間話:動機と原理の背反
「・・・」
こいつ、人をなんだと思っているんだ。
「お月さま、きれーです」
さっきまで「月より団子もいいと思います!」とか言って月見そばに「そろそろホットワインも!」とかワイン飲み始めるし「今日のデザートはこれ!これ、シロさん用に作ってみました!Youtube観ながら作ったんですが、我ながら上手くできました!」で栗入り白玉善哉とか、取り留めない料理を食べさせられた。
「この黄味餡のお団子、美味しすぎません?」
「俺が知っている中でも滑らかさはダンチだ」
買ってきた言問団子を、人の頭の上で食べるな!!
「うま!」
とりあえず、横を向いて食べているから許してやらなくもない。
「中秋の名月」「だからどこかで見たいんだろ?」
「な!人の心を勝手に聴くのは」「聞かなくてもわかるっていい加減にわかんねーのかな、おまえ」
こいつのアパートで蕎麦にだし巻き玉子に板わさで(俺はお茶を)一杯引っ掛けたあと、そのまま屋上にこっそり侵入している。
サイドテーブルには、ホットワインに団子、日本紅茶に緑茶。
取り留めねーな、まじで。
「おまえ、本当ニ酒好きだな」
「人生のつらさは酒と本とモフモフが癒してくれるのです」
「とりあえず、いつまでひとの頭にあご乗せて、いつまで手を握ってンだよ!?」
「このぷにぷに感はプチプチよりヤバいんです!」
ああ!どうやって伝えたらいいのか、とひとりでお蝶夫人になってるこいつをどうしたらいいのか、時々わからなくなる。




