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第7話 唯ちゃんと美仁香ちゃん

しばらく歩き、ふと視線をとあるコンビニへと移すと何やら学ランを着た三人組の不良がヤンキー座りしてコンビニの入り口付近にてたむろっていたのを目撃。 学ランを着ているという事はどうやら不良三人組は中学生だというのは分かったのだが・・・ う、うわっ!時代遅れのヤンキーだっ。そっとしておこう。


私は無視する事にしたのだが、好奇心旺盛の美仁香の友達である男女二人は不良組を指差し


「あれ何かな?ゆう君。美仁香ちゃんも皆もあれ知ってる ?」

「ううん。ボク、知らない。皆は? 」


首をこてん、と傾げ、可愛らしい仕草に私はドキッと翻弄されながら、不良組を見つめる・・・不良?!うわっ!やっちまった!ま、まさかはとは思うが、不良よ!先程の会話を聞いたか?!もしよろしければ、聞かなかった事にしてくれっ!

ちなみに、有君とは、九重君の名前だそうだ。


私の願いは天に届かず、不良の三人は私達の近くへと近寄り、三人の眉間はしわをよせ、子供相手にメンチを切っていた・・・小学生相手でも容赦無いなこのヤンキー達・・・

いやいや、今は悠長な事を考えている時間はないっ!早く逃げないとっ!


「あん?ガキのくせに文句あんのか?」

「ガキは家に帰ってママにでも甘えてろよ」

「・・・眠い・・・」


不良達は、私達を囲い、逃げ場を封じる事に成功。他の歩行者達は、私達の危険を察知して、交番へと向かっていったのを確認。だが、その警官がくるまでの間、どうやって時間を稼ぐのか?!


「「「ふぇぇぇっ。こわいよぉっ」」」


美仁香の友達である男女二名は、ふるふると震えて、涙を浮かべていた。それに、私の可愛い姉である美乃莉までも・・・ゆ、許せない・・・私は、キレかかった。でも、皆の前で、怒った私を見せたくなかった。


だって、怒った私を見たら、皆が怖がるかもしれないから。私は、棒立ちするしかなかったのだ。


「泣いてるばかりじゃ分かんねえよ!」

「言いたい事ははっきり言いなさいってママから言 われなかったのか?ガキ」

「・・・あぁ、ごめん。今、アメ持って無かった・ ・・あ。キャラメルがちょうど五つあるよ・・・食べる?あ、そうか・・・知らない人から何かを貰ったらいけないって習ったか・・・」


不良達は私達に更に近寄り、美乃莉や美仁香の友達を泣かしてしまう。


「お前達だけは泣いてないな?むかつくな」

「お前の顔が怖くないからじゃね?」

「・・・いないいない・・・ばぁっ。・・・ほら、 笑った。クスクス・・・」


不良達は泣いていない私達を見て、眉間にしわを寄せ威嚇。だが、それだけでは怖がらない私達・・・なんだけど、美仁香や唯は、不良達をじっと見つめて呆れかえっていたのだ。ど、度胸あるなぁ~二人ともっ。それから、さっきから、不良組の三人目・・・不良Cと名付けようか、不良Cよ。お前は不良じゃないだろ。


「泣かすぞ!コラぁ!」


不良の一人が突然、腕を高らかに挙げて、拳を作り、美仁香の頭に拳骨をするように攻撃してきた!あ、危ないっ!美仁香っ!


私は美仁香を助けたかった。でも、身体が動けなかった。動け、動け、動けぇっ!

私は、必死に身体を動かそうとしたけど、不良の拳は、美仁香の頭のスレスレまで移動。た、助からないっ!


てん!」


美仁香は腕を使った防御特技でヒジや肩で小さな円を描くように腕を回し敵の格闘攻撃を弾きそらした?!な、何がなんだか、分かんないよっ!


「うわっ!?」


不良の攻撃を無効化し、更に追い討ちをかける美仁香。その美仁香の行動に唖然する私達。ほ、本当に美仁香なのか?あの、恥ずかしがり屋さんで可愛らしい美仁香なのか?


冲捶ちゅうすい!」


拳を作って腰を落とし、中腰のような姿勢でドンと叩きつけるようにして地面を蹴り だし、胸を開き体を急激に1/4回転し、不良の鳩尾にクリーンヒットさせ、不良は地面に倒れた。つ、強い・・・本当に子供なの?と何度でも疑問が生じてしまう。


「く、くそぉっ、なら、こっちのガキだっ!泣かしてやるっ!」


不良の仲間は、唯の肩をつかんで、拳を高らかに挙げて、攻撃してくる。こ、今度こそ、危険だ!唯、逃げてっ!


「・・・おい、何しようとしている?」


????。どこからか声が聞こえた。私や美乃莉、美仁香の声でもない。聞き覚えのある声なんだけど、多分、この場にいる人のではないと思うんだけど・・・その声は、唯から聞こえたような気がした。でも、のんびり屋さんで可愛い女の子が発する言葉ではない。


「・・・この汚ねぇ手をどかせよ。コノヤロー・・・」


?!!。さっきから、スゴい口調で話していたのは、唯だった!こ、子供なのに、スゴい口調で話している!ま、まさか、唯は、多重人格者なのか?!

その唯は、ぎんっ!と不良達を睨み、不良達は・・・


「「ひ、ひぃぃっ」」


倒れた不良を担ぎ、その場を退散。どうやら、助かったようだ・・・でも、二人の異変がどうも気になる。

恥ずかしがり屋さんの美仁香は、不良を倒したし、のんびり屋さんの唯は、睨んで不良達を追い返したり・・・こいつらの正体は一体、何なんだ?


「か、カッコいい~っ!ね、有君」

「う、うんっ!ボクもカッコいいと思った!スゴい !」


美仁香の友達は、スゴくはしゃいでいた。それもそうだろう、一人は暴力的なのだが、皆を守る為に拳をふるった。そして、一人は平和的に、不良達を睨んで退散させたのだから。私は、何も出来なかった・・・私、精神年齢は、この中よりも、年上なのに・・・お姉さんの筈なのに・・・く、悔しいっ!


「ふぇぇぇっ。ふぅっ。ぐっ、うぇぇっ」


悔しい気持ちが溢れ、涙を流してしまう。美乃莉や美仁香、それに唯が私の背をさすり、私をあやしていた。元・高校生の筈なのに、小学生相手にあやされているのも悔しいっ!わ、私、もっと強くなりたいっ!精神的にっ!


「く、胡桃っ、大丈夫だからっ!お姉ちゃんがついているからっ」

「僕もついているから、ね?泣かないで」

「悪い人は、もうどこかに行ったから、心配しないで?」


私は泣きじゃくりながらも、我が家へと向かっていたのだった。


ーーーーーーーーーーーー


「よしよし、いい子だから、泣かないで?胡桃ちゃん」


私が泣きじゃくってから家に帰宅したから、両親は、とても私の事を心配して、美乃莉から話を伝えて貰って、私は現在両親によって、背をさすってもらい、あやしてもらっている。ふふっ、私は、いつまでも子供だな・・・


「ひっくっ。ひっくっ」


「・・・許せんっ。絶対に許せんっ!オレの胡桃や美乃莉を泣かしたヤツは、オレがっ!」


私の父親は、怒りの感情を込めて、眉間にしわを寄せる。私や美乃莉、それに母親までもその父親の豹変に驚く。娘を泣かせた罪は、大きいだろうから、当たり前の事なんだけど・・・


「お、お父さんっ、も、もう大丈夫だからっ。お、怒らないでっ。ほら、泣いてないかっ」


私は何とか父親を説得するも、父親はまだ怒りを納めていない。し、仕方ない・・・背に腹は代えられないっ!あの方法を使おう!


私は、父親に・・・


「ぱ、パパ。怒ったら、めっ、だよ?」


パパと言って、首を傾げうるうるとした目で上目遣いをして、父親の顔を凝視。すると、父親は・・・泣いた。な、何でだよっ!


「くっ、胡桃ーっ!」

「わぁー?!!」


父親は私に抱きつき、頬をすりすりして、私の尻尾や頭を撫でまくる。

そう、私がやった方法は、娘想いが強い父親に対してパパと言ってお願い事をする事だ。更に、首を傾げる等の、可愛らしい仕草も見せつけると効果は倍増だ。恥ずかしいけど、仕方ない。


「あふっ。ふふふっ。し、尻尾は・・・」

「わ、私もまぜてー!」


美乃莉は突然、父親とのスキンシップを取っていた私と父親の間に挟まり、私や父親に腕を回し、抱きつく。多分、楽しそうにしていた私達を見て、自分も楽しみたいと思っているだろう。でも、私は楽しんでいない・・・


「にひひ~っ。ぎゅってして?ふぅ~」

「うにゃっ?!耳に、ふぅ~てしないでぇっ」


美乃莉は父親や私に抱きつきながら私の耳に息を吹きかけ、私は背筋がぞぞぞっとなり、変な声をだしてしまう。は、恥ずかしいっ。


「にひひ~。ふぅ~っ。こちょこちょ~」

「うにゃあ?!にゃふっ、うにゅっ」


美乃莉は私の耳に息を吹きかけながら、私の横腹をくすぐっていた。それらの刺激により、猫化になってしまう私・・・一応、リスなのに・・・


「ふ、二人ともズルいっ!わ、私もまぜてー!」


私達の家族のスキンシップを取っているのを、母親までもスキンシップに混ざってきた。母親は私達もろとも父親に抱きつき、尻尾をふりふりと左右に振る。私達姉妹も尻尾を忙しそうにふりふりと左右に振ってしまう。


「むぅ!お姉ちゃんばっかりズルい!私も、ふぅ~」

「にひぃっ?!にひひ~。楽しいよ~?私も・・・ふぅ~」

「うにゃあ?!や、やめてぇ~」


私達姉妹は互いの耳に息を吹きかけ、楽しんでいた。


一方、両親はというと・・・


「撫で撫でして?それとね?それとね?ぎゅ~って、して?」


「はいはい」


イラつく程、仲の良い夫婦関係を見せる。すぐ近くに私達がいるんだけど、それは気にしないご様子。


「はぅっ?!も、もっとぉ♪もっとぉ♪」


母親は甘えた声を出して、父親に甘えてしまう。もちろん、父親はというと・・・泣いた。もう、いいよ、幸せを感じたんだろ?いつものネガティブモードをお願いしますよ?お父さんっ。いや、ぱ、パパっ。


「うぅっ、どうせオレなんか、500円図書券が当たるクロスワードクイズを頑張って解き、はがきで応募しようとしたら応募期間を過ぎるという不幸に遭うんだ~」


そ、それはイヤだね。と思う、私であったーーー。


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