表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

第8話 追いかけて来たのは

15匹のワイバーンは分散し、5匹になった。

目の前にいる人物は甲冑を着込んでおり、腰にある鞘から剣を引き抜く。

鉄製のゴーレムは5体。我に見向きもせず真っ直ぐ村の方に歩いて行く。


『誰だ貴様は』


「名前なんて気にする必要はない。おいドラゴン、この村が全滅してほしくなかったらその女を渡せ」


『黙れ、下等な人間め』


「なるほど、交渉は決裂だな」


後ろに下がっているシュラークはエルフに連れ出される。

その時何か言っていたが、後で聞いてやろう。


翼を前に持っていき、斬激を受け流す。後ろに下がり、男はニヤリと笑った。

取り出したのは杖だ。なるほど魔法勝負か、面白い。


赤い魔法陣が現れ、火球が男の頭上で展開していた。


「この威力はドラゴンを倒せるんだ。お前はどうする!降参なら今のうちだが?」


...降参だと?人間に?馬鹿馬鹿しいな。

即座に水魔法を強化した氷魔法を尻尾に集中させる。

ワイバーンはとてつもない魔力量に怯えた。


地面を蹴ったと同時、火球を飛ばした。

飛び上がり、一回転と同時に尻尾を真下に振り下ろす。触れた瞬間に凍り付き、粉々に砕け散った。地面に着地し次は男の方へと突っ込む。相手側も矢を放つがジグザグにステップして回避する。


断末魔を上げる隙も与えず、騎士の一人に噛み付く。

尻尾で薙ぎ払い、吹き飛ばす。

団長らしき人はデタラメに魔法を放っている。ゆっくりとこちらに歩き距離を詰めていく。


ゴーレムは同族達によって撃破され、ワイバーンに至ってはエルフ達に捕獲されていた、まぁ後で食材として美味しくいただくか。

尻餅をついた男は顔を真っ青にしながら我を見つめていた。


「なっ、何なんだ!こんなに強いだなんて聞いてない!普通やられるだろ!こんな事があっていいはずがない!ドラゴンは黙って殺されるのがオチだろ!」


...何だこいつは。竜が弱い?黙って殺される?何を言ってるんだこの人間は、我ら竜種を侮辱する気か。


『そんなに死にたいのなら貴様の望み通りにしてやろう』


「ひっ!やめろ!来るなっ!」


男を前脚で掴み、地面に叩きつける。何度も叩きつけ、血だらけになった男を足でつつき、確かめる。まぁ、もう動かないだろう。


数人のエルフが来て、布の上に乗せてどこかに運び、生き残った兵士達は両手をあげて投降したのだった。

その夜、森の中で大きめの薪を並べて弱めの火炎で火を入れる。ワイバーンを頭から齧り、咀嚼する。


後ろから気配がしたが気にせず食べ続ける。


『カリゴか』


「ご報告を。兵士達を尋問したところ、彼らは空中要塞から来たと。その高度は15000Kmだと判明しました。」


『成層圏か、厄介だな』


「ええ、並の竜種ではすぐに酸欠に至るでしょう」


『....その要塞とやら、移動はしているのか?』


「はい、定期的に高度を下げているようで、12000Kmまで下がっているようです」


『そうか。それより例の剣について何か情報は無いのか』


「はい、ありませんでした。口が堅いのか、それとも魔術による契約でも設けているのか...。私からの情報は以上です』


『そうか、下がっていい』


一礼した後、移動魔法で村に戻った。



◇◇◇



騒動が終わり、ご飯の時間になった。それにしてもなんでバレたんだろう...。後から考えるか!広場に集まって、木のボウルに野菜たっぷりのスープと、小さい肉が小皿にあった。空いている机に座り、スプーンで掬って口に入れる。


美味い!スープの体に染み渡る!小皿に乗っけてあるフォークで肉を刺して、口に入れる。....うん、微妙な塩加減で調整されていて、これまた美味い。

完食して、部屋に行こうとした時、女性のエルフに呼ばれる。

患者服を渡された。


薄暗い廊下に案内されて、まずは隣の部屋で着替えてくださいとのこと。

着替え終えると暖簾をくぐった先は手術室のような感じだった。

何やらオイルと甘い匂いが部屋中に漂っていた。


「...あの....私何か粗相をしましたのでしょうか...。何やら手術道具があるんですけど、私、とうとう解剖ですか!?」


目の前にいるのは10代後半の感じであるエルフが木製の椅子に座っていた。


「落ち着いてください。調べた所、貴方の身体の中に発信機が埋め込まれていると分かりましたので」


「ん...?発信機?え?」


「恐らく、きっと気付かぬうちに埋め込まれたのでしょう。」


「....あの、どうなるんでしょうか」


「取り除かない限り、ずっと狙われます」


「あっ、あの!是非お願いします!!」


「それではその同意書に名前を入れてください」


スラスラと書き、そのまま横たわった。部屋に炊かれてある匂いに耐えられる訳もなく、数秒もしないうちに瞼が重くなって来て、意識を落とした。



◇◇◇



朝になり、目を覚ます。背伸びをして首に手を置くと包帯が巻かれていた。

暖簾をくぐって来たのはカリゴだった。


「おはようございます。あれからよく眠れました?」


「ええバッチリですよ!体も軽くなった感じです!」


「それはよかったです。抜糸まで一週間は安静にしてください。お食事は部屋でされますか?」


「あ、はい。...あの、白竜、それからエルフ達に迷惑をかけた事、申し訳なかったです!」


頭を下げると、カリゴは慌てていた様子で私を見た。


「頭を上げてください!私達も気にしていません!」


「ほ、本当か...?」


「ええ、シュラークさんは一人で抱えている事が多いですから。みんなで支えましょう」


「....はい!本当にありがとうございます!本当に感謝しきれません!」


もう一度頭を下げてと彼女は再び慌てていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ