表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/50

迎春

なんで、こんなことに!!


「ん。なんか、ちょっとむず痒いというか」

「シロさんはもっと素敵です!って、シロさんが許可しちゃうから!」


襟付きのブルーパープルのシャツにブルージーンズ、モコモコの灰色スリッパと大変ラフな格好ではありますが、今日のシロさんも大変可愛い。


「お正月からシロさんが料理してくれるとは!?イケおじ過ぎません?」

「ん、お前に任せたら、また野菜使わないだろ?」


年末年始のお歳暮とお年賀を、と現れた腹黒ねこ先輩はあろうことか、シロさんの同人誌を1話書きたいという暴挙を願いました。


「しっかし、お前、食べるな」

「だって、今回貰って仙台牛のサーロインとか初めて食べました。まだまだありますし、しっかり食べないと!あ、このマテ貝のカルパッチョとかもうまうまです。ありがとうございます!」

「ん、それはよかった。あ、このスープ、ありがとな、美味しいよ」


年末年始は、2人でもらった食材を料理して食べてました。シロさんと2人で時間を忘れて過ごすヨギボーは最高です。


「あの人、ボーナス全部シロさんに使ったんですかね?あ、サイト見ます?ついネット探したら、頂いたお肉、飾っている店もあるみたいですし」


仙台牛のサーロイン10kgに、サーモンの新巻き1/4。


さらに糖度11度越えの人参とか野菜にミル貝やらマテ貝からトコブシとかの大量の貝類におしゃれ系冷凍や真空パック系惣菜と、我が家の冷蔵庫はぱんぱんです。


そんなに主任のボーナスよかったのかな、当社?

シロさんの好みを押さえているのがさらにムカつきます。


「ん?いや、わざわざ最高級和牛のサーロインを用意してくるのが、あの人らしいというか」

「え?」

「ん、なんか業者専門の会員制スーパーとかで買ってるから、お前の想像の1/5ぐらいだってさ」

「へー、なら、まだうちでもって!!?なんでシロさんが知ってるんです!」

「いや、さすがにこれはないだろって聞きに行った。なんか、行きつけの居酒屋の店主に連れて行ってもらったらしい」

「へー、ならお酒もくれれば」

「あー、お前、酒乱だし飲酒運転はあり得ないから酒は自己責任だってさ」


くっ!ノンアル派め!

シロさん手作りの料理はご飯もバッチリですが、お酒も合うのに!


「ん。飲まなくていいなら、飲まなくていい。って、お前、普通に酒飲み過ぎなんだよ。ほら、サラダ食べろ、きちんと野菜もうまい」

「うー。確かに甘いんですけど、人参は人参の味ですよ」


人参と玉ねぎを刻んでオリーブオイルとバルサミコ酢、塩胡椒で作ったドレッシングで食べるサラダは確かに美味しいんですが「あ、これお肉でも美味しいかも」「お前、絶対肉なのか?」


「でも、シロさん。なんでこんな同人誌のモデル、許可したんですか?」

「ん?許可とか、そもそも許可なんていらないだろ?俺モデルって言ったって読者は別に誰だかなんてわからないんだし、さ。灰色うさぎなんてそれなりにいるし」

「え?なら、なんで貢ぎ物を受け取ったんです?」

「貢ぎ物って、ん。別にお歳暮とお年賀らしいからな?」


「ニヤリ」と笑う灰色うさぎ。

新年からシロさんは絶好調です。


「ふふん、とまあ、俺がさ、他から見たらどんな風に見えるのか知りたかったってのと、わざわざこんだけ用意してくれた以上、断るのもな。金の問題じゃないけど、誠意ってやつをやられて嫌な気分にはならないじゃん?」

「お気に召されましたか、師父?」

「ん!ちょっと泣き虫すぎるし、いい奴すぎるが、まあ、話としては悪くなかったしな。俺じゃないけど、うさぎの師父役が必要になったら演じてもいい」

「えー、私、むさいおっさん役は嫌ですよ?」

「そこで天女役を全く考えないお前が好きだよ」

「えっ!?今、好きって?」

「さあな」

「むー」


美味しい時間のあとは、ゆっくりと休日最終日。

2人で後片付けして、中庭に出れば小さな樹。


「あ、シロさん、きっと清樹様はこんな樹なのかも?」

「・・・・、ああ、ん。そうかもな」

「シロさん?」

「ん、いや、確かに、そう、かもな。ほら、明日は仕事だろ?ちょっと飲んだら早目に寝るぞ?」


シロさんお気に入りの椅子に2人で座りながら、軽くお酒を口にします。うー、最高です。


この椅子は座面が深い椅子で、シロさんを抱っこして座るのが前提です。ふふふ、ちょっとだけ舟の上を椅子で再現出来ます。


テーブルは左右に前後ずらして設置しているので、お互いのタイミングや邪魔にならずにテーブルを使えるのもお気に入りポイントです。


では、では。


「シロさん、お月様、綺麗ですね」

「ああ、綺麗だな」


ぎゅっと、抱きしめて、温かいシロさんにおでこをくっつけて。


その先、ウッドデッキのベランダから、2人で見上げたお月様は、ちょうど、真上から小さな樹を温かく照らしていました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ