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第6話 今日から小学生

時は流れ、春のある日。私は小学生になった。

姉である美乃莉も小学生になって、私より一つ上なので、小学二年生の可愛らしい女の子だ。


入学式を済ませて、今回から授業を受けなければならないのだ。義務教育だし、避けれない運命なのだ。


そして、私がいくら頭が良くても進級は不可能だし、進級出来たとしても、イジメられそうなので、気長に小学生ライフを楽しもうと誓ったのだ。


そんなこんなで、最初の授業。

私や複数の子供達は一年二組の教室に所狭しと集まり、席に着席し、担任を今か今かと待ちわびていた。


あ、そうそう、この一年二組の教室には亜人種が数人いた。

まずは、犬系亜人種である荒神信也だ。あとは、猫系亜人種と思わせる人物や荒神信也以外の犬系亜人種の生徒が多数いる。


ちなみに亜人種の種類は、主に猫や犬、私のようなリス、つまり小動物等の耳や尻尾のみを受け継いでいるらしい。


普通の人間も多数いるが、このクラスの割合で亜人種の人物が一割程しかいない。全国的にも、大体七対三の割合で普通の人間がやや多いらしい事を父親から聞かせて貰ったのだ。


「はぁい。皆さん、おはようございます」

『おはようございまーす!』


私達の担任らしき普通の人間の女性が一年二組の教室の扉を開き、のほほんとした声で挨拶。私達は、元気よく挨拶し、担任による出席確認を終えた後、私達は軽く自己紹介を済ませておく。


メタ発言なのだが、以下の通りの人物達が主役及び準主役なので、よく覚えておくように。


「あ、荒神信也・・・です。よ、よろしく」

「栗原胡桃ですっ。よろしくっ」

西園寺さいおんじ美仁香みにか、よろしくっ」

平坂ひらさかゆいです。よろしく~」

真島まじまのどかですっ。よろしくお願いします」


上記に記されている私と荒神信也以外の人物は普通の人間であり、荒神信也以外は全て女性であり、かなり可愛い女の子であるが・・・本当に可愛いなぁ。


「はぁい。よく出来ましたね。皆さん、仲良く頑張りましょうね~」


女教師の、のほほんとした声が私達に響き、私達はゆったりとした小学生ライフが今、始まろうとしていたのだーー。


ーーーーーーーーーーーーーー


「はい。ひらがなやカタカナを、上手に書きましょうか」


私は今、絶賛拷問中である。

元・高校生である私に、ひらがなやカタカナを書けという拷問。国語の担当である爽やかな若い男性による拷問だが、書かないといけない気がする。


何故なら、ほぼ教えて貰ってないひらがなやカタカナを、スラスラと書ける事が出来るのだろうか?という疑問が大人達の頭に渦巻いて、私を何らかの理由で職員室へと連行されるだろう。私は、説教されるのがイヤなので、仕方なく丁寧に書いてやったのだ。


「わぁ、栗原さん、上手~。それに、平坂さんや西園寺さんも皆も上手だねぇ」


私が書いていると、男教師は私の席に近寄り絶賛する。ついでに、私の周りにいた可愛い女の子も褒めていたのだ。


「いや~。でへへへ~」

「あぅ」


茶色のショートカットで可愛らしい平坂唯は照れ隠しなのか頭をポリポリ掻き、その顔は満面の笑み。褒められたら嬉しいと感じてしまうらしいな。まぁ、子供だし。


一方、綺麗な黒髪の姫カットで可愛らしい西園寺美仁香は顔を真っ赤にさせ、変な声を出して、俯く。この美仁香は褒められたら恥ずかしいのだろうか?二人の反応は面白いなぁ。


「おや?栗原さん。尻尾を振っていますね~。嬉しいですか?」


私が可愛らしい女の子を視察して和んでいたら、無意識に尻尾を振っていたらしい。う、うーむ、やはり無意識でも勝手に動く尻尾は今でも慣れない。


「そ、そおかも」


当たり障りの無い相槌を打ち、次々へとひらがなやカタカナを書く練習をイヤイヤながら済ませていたのであったーー。


ーーーーーーーーーーーーーー


昼休み。

私は、友達作りの為に、適当なヤツと友達になろうとして、とりあえず私の近くにいた西園寺美仁香と友達になろうとしたのだが・・・


「あ、西園寺美仁香ちゃんだね。さっき国語を教えた先生だけど・・・覚えてる?」


先ほど国語の授業をしてくれた男教師が、西園寺美仁香に話しかけて、そのまま西園寺美仁香と職員室へと連行された・・・うーん、何が原因か知らないけど怒られるような事をしていないと思うが・・・大人しくて可愛い女の子なのに。


それはそうと、平坂唯や真島和も私の席に近いので、適当に自己紹介をしようと、平坂唯に近寄り、一言挨拶を交わす。


「私、栗原胡桃。友達になろ?」


平坂唯と真島和は私をじっと見つめて、にっこりと笑い、私の手をつかみ、握手してきた。


「私は、平坂唯。うん、友達になろうっ。友達は多い方が楽しいからね~」

「うんっ。唯ちゃんの言う通りだよっ。あ、私、真島和だよ?よろしくっ」


一気に二人も友達が増えたので、私は嬉しくなって、尻尾を左右に動かしてしまい、更には耳をピクピクさせてしまうという小動物的仕草を二人に見せてしまったのだ。


「わぁ~・・・かわいいっ」


真島和は無邪気な笑みを浮かばせて自分の世界へトリップ。他のクラスも私の事を見ていて、じっと見つめてくる。


リスのような大きな尻尾を所有した亜人種は、この学校では私や美乃莉以外は居ないし、珍しいので、クラス全員は目を輝かせて興味津々のご様子。

でも、ただ珍しいからという理由で、友達になられては困る。しかし、相手は子供なのであまり拒絶しないようにしなくてはならない。


「ねぇ、尻尾触ってもいいかな?胡桃ちゃん」


真島和は上目遣いして私に接近して尻尾を触っても良いのかと尋ねてきた。うわっ?!この子、わざとやってるだろ!か、かわいいだろうが!仕方なく、触ってもいいと表現するので、頭を頷けさせる。


「うわ~・・・もふもふのふかふかだっ」


真島和は私の尻尾を撫で回しながら感想を言うのだが・・・ず~と触っていたいつもりなのか、尻尾から手を離さない。


「ふふふっ。くすぐったいっ。も、もういいでしょ?」


私はくすぐったくて、笑ってしまう。ずっと尻尾をいじられすぎたら私は笑い死んじゃう。だから、やめてくれと頼む・・・のだが、子供なので、言う事は聞かないだろうな・・・っと思ったら、信じられない言葉を耳にした。


「ご、ごめんなさい。つい、もふもふが気持ち良くて・・・」


真島和は、とても小学生とは思えない素直さだ。うーむ、しっかりしているなぁ。


「和ちゃんがこう言っているから、許してあげて?え~と、胡桃ちゃん、でいいよね?」


平坂唯は真島和の前に出て、代弁する。こ、この子もしっかりしているなぁ~。私よりもしっかりしてそうだ。


「うん、胡桃でいいよ。唯に和だね?よろしく」

「「うんっ」」


しっかりしている者同士、仲良く友達になれた事を、ここに報告しようーー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時は流れ、下校時間。

登下校時には、自分が住んでいる地域別に結集された生徒達を集め、それぞれ我が家に行けという校長やら偉い人の案により、私は美乃莉と唯と美仁香とその他多数の女子と縦一列に並んで交通規則を守り、目的地へと移動しなければならないのだ。


そんな規則をちゃんと守って、縦一列に並び、次々と生徒達は我が家へと帰って行き、残りは私達姉妹と唯と美仁香と美仁香の友達二名だけとなったのだ。


「にひひ~。胡桃ぃ~っ。つんつんっ」


美乃莉は私の背後にいて、私の尻尾をさっきから突っついてくる。私は、その刺激がくすぐったくて、笑ってしまうのだ。


「ふふふっ。もぉっ、ダメでしょっ」


私は振り返って、美乃莉を叱ってしまった。美乃莉は叱られて、悲しんだのか、目には涙を浮かばせていたのだ。


「ふっ、ふぇぇぇっ。く、胡桃が、おこったぁ~。こ、こわいよぉ~っ。」


怒られたショックにより、美乃莉は涙を流し、嗚咽さえも・・・ああっ!わ、私とした事が!ど、どうしよう!


「お、お姉ちゃんっ。ごめんねっ!ほら、ずっと、つんつんしてもいいからっ!ね?」


私は、とっさに美乃莉に背を向けて尻尾を差し出す。すると、美乃莉は泣きやみ・・・


「わぁい!つんつんつんつんつんっ」


無邪気な笑みを浮かばせて、私の尻尾を突っついてきた・・・嘘泣きかよ!どこで習ったんだよ!それ!


「楽しそうだね~。ね?美仁香ちゃん」

「そ、そうみたいだね」


唯は、のほほんとした声で美仁香と雑談していくのだが・・・人前で仲の良い姉妹関係を見せられたら、私達の尻尾を触って、スキンシップをとるつもりだろうか?

でも、触りもしなかった。


別に困りはしないのだが、子供らしくない二人。大人しくて可愛い女の子は珍しくもないので、気にしない事にした。

が、美仁香の友達二名はというと・・・


「わ、私、さ、触りたいっ!つんつんっ!」

「ぼ、ボクもっ!」


美仁香の友達である女の子と男の子は私や美乃莉の尻尾を突っついて、楽しんでいたのだ。


「にひひ~っ。くすぐったいっ」

「ふふふ~っ。や、やめろぉ~」


私達姉妹は、尻尾を触られた事によって、無邪気な笑みを浮かべて、耳をピクピクさせて、頬には朱が浮かんでいた。


「ちょ、こ、ことみっ。九重ここのえっ。あまり、人の尻尾は触っちゃダメだよっ。ごめんね?僕の友達が、勝手に尻尾触っちゃって・・・」


美仁香は二人の名前を言いながら、暴走する男女を阻止。そして、女の子なのに、「僕」と言っていた事に私は、耳を疑った!ぼ、僕っ子だ!か、可愛いっ!い、いや、そんな事よりもっ。


「だ、大丈夫だから、気にしないで?美仁香ちゃん」


私は尻尾を触られた事を許す。そんな私が許してくれる事にほっとした表情を浮かべる美仁香。いちいち可愛いなぁ~。ぎゅって抱きしめたくなるなぁ。


「うん。ありがとうっ」


美仁香は、無邪気な笑みを浮かべてにっこりと笑い、お礼を言ってしまう。か、可愛いっ!私は、思わず美仁香を抱きしめてしまった!


「あぅ」

「か、かわい~っ!」


美仁香は変な声を出して、赤面してしまう。ほ、本当に可愛いなぁーっ!私の妹にしたいんだけど!


「その辺でやめてくれって言いたげだね。胡桃ちゃん、離してあげなよ。恥ずかしそうに俯いているよ?」


唯は美仁香の心の内を読んで、暴走する私を静かに止める・・・けど、唯は、本当に子供なのか?見た目は普通の可愛い女の子なんだけどね。


「はぁい。さ、行こっか?お姉ちゃんっ」

「うんっ」


私は美乃莉の手を繋いで、美乃莉と一緒に帰ろうとした。が、訳の分からない事件が勃発した事がこれから起きるとは、想像出来なかったのだったーー。



前作の主人公である『西園寺美仁香』と前々作の主人公である主人公も出しましたが、二次創作だったので名前をいじり『平坂唯』を出しました。



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