プロローグ
はじめましての方は、はじめまして。かがみいんです。
久しぶりに私の作品を見るという方、お久しぶりです、かがみいんです。
今回は、ファンタジーの作品を載せたいと思い、投稿させていただきました。
では、ごゆるりとご堪能くださいませ。
私はとある女子高生。学力、体力、顔と共に平均的な記録を持つ女の子。
そして、私には兄弟がいて、口調が男の子っぽくなっているのは、兄弟の口調がそのまま写ってしまったので、男勝りなのだ。
私の名前は・・・まぁ、別にいいだろ?顔は別に綺麗に整っている訳でもないし、性格は良くも悪くも無いし、スタイルだって、どこぞのグラビアアイドルみたいにボンっ!キュッ!ボンっ!と胸はあるわクビレは細いわお尻も大きい。という私から見たら、いや、女子から見たらけしからんっ!いや、羨ましい体型している訳でもない。
そんな私には、趣味。いや、ちょっとした野望というか、願望がある。
異世界に行きたい!という傍から聞いたら、お前中二病じゃね?と言われるような願望だ。
でも、バケモノや幽霊、妖怪的な存在がウロウロしている世界はイヤだし、魔法を使えるような世界に行っても、何かの戦いに巻き込まれるかも知れない。
または、科学が発展している世界に行っても、何かしらの機械を操作するのに、てこずってしまう。何故なら、私は機械オンチだから。でも、携帯は使えこなせるという訳の分からん機械オンチだ。
それにゲームの世界というのも、私はゲームに興味無いし、スキルとかギルドとか訳の分からん設定もイマイチぴんとこないのでゲーム世界も却下。
では、どんな世界に行きたいか?うーん、人間だけど人間じゃない人間みたいな存在が街中を闊歩してる世界とか?てか、自分でも分からなくなってきた・・・
まぁ、それはそれとして、私は自分の部屋にて、私の可愛いペットを可愛がっていたのだ。ちなみに、両親には許可を得ている。
「かわいーっ♪」
私のペットはリス。名前は・・・いや、いいや。人からペットの自慢したって、興味ないだろ?私だって、犬とか猫とか飼っているんだよーと言われたら、で?それで?と言いたくなるのだ。
「ほれ、食べろ食べろーっ」
私のペットはエゾシマリスといって、 頭胴長が12~15センチ、尾長が11~12センチ、耳長が14~18ミリ、後足長が18~35ミリ、体重が71~116グラムになる。体毛は茶色で、背中には5本の黒い縞がある。縞の間 はクリーム色になり、腹と耳の先は白いというリスだ!可愛いだろ!あ、自慢してしまった・・・
そんなリスに餌を与えて、私はその愛くるしいリスが餌を食べている姿を見て、和む。
このリスは私の大のお気に入りで、学校が終わってからは、そそくさとリスのお世話をするのだ。うーん、やはり愛くるしいなぁ。
リスが餌を食べ終えて、リスをカゴの中へ入れようとしたら・・・
「あっ!」
脱走した。おかしい、何故だろう?いつもは脱走する気配すらなかったのに、やはり野生のカンという物が働いて、カゴには入りたくないと思ったのか、私の部屋の窓から飛び降りた。
「そ、外に逃げるっ!」
私は、猛ダッシュで我が家を出て、リスが我が家の玄関先の道路に立っていた。私は、リスにおいでおいでと手招きしてリスに近づくが・・・
「また逃げたっ!!」
リスは猛ダッシュ。素早い動きに翻弄されながらも、リスの姿を決して見失わないように、リスだけを見て猛ダッシュ。
「はぁっ、はぁっ、ま、待てぇーっ!」
リスの逃亡劇は、我が家から五百メートル先の近所の公園付近の道路まで続き、今も尚、リスは逃亡している。
「ぜぇっ、ぜぇっ、うえっ、気持ち悪っ」
五百メートルもダッシュしたので気持ち悪い・・・リスはそんな疲れた私を見て道路の真ん中に立っていた。
「う、動くんじゃねぇぞ?」
フラフラした足取りでリスに近づこうとすると・・・大型トラックがリスに向かって突進してきた!その大型トラックの運転手はリスに気づいていない!や、やべぇ!
「うおおおおおおっ!!!」
私は火事場のバカ力を発揮し、大型トラックがスピードを上げて道路を通行しているのをよそに、リスを助ける為に、道路を飛び出した。
がしゃあーーん!!!
私がリスを手に取った瞬間、何かの大きな音がした。あれ?事故かな?でも、割とその大きな音は、私から聞こえたような・・・
私は事故した事に気づいていなかった。いや、気づきたくなかった。でも、リスが生きてて良かった・・・
「お、おいっ!だ、大丈夫かっ!きゅっ、救急車ぁぁぁ!」
大型トラックの運転手のオッサンは私に近づいて、私の異変に気づいて救急車を呼ぶ。
あれ?身体が動かせないよ・・・指一本も動かせない・・・私は一体どうしたのだろう?
「げぼっ」
「?!!!おいっ!しっかりしーーーー」
ぶつん。大型トラックの運転手であるオッサンの声は途切れた。何を言おうとしたんだろう?何で、私は途中で眠ってしまったんだろう?
その疑問を浮かべたまま、私は、息を、引き取ったーーーーー
ーーーーーーーーー
ここはどこだろう。
私は、真っ白な世界に居た。上も下も右も左もない世界。なんだろう?宇宙?でも、宇宙は黒いはず・・・それに、私は宇宙飛行士になった記憶は無いし・・・
これは夢かな?うん、きっとそうだ。夢だ。だって、真っ白な世界なんて現実には無いしね。
「ーーーーー」
あれ?何か聞こえる。女の人の声だ。誰だろうか?聞いた事の無い声。若々しくて、高い声。多分、二十代の女性だな。
「ーーうふふっ。二人目ね。ほら、私とそっくり」
どうやら、赤ん坊の誕生した夢だ。うんっ、いいね~、そんな生命の誕生の瞬間なんてさ。
「ほ、ホントだっ!か、かわいいっ!う、うぅっ!」
今度は野太い声の男性が現れた。姿は見えないが、声からにして男性という事が分かる。
「今日から美乃莉はお姉ちゃんになるわ~」
美乃莉?ふむ、話の流れに察すると、一人目の子供・・・姉の方だな。なるほど。姉妹か。私は一人っ子だったから、そういうの憧れてたなぁ~。という事は、初めての妹か。
「一歳だけ年が違うけどねっ。でも、ちゃんと可愛がるんだよ?」
どうやら、姉はまだまだ小さいらしい。という事は、妹が出来たという自覚を持っているのか?その姉は。
「さぁ、お前の名前は、栗原胡桃だ!」
産まれた赤ちゃんに命名するが、胡桃っておいっ!それはそれは過度に期待し過ぎではないのか?いや、これは夢だし、他人事なのでそっとしておこう。
「ぬふふふっ♪胡桃ちゃんっ、かわいっ」
今度は先程の男性の声が聞こえてしまうが、気持ち悪い笑い声にドン引きする私。笑い声、ぬふふふって!気持ち悪っ!
「うわっ、気持ち悪っ」
ほら、女性も言ってるじゃん。さすが、同じ女性だ。
「そんなっ!ヒドいよっ!」
鳴きそうな声を出す男性。お前、子供っぽいのな。
さてと、夢からそろそろ覚めそうな気がするので、夢世界から脱出しようではないか。
むむむ、目をつむる。目をつむれば、夢世界から脱出出来る。筈なのだが、数秒経っても夢世界から脱出出来ない。
「うふふっ。ねんねーんころぉりよぉー」
突然、女性から子守歌を歌われた。すると、だんだん眠くなってきた・・・ような気がした。あれ?やっぱ、眠いわ・・・
私は真っ白な世界の中で、意識を失ったのだったーーー。
ーーーーーーーーーーーーーーー
目が覚めた。
いつの間にか、寝ていたらしいが、私は真っ白な夢の世界から脱出したのだが・・・どこかの一般家庭の家に寝ているらしい。
私に毛布が掛けられて、布団で寝ていたご様子。だが、目の前には知らない真っ白な天井。視線をあらゆる方向に移したのだが、完璧に私の部屋では無い。
何故なら、私の部屋にはリスのぬいぐるみやクマのぬいぐるみが沢山あり、ピンク一色で彩られていたのだが、私が寝ていた場所は、ほぼ真っ白の部屋。
見かけないタンスや蛍光灯。どこかの家の和室にて布団を敷いて寝ていたらしいが・・・どうなってやがる?私は、他人の部屋に泊まった記憶がないのだが?
とりあえず、起きようとした。だが、動けなかった。縄で縛られていなかったが、何故か動けない。
何故?何故?そんな疑問が私の中に渦巻いてしまう。まさか、ヤバい薬を飲まされて誘拐されたとか?
もしくは、スタンガンのような物で気絶させられ、今至るという事なのか?!
「うっ、うぇぇぇんっ!」
誰かの泣き声だ。泣き声から察するに、赤ん坊のようだが・・・なんだ?!なんなんだ?!この泣き声は私の近くで聞こえてくるようだ!
私は辺りを見渡すが、私以外誰も居ない。何故?まさか!幽霊?!で、でも、私には、霊感無いし・・・幽霊の線は無いとすると・・・本当になんなんだ?!
「くっるっみぃーっ♪♪」
突然、見知らぬ背の高い男性が私が居る部屋に侵入してきた。私は、思わず叫ぼうとした。
「おぎゃあー!!!!!」
叫ぼうとしたら、おぎゃあと言ってしまったのだ。あれ?何故おぎゃあ?きゃあと言った筈なのに、どうしてだ?
「あぁっ、泣かないでーっ!よしよしっ」
見知らぬ男性は、私を抱き抱える。私はそのセクハラがイヤでイヤでたまらないので、おぎゃあでも何でもいいので、とにかく叫んだ。
「ぅ、うぇぇぇんっ!!!うぇぇぇぇん!」
そりゃあ泣きたくなりますよ。見知らぬ男性から抱き抱えられたのだから。でも、私は高校生だし、そんなに力があるなんて思いもしなかった・・・
「こぉら!何、泣かしてるの!ダメでしょ」
突然、見知らぬ小さい女の子を抱きかかえた見知らぬ女性が私や見知らぬ男性がいる部屋へと乱入。
だが、その女性達の、信じられないものを目撃してしまった!普通の人間では、ありえないモノが、あったのだーーー。それは・・・
リスの耳が頭についていて、しかもリスのような大きな尻尾がついていたのだ。その耳や尻尾の体毛の色はエゾシマリスに似た配色だ。
な、何故そんなものをつけているんだ?ま、まさか、家族揃ってコスプレイヤー?!へ、変な家族だなぁ~。
「ほら、胡桃ちゃんをよこしなさいっ」
「ご、ごめんよぉ~」
私を抱いた見知らぬ男性は私を母親に預け、私をあやすようだが、何故あやさなければいけないだろう?
ふと、視線を移すと、等身大の姿が見れる大きな立て鑑があり、ちょうど見知らぬ女性と私の姿が見える位置になったので、鑑を見てみると、私の姿がとんでもない姿へと変貌している事が分かったのであったーー。