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叶雑貨店  作者: 零桜
1/5

一人目:ノートパソコン

嫌いな学校から開放された帰り道。ふと視線を上げると、ひっそりと雑貨屋さんがあった。

『木村 紗枝』は気まぐれに、その中へと入っていった。


カランカラーン


「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」

「あっこんにちは。えっと、特に何も」

店の主だろうか。20代後半といった様子の好青年がレジでくつろいでいる。

店を見渡すと、いろんなものが並んでいる。その中で紗枝は、小型のノートパソコンに目が止まった。銀色のボディで学生用の学生用の鞄にでも簡単に入りそうだ。

紗枝はそれがとても欲しくなった。しかし、小さくてもパソコンである。高校生である紗枝にとっては、とても買えそうも無い。

「そちらが気に入りましたか」

店の主はそれを手に取り、紗枝の前に持って来た。近くで見ると、ますます魅力的である。使いやすさを一番に考えてあるようなシャープな形といい、色といい全てが紗枝好みである。

「ええ、まぁ。でも、私はまだ高校生ですから。パソコンはちょっと・・・」

「これは当店オリジナルですから。少し協力下されば安くしておきますよ」

そう言って店主は一枚の紙を渡した。

『会社や学校でも嫌な事・物・人を消してみませんか?クリック一つで貴方の楽しい日々が待っています』

「これって一体なんですか?」

紗枝が訝しげに問うと、店主は声を潜めて答えた。

「このパソコンの性能を試したいんです。そこで貴方にこのパソコンをたった1万円でお譲りしましょう。但し返品不可ですけど・・・」

「これが1万円!?それで何をすればいいんですか?」

「自分の消したいものを消してくれればいいんです。そうすれば自動的に私に分かるようにしてありますから。あぁお金は後日で結構ですよ」

店主は説明しながら、ノートパソコンを綺麗に箱詰めして、紗枝に手渡した。

紗枝はその箱をなんともいえない表情で見ている。

「一つだけ注意点が、・・・・・・・は決してしないようにしてください」

「はい。分かりました」

紗枝は上の空で店主の話を聞き、店を後にした。

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