登場により、混乱は度を増していく。
だってそうだろ? 唯でさえ自分の居場所があり得ないって言うのに、さらにこんなおとぎ話に登場するような生き物を目の前にして、正気でいろってのが無理な話だ。
姿形は小説や映画に出てくる定番のあの可愛くて小さな妖精の姿その者。その身なりも上品であり、品を漂わせる風貌……それが今俺の目の前に浮か……ん……浮か……んで…………お、男の……男の想像を掻き立てて下さいと言わんばかりの翠のワンピース型のパーティドレス! 生地はシフォンスカートイプの丈は膝上丈の短くもなく長くもない男の情熱をそそられるその高さ!……見えそうで見えないあの薄くて下着までもが透き通って見えそうなフワフワ感のあるスカートと言うのはたまらなく男心がそそられる一品だ!
そして小さいながらも下から覗けばそこはパラダイス!
『Oh! Wonderful!』
こんな小さな形をしていても、服装には気をつけているように見えるのが素晴らしい精神だ。さらに、髪にワンポイントで小さな花飾りを付けているのもお洒落としてのポイントは高い!
『SO GOOD!』
ふっ……何と言えば良いのだろうか、心の奥底から湧き上がるこの感情……。
『可愛い! 愛でたい! 持って帰りたい!』
――シタナメズリガトマラナイ。
この台詞、男の俺だからこそ栄える台詞……ん?
いやいやちょっと待て、こんな発言すると世の女性に誤解されるじゃないか!
俺はそっち系の人間ではない!
『断じてロリでも幼女好きはない!』
ふぅ、危ない危ない。傷口が小さいうちに否定しておかなければ俺の人間性が疑われるところだった。多分、世の女性の皆様も、妖精のあの姿を見たら可愛いって思うのが普通だと思うよ。
って、言っても誰も信じないよねー。
『ぼ、ボクは無実なんだっ! ちっくしょっー!』
――。
さて記念に写真でも撮っておくか。
ってあぁうん俺、携帯電話なんて持ってねーや。