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第1話 出会い

冬の夜、ルカとケイが部活の夜連に向かっていた。


「今日って何するかわかる?」

「さぁ セクション連じゃね」

「オッケー てかさぁ クリスマスコンサートて結局やんのかな?」

「やんないべ 体調不良多いし、新人コンクールも近いからなぁ」

「だよねー」


そんな他愛もない会話を交わしている時だった。ふと、道端に立つ小さな男の子が目に入った。幼稚園くらいの年齢だろうか。薄暗い街灯の下、ぽつんと立っている。


「こんな時間なのにやばくね 迷子かな?」

「まあそうでしょ 見て見ぬふりはやだし、話しかけよ」

「遅刻しちゃうよ?」

「夜連だからきっと大丈夫さ」


ルカがしゃがみ込んで優しく話しかける。


「君どうしたの?迷子?」

「...お母さん、どっかいっちゃった..」

「そう お家の場所わかる?」

「うん、こっち」

「あ、わかるのね」


少年の手を引いて歩くと、モダンな家にたどり着いた。


「ここ?」

「そう」

「へぇ 結構いいとこ住んでんね」


ピンポーンとチャイムがなる


「すみませーん迷子を保護しましたよ」


反応がない


「入れ違いかぁ」


その時だった。少年がふと、口元に薄く笑みを浮かべた。


「いやぁ まさかこんな簡単に騙されるとは」


「ん? どした?」


気づけば、周囲の景色が一変していた。さっきまでの住宅街は消え、辺りは荒んだ空き地のような場所になっていた。


「っておいここ何処だよ」


目線の先には少年の姿は見えずその代わりに蛸と人間のハーフと言うべき異形がいた。

人間の形をしているが、その腕は吸盤の付いた触手に変化しうねっている。


「うわ なんだお前」

「きも...さっきまでのかわいい少年などこに...」

「もしかして ショタコン?」

「まぁ おねショタはすきかも」


「..?何を言っているんだ 状況がわかってないのか?」


異形が低く、ねっとりとして少し困惑した様な声で問いかける。


「状況なら分かってるぜ 俺達は今からお前に酷いことさせられちゃうんだろ」

「じゃあ なぜそんな余裕でいられる?」

「そりゃあ お前の後ろに俺らの救世主ぽい人が居るからな」

「は?」


異形が振り返る。

そこには、月明かりに照らされて立つ人物

スーツに身を包み、狐の面を着け、刀を構えていた


「なんだ..お前...」


異形が唸る


「どうも、救世主です」


そういうと刀を静かに振り下ろし、異形を真っ二つに切ってしまった。


「君達大丈夫? 怪我無い?」

「おかげ様で助かりました。 ...今のやつもあんたも何者なんですか?」

「教えない。今日見たことは全部忘れてくれ。金ならいくらでもやるからさ、人には言うなよ」

「俺達、口軽いから言っちゃうかもなー 教えてくれれば言わないのになー」

「そもそもこんな話誰も信じないか やっぱ今の人言っていいよ」

「案外そうじゃないかもよ?」


「お前ら 少しこっちに来てくれ」


そう言うと、狐の面の人物がまじまじとルカの顔を見つめてきた。


「ちょっと何なんすか」

「ふ~ん、気に入った 全部教えてやろう」

「いきなりなんだよ てか気に入ったって何が」

「顔」

「っは わかってんじゃーん 俺イケメンだからさ」

「まずは自己紹介か、俺はシルバーだよろしく」

「俺はルカ」

「ケイっす」


「でさっきのことだが、何から聞きたい?」

「きもいやつ」

「あーあれは神話生物って言うんだ。八岐大蛇とか知ってる?日本のやつそういうのと同じなんだ。」

「やばいやつじゃん なんでそんなのが俺達の前に?」

「神話生物ってのは、昔から身を潜めて時生きてきたんだ。

時には他の生き物と手を組んだりして、うま〜く現代まで生き延びてきたんだ。

そうじゃないのもいたが。

でも最近暴れるやつが増えてんだよ、今までほとんど静かにしてきたくせにさぁ

そもそもこんな力を持っているのに今まで身を潜めてたのもわかんないんだが 

まぁ神話生物は人類の敵てことだ」

「?」

「まぁわからなくていいよ

お前ら今日のこと忘れられるか? 誰にも話さないって誓えるか?」

「まぁ無理だよねぇ なぁルカ」

「もちろん」

「...そっかぁじゃあ残念だけど--」

シルバーが刀を構えた瞬間、ルカとケイの顔が青ざめる。

「えっ」

「ははっ!冗談だよ、悪かったそんな顔すんなって。」


何がそんなに面白いのか、シルバーは大笑いしている。


「こわ~ 心臓止まるって」


ケイはあきれた表情で言う。

すると、少し離れた場所から女性の声が響いた。


「お~い、シルバーいつまで話しているんだよ。早く帰ろうぜ。」


振り返ると、そこには長い黒髪をポニーテールにまとめた美人が立っていた。

シルバーと同じく黒のスーツに身を包み、腰には拳銃と思わしきものと短剣を携えている。


「あー悪かったなキョウカ、もう少し待ってくれ。今、交渉してるんだ。」

「交渉?なにを?」

「今日のことは忘れてくれってさ」

「ふ~ん...面倒だし、殺しちゃえば?なーんてね」

「おいおい、それ俺がやったばっかなんだけど」

「あっはは 被った?いいじゃん長年の絆だね」


シルバーと同じように笑っている。ケイは眉を潜めて一歩引いた。


「うわ...ルカこっちもやばいやつだぜ...」


「で、この子達どうすんの?」


キョウカが興味深そうに尋ねる。


「う~ん...あっ、いいこと思いついた!」


シルバーがパチンと指を鳴らす。


「ルカ、ケイ。超高収入バイトがあるんだけど、やってみない?」

「うさんくさ!」

「んな怪しいのやらねーよ」

「いやいや、マジで。時給は破格、命の危険はちょっとあるけど、スリル満点!」

「命の危険がある時点でバイトじゃねーだろ!」

「しょうがない 正社員でどうだ?」

「そういう問題じゃなくてだな」

「でもさぁ、君たち、見ちゃったじゃん?もう元の生活には戻れないかもね」


どこか本気の目をしたキョウカが淡々と言ってくる


「それ脅し?俺らがそんなのに怯えるほどのタマだと思わないでくれよ」

「う~ん、いいね。度胸もある。じゃあ、なおさらこの仕事引き受けてもらわないと」

「ちょっとまって、もしかしてだけど拒否権ない感じ?」

「どうだかね」

「まじかぁ……で、そのバイトって、具体的に何すんの?」

「簡単さ。神話生物と戦って、世界を守るんだ。」

「簡単じゃねぇよ!!」


キョウカがくすくす笑いながら言った。


「でも、悪くない選択肢だと思うけどね。だって、君たち、もう“見えちゃってる”んだもん」


ケイがふと尋ねた


「なぁ、一つ聞かせてくれ。それを引き受けたとして学校行けなくなるとかはないよな?」

「あぁ、学校は大事だからね、行けるようにするとも」

「そっか、じゃあ俺引き受けるよ。楽しそうだし。ルカは?」

「これは..断るわけにもいかなそうだ。引き受けるよ。」

「よし!交渉成立だな」

「あ、待って。これ違法なことじゃないよな」


「安心しろ。国家公認さ。」


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