第9話 少しの休憩
一週間後、抜糸ををし治癒魔法で完全に傷を塞いだ。これで首を自由に動かせる。外に出て、首をもう一度摩る。外に出ると、空は晴天だった。
そういえば何か忘れているような...、まあいいか。
部屋に戻ろうとした時、女のエルフに呼ばれる。
ついて行くと少し離れた場所に家があり護衛と思われる男のエルフが二人並んでいた。合言葉はエルフ語で話していたので分からなかった。
部屋に通されると、椅子に腰掛けているエルフの青年が座っていた。
顔には傷がついており、纏っている魔力でかなり強いと感じた。
「やあ、はじめましてだね。僕はラファル・アンゲルス。君の事は話に聞いてるよ」
「あっ、あの、私はシュラーク・ブリッツです!」
二人は握手をして、自身に起こった事を話す。
ラファルは話を聞いてくれた。それにしても...隣にいる人が気になるな。
「あの...ラファルさん。隣にいる人ってどなたでしょうか」
「ん?君の事を護衛を担当してくれる人さ。まぁ安心して、かなり強いから。きっと君の事守ってくれるよ」
「え?いいんですか?ありがとうございます!一人だと心細かったので!」
「ふふ、礼には及ばないよ。名前はアメルンだよ。覚えてほしい」
「はい!」
外に出ると、白竜と出会す。なんだか体が艶々としているみたいだ。
目を細めると、フンと鼻を鳴らし、どこかに行ってしまった。もしかして...
後をついていき、話しかける。
「なぁ白竜!もしかして発信機の事か!?」
『違う。それは別にどうでもいい。鍛錬するからさっさと失せろ』
「へぇ、竜も鍛錬するんだね」
その場から離れて小屋に戻った。寝っ転がって、天井を見つめた。
「...ついてくるんだね。アメルン。ねぇ、アンタってどこから来たの」
無言、というか何も喋らない。すると小さい手帳を取り出し、羽ペンを取り出して文字を書き始めた。書き終えると私に見せてくれた。
なるほど、声が出なくなったのか。
「名前は聞いてると思うけど、私は何かを知ってしまったからね。情報が出ないように全力で私を殺しに掛かってる。アンタは私を守るんでしょ」
彼は頷いた。手を差し出して握手を交わした。
一方で白竜はというと...。
◇
防御結界を二重にしていても吹き飛ばされた。
「動きはいいけどまだ甘いよ。それが君の本気かい?白竜」
『ぐうっ...なんてパワーだ...!』
眼前にいる奴は平然な顔をしている。しかもわざと我を挑発していおきながら肩を回して腕を前に出して指を動かす。余裕があり、靴のつま先を地面に軽く叩いた。
「次は防御の仕方を教えてあげる。防御魔法を一切使わずに翼だけで守って」
『おい、ちょっと待...』
杖を取り出して、攻撃魔法の方陣を五個以上出現したと同時に撃ち出して来た。翼を丸くして、受け流す。その瞬間に横にステップしたがすぐに追撃が来た。回避に専念していて、ラファルは既に消えていた。
上を見上げると、彼は最大火力の攻撃魔法を放とうとしていた。
二重、三重と重ねており、やがて10枚になり、そして真下に撃った。
地面が赤くひび割れて、灼熱となっていたが空に逃げていたので無事だった。
しかし、いつも我とラファルが鍛錬をしていて周りに被害が及ばないようしている結界はラファル自ら貼っていて、賢者が全力でやっても壊せない特別な結界だ。
しかし何故壊れたのか疑問だった。そうして考えを巡らせていると攻撃魔法が飛んできて、左に回避した。辺りを見回してもラファルはどこにもいない、考えろ、慌てるな...。
意識を集中してみると、弾道の放つ瞬間が見えた。
それを翼だけで弾き、氷魔法を撃つ。避けられたがそれは予想済みだ。
四方に拘束魔法を展開し、奴を拘束して接近と同時に前足の爪で勢いよく地面に叩きつけた。地面に降りて、近づいた。
ピクリとも動かない。....死んだか?
その時、顔面に衝撃魔法が直撃して横転した。
ラファルが腹の上にゆっくりと着地して、顔まで近づいた。
しゃがむと、腕を伸ばして額にデコピンした。
「はい、死んだ。また僕の勝ちだね」
『ぐう...勝てたと思ったんだ!』
「僕が展開した幻影魔法を見抜いたのは良かったよ?だけど警戒を解いたのが悪かったね」
『途中から気配が違ったのはそれか』
「君、どんどん強くなってきた。確か281敗だっけ?」
『黙れっ!!』
「あはははっ!」
地面を修復し、結界を解く。傷を癒した後、気になっていた疑問をラファルに聞くことにした。
あの特別結界を破壊したのは誰かと。そして空中要塞という存在、そして聖女の存在。ラファルは真剣な顔をして、手を顎の下置く。
「確かに、カリゴの仮説が正しければ、人間は竜種の弱点を熟知してる。ここ70年、竜種達が居なくなったのはきっと連れ去っているんだ。表向きは絶滅としてね」
『人間共め...、同胞を連れ去って何がしたいんだ』
「きっと研究対象見ていたと思う。捕獲したワイバーンを観察してね。ずっと怯えていて、そして無数の傷跡があった。話してみると、生きているのが地獄だと、解放してくださいってね」
『.........。』
「感謝してると思うよ、ワイバーンも。安心して、魂は別の竜種の死体に移すから。記憶は無い方がきっと幸せだと思う」
『...そうだな』
◇
そうして村に着くと、シュラークが駆け寄ってきた。どうしたんだ一体...。
話を聞いてみると、金の事についてだった、なんだそんな事か。硬貨というかそんなものには執着しないが。
「どっ、どうしよう!!私、どうしたらっ!」
「落ち着いて!今なら鉱石を取ればいいから!そしたら簡単に稼げるよ?」
「はっ、....その手があったか!!ありがとうラファルさん!」
洞窟に向かって走っていった。だが、既に洞窟の中には鉱石が一つもないという事を、知る事になった。




