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これまで気分次第で抱いていた奴らはすべて切り離した。
運命を見つけた俺には、もう要らない。
フェロモンが臭いと言うが、ただの嫉妬だろう。
今は拗ねていてもそのうち認めることになるのだ。
俺が彼の運命であることを。
だっておかしいんだ。
最初に俺と目が合ったとき、彼は喜んでいたんだ。
マスクに隠されて表情はわからなかったが、目には喜びが満ちていた。
少しずつ、ゆっくりと、距離を縮めればいい。
しかし、彼との距離が縮むことはなかった。
3ヶ月が経った今、俺は徹底的に無視されている。
彼の言うフェロモンのにおいはだいぶ薄れているはずだ。
なのに傍に寄ることも、声をかけることもままならない。
それとも、一度混じってしまったフェロモンの残り滓は永遠に消えないのか?
教えてほしい。
どうすればいい?
俺と彼は、普通の運命の番とは比べ物にならない、さらに強い絆で結ばれているはずなんだ。
今生は運命の番で、前世は恋人だったじゃないか。