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煙色の意思

滑らかで美しい灰色が川面に映り、同じく今宵の満月に時折かかる雲と同化する。


我々の背後の景色も、雲も目まぐるしく移り変わりながら、川を下る。


流れる水に空に、沈黙。

私はその沈黙を破った。


「清樹」

「やめろよ、そもそもそんなガラじゃないんだ。それにもう終わったんだ」


翳りをつけながら降り注ぐ月明かりを浴びて、どこか疲れ切った、だが、淋しげに優しく苦笑いするあなたは、誰よりもかっこいい、私の生きる目標、師父。


「お前、俺なんかについて来てよかったのか?」

「私がいるのは、あなたが許してくださるなら、いつでもあなたのおそばです」

「なんだよ、それ。お前はお前らしく生きろよ。俺はもう何も持ってないぞ?」


なら、なぜ笑っているのでしょう、愛しい方。

そんなに泣きながら、震える手を、あなたを抱きしめてしまいたい。


私は代わりに息を吸って、吐く。


「あんなやつらが、朝廷にあなたを売り飛ばすなど!帝は何を!我らがどれだけ仲間の血を天に払ってしまったのか!」

「やめておけ」

「しかし!」

「これも含めて、我ら108星の罪なのだろう。」


我らが人里離れた二つの川が交わる場所に砦に築き半自給自足をしながら腐った役人達から近隣の里町を守ってきたことを気に入らなかったのだろう。


奸臣どもは我らを討伐しようと幾度となく戦いを挑んだが、我ら天から降りた罪人たる108星は散々に悪人どもを打ち破り、いつしかその評判は都いる帝のお耳に入り、我らは招安された。


だが、あの奸臣ども、我らを強く恨んでいたのだろう。このことにより、帝の命として我々には腐った役人どもが手を焼いた反乱軍との戦いを強いられ、108星は徐々に天に戻されてしまった。


そして、今日、帝の名前で酒が送られてきた。


無実の罪で死ね。

毒入りの、酒だった。


「師父、俺は、なんで無実の罪であなたが死ななけりゃいけないのか、バカだからわからないのです」

「俺が無実じゃないからだろ。社会に混乱を齎した罪と言われりゃ、文句は言えねえよ」

「だけど!」

「まあ、その辺の灰色うさぎの皮はいで、帝に謁見を申し込むらしいから、もう本当に俺はお役御免だな」

「あんなやり方、許されると!?清樹が消えたことを喜ぶ祝杯まであげて!」

「仕方がない。役人がいる以上、俺が消えて喜ぶのは自然だからな」


舟は静かに進んでいる。

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