最終話 栗原胡桃
中途半端な感じで完結にしてしまいました。
本当はもっと続ける予定だったのですが、私の一身上の都合により、しばらくの間小説を投稿できなくなったので、完結する事にしてしまいました。
詳しくは、私の活動報告にある『重大なおしらせ!!!』をご覧ください。
では、またいつか、お会いしましょう。
時は流れ、秋のある日の登校日。
美乃莉や唯を始め、同じ地域に住んでいる子供達と集団登校をし、登校していたのだが・・・美仁香の髪型が姫カットからフイッシュボーンと呼ばれる三つ編みのような髪型へと変貌したのを目撃した。
ちなみに、フィッシュボーンとは「魚の骨」のような編み方で、三つ編みよりも細かく、目が詰まった仕上がりでスゴく綺麗に見える三つ編みより簡単な髪型なのだ。
何故、急にフイッシュボーンという髪型に?と美仁香に尋ねてみると・・・
「だ、だって、長くて鬱陶しいから。それに、切らせてくれないから、こんな感じにしたんだ」
美仁香は、頬に朱を浮かばせて、フイッシュボーンをイジる。か、可愛いっ。私は思わず、美仁香を抱きしめてしまった。
「にゅあ?!な、なんでぇっ?!」
「か、かわいいっ」
つい抱きしめたくなる美仁香の可愛さ。そんな様子の私を見た美乃莉はというと・・・
「私も、ぎゅってして~っ」
嫉妬したのか、私の尻尾に抱きついてしまう美乃莉。そ、そこはダメっ。
「ひゃあっ?!あふっ、ふふふっ♪」
私の願いは天に届かず、美乃莉は私の尻尾に抱きついたまま、学校まで向かって行ったのであった。それも、私の笑い声はずっと上げたままだった・・・は、恥ずかしいっ。
「大変だね・・・」
「う、うん・・・そうみたいだね・・・唯」
唯と美仁香、それに皆は助けようともせず、暖かい目で見守っていたのであった。
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昼休み。
私は、窓際の席で、太陽の日差しが直に当たり、暑苦しい気分になりつつ、席を外し、とりあえず廊下際の席へと移動していた。
「ね、ねぇ、胡桃っ」
何故か急に荒神が私に話しかけた。というか、急に名前を言われたぞ?いや、子供なので特に何の下心もないと思うのだが・・・
「な、何?荒神くん」
私は苗字で荒神を呼んだ。子供なのに、苗字でいうなんておかしい・・・という訳の分からん指摘はするなよ?
「ぼ、ボクと胡桃って、友達だよね?」
荒神は頬に朱を浮かばせて、目をキョロキョロさせて挙動不審だ。そんな荒神は、私との関係を聞いてくる。
「うん、そうだけど?」
友達なんていうものは合った瞬間できるものだろう。それで信頼できる関係まで築き上げたら親友と呼べる関係だ。よく覚えておくようにっ荒神っ。
「う、うんっ。にっしっしっし」
荒神は黒い尻尾を左右に振り回し、喜びを表現している。人間よりも感情表現が高い亜人種。でも、尻尾が邪魔に感じてしまう。
「じゃあねっ」
荒神は尻尾を左右に振り、無邪気な笑みを浮かび、教室を出る荒神。一体何だったのだろう?特に気にしないでおこう。
私は尻尾を左右に振りつつ、唯や美仁香のもとへ向かおうとすると・・・
「「じぃ~・・・」」
猫系亜人種の女子二人が私の後を追ってくる。白い毛の耳をピクピクさせ、白い尻尾を左右にフリフリしていた。な、なんだか危険を感じるぞ?
「「ふにゃーっ」」
猫系亜人種の女子二人は、私の尻尾に猫パンチをしてきた。手加減しているからなのか無痛。それはありがたいが、何故叩くんだ?そして、誰だ?
「ご、ごめんなさいっ胡桃ちゃんっ!」
「い、痛かった?」
猫系亜人種の女子二人はうるうるとした目で謝罪。か、可愛いっ。あ、二人の名前思いだしたっ!
双子の魅家姉妹。姉の名前は知子で妹の名前は璃子。二人とも似た容姿で、肩につくくらい長い黒髪で、顔も綺麗に整っており、頭には白い猫耳がピクピク動いている。後ろ側には、白くて長いフワフワしてそうな尻尾が左右に動いている。
このコスプレイヤーみたいな双子が、ちゃんと謝ってくれるので、私は微笑みを浮かべて、許してあげる事にした。
「私の尻尾は、猫じゃらしみたいだもん。仕方ないよね」
猫の遺伝もあるから、動く物に興味を示すらしい。という事は、水も苦手なのだろうか?だとしたら風呂の時、どうしているのだろう?まぁ、何とかしているだろうな。
「「うんっ、ありがとう胡桃ちゃんっ」」
魅家姉妹は息を揃えて感謝の意を表す。やはり双子なので息が揃う。そんな仕草を見た私は、心くすぐり、尻尾を左右に動かしてしまった。
「「ふにゃーっ」」
「わひゃあ?!あふっ」
再び、魅家姉妹は私の尻尾に猫パンチ連打。無痛なのだが、くすぐったいっ。くすぐりを受けたので尻尾を左右に振ってしまう。
「「ふにゃにゃにゃっ」」
「ふふふっ♪ふふふっ♪」
魅家姉妹は私の尻尾を猫パンチしていくのであった。
しばらく、魅家姉妹とじゃれあい、やっと唯や美仁香のもとへ到着。
「やぁ~。何だか大変だね~」
のほほんとした声で私の労を労う唯。大変だと思ったら、助けには来ないのか?
「ぼ、僕だったらなされるがままだっただろうから、人の事言えない・・・」
頬に朱を浮かべて上目遣いして私の目を見る。うるうるとした目だったので、私は美仁香に・・・
「か、かわいいっ」
「あぅ」
褒めた。でも、美仁香は変な声を出して、顔を火照らせ、俯く。可愛いし、僕っ子だし、完璧な女の子ではないだろうか?
「・・・ぁっ。ほ、ほら、次の授業の準備しよっか」
私は美仁香に抱きつくのを我慢し、唯や美仁香と一緒に次の授業の準備する為に、ランドセルを漁り、教科書やノート、筆箱を用意し、私は自分の席へ戻っていくのであった。
「尻尾が暖かくて、眠たいなぁ~」
私の尻尾は、暖かく、フワフワのモフモフなので、自分の椅子の背もたれにその尻尾をいい感じに配置し、その気持ちよさに眠ってしまったのであったーーー。
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【キャラ説明~胡桃とそのお友達編~】
・栗原胡桃
とある事故に遭い、妙な異世界にいる、とある家族の住人の赤ん坊へと転生したリス系亜人種の可愛らしい女の子。主人公兼語り手。
男勝りな為、語り手が男っぽいのは、彼女のコンプレックスといえよう。
好きな事は、可愛いモノに抱きつく事。人だろうが物だろうが、お構いなしだ。特に気に入っているのは、彼女の友達である西園寺美仁香。弱点は、尻尾や耳、横腹などのくすぐりを受ける事。
・栗原美乃莉。
胡桃の姉。胡桃のようにリス系亜人種。可愛い妹を愛でるいい姉。好きな事は、妹である胡桃に抱きついたり、胡桃と同じ事をする事。弱点も胡桃と同じだが、ただのじゃれあいと認識して純粋に楽しんでいる。
・荒神信也。
犬系亜人種の男の子。耳や尻尾は、黒くてモフモフしていて、一部の人間に人気。
ただ、出番がちょっと少ない。
栗原胡桃とずっと友達になりたいと願う可愛げのある男の子。
・西園寺美仁香。
栗原胡桃のように、前世の記憶持ちの女の子。ちなみに、元・男子中学生。武術を習っているらしいが、周りから注目されるのが恥ずかしい為、武術を習っている事を秘密にしている。
好きな事は、強い相手と手合わせする事。
苦手な事は、女子に抱きつかれたり、子供扱いされる事。
・平坂唯。
栗原胡桃や西園寺美仁香のように、前世の記憶を持っている女の子。ちなみに、元・男子大学生。
女の子のように自分の事を『私』と言っている理由は、前世で就活活動していたので自分の事を『私』と言うから、そのせいで慣れているらしい。
それから、口調が女の子っぽいのは、友達や家族に話す時、あまりにスラスラと喋れるのもマズいだろうと感じ、自分なりに努力した結果だ。故に、普段から女口調なのだ。
怒る時は、我を忘れ、男口調に戻り、口癖が『コノヤロー』になる。
ちなみに、唯の両親は、唯が大学生並みの知識を持っているとは知らない。
・真島和。
平坂唯の友達。ハキハキして、真面目で、正直者の女の子。平坂唯とは、幼稚園からずっと同じ学校に通っていて、唯とその友達とずっと仲良くなろうと決心する優しい女の子だ。
・魅家姉妹他クラスメイト。
猫系亜人種や犬系亜人種、ハムスターやネズミ等の小動物系亜人種がクラスの一割程いる。その他は普通の人間だ。
【キャラ紹介~保護者編~】
・栗原さん家の両親。名前は未定。
母親は、リス系亜人種で、胸は大きいわ、くびれは細いわ、お尻は少し大きめだわ、セクシーな女性。職業は、専業主婦。
好きな事は、夫に撫で撫でされる事や、夫に甘える事。
父親は、普通の人間で、有名な小説家らしい。どんな作品を出しているのか謎だが、幸せを感じてしまうと、ネガティブになってしまうというめんどくさい男性。笑い方が気持ち悪いと家族に認定済み。
ちなみに、胡桃が高校生並の知識を持っているとは知らない。
・荒神さん家の両親。名前は未定。
母親は、普通の人間で、普通の専業主婦。夫や我が子の荒神信也を溺愛するいい母親。
父親は、犬系亜人種。サラリーマンをして、日々精進して、色んな仕事をこなせる社会人。趣味は家族で近所周辺の散歩。
・西園寺さん家の両親。名前は未定。
両親は西園寺美仁香が中学生並みの知識を持っている事を把握している。だが、母親は、そんな美仁香にサド気味に微笑みながら子供扱いしてしまう。ちょっとサドな母親。
父親は、外科の医者で、美仁香の異変に気づき、美仁香が中学生並みの知識を持っている事に気づいて、更には、前世の記憶持ちという事実も発見した凄腕の医者。
・その他の一家の両親。名前は不明。
ごく普通の家庭。普通としか言えないぼのぼのとくらす家族。




