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12ー佐々木れい(中)
その後、体の不調が続いて、学校は休みがちになった。
ある日、激しい頭痛に襲われて倒れた。
時々見ていた例の夢をみた。しかし、いつもとは違った。
唐突に、この夢は俺の前世の一幕であり、目があった首は愛しい恋人のものであると、理解したのだ。
男に対する怒りと憎しみで、燃え盛る炎の中にいるように体が熱くなった。
絶対に許さない。
どこまでも追いかけて終わらない苦しみを与えてやりたい。
目が覚めたら病院のベッドで、オメガと診断されていた。
多くのアルファやオメガが通う高校に転校することになった。
そこに、男がいた。一瞬でわかった。
憎しみより先に、喜びがわずかに上回った。
哀れな羊のために神様が巡り合わせてくださったんだ。
しかも、男と俺は運命の番だった!
復讐してやれと、神様にお許しをいただいたんだ。
信仰心なんてなかったけど、はじめて神に感謝した。