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青空と白い月

「ねえ?」「あ?どうした?」


相変わらず、何このきらきら感。職場でいちゃつくとかマジキモいんですけど。上司とはいえ、ほんと嫌。仕事しろ!


「さおりんってロクさんのチームとかうらやま」

「毎日、かっこよく挨拶されるだけでいいわ〜」

「あの人、生産前ロット近くだと一日中実験棟とかにいるから仕事進まないの」


新作のピンク色のフラペチーノ。

かわいいけど、特に美味しくはないわ。単なるインスタ用アイテムね。ワイガヤにはいいかもしれない。話のネタにはなるし。


全く、人の気も知らないで好き放題。他部署からの問い合わせに経費処理、関係会社に会うための機密保持契約申請とか、全部私がお膳立てしてるの!


なのに「あ、忘れてた。ありがとな!」で終わらせるとかあり得ない!!


「うー」

「あら、さおりん我慢限界?」

「便秘?トイレは」「違うわよ!?」


もう!!見上げたら、もう15時17分。


「あ、もう次の会議だ」

「さすが設計さんは忙しいね」

「何言ってんの?総務部の方が激務でしょうに」

「まあ、うちは結構時間には緩いから」

「うちは出来高だから〜」

「法務部が出来高って最悪じゃない?」

「賠償金で食べるご飯はまじウマ〜」


・・・頭がいい人は全くわからない。まあ、いいの。ともかく次の会議の準備しないと。


「じゃあ」

「またねー」


急いで立ち上がって、ゴミを分別して捨てていたら、横から窓を叩く音がして。


なんの気無しに音がする場所を見上げてみたら、綺麗な白い月が浮かんでいて、一瞬、何も考えられない。


呼吸をしていることに気がついて、意識が戻ってきたわ。疲れたのかな。


今夜は中秋の名月だったかしら?

青空に映る白い月が、とても美しく窓の外にみえている。

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