表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/43

オイル漬けのマグネシウム

なんだろな。


別にさ、どうでもいいと言えば、そうなんだが。


「あれ?まだいたの?」

「よ!おつかれ!」


ガソリンが染み込んでいるリノリウムの床に座っていたら、ダチが来た。


「明日、レースだろ?寝なくていいの?」

「なーんかさ。目が冴えまくってんの、今」


はい、と差し出されたコーヒー缶を開けるには、この身体だとやりにくい。


「あ、ごめん」

「いや、せっかくなのにすまんね。今日はもうあまり戻れないんだ」

「はいどうぞ」

「ありがとにゃー」

「うわ、キモ!?」


なんだと?と睨んで見れば、ケタケタと笑っている。

「あれ、でもさ。進捗、止まったんだろ?」

「ああ。先週かな、鳥が来て、カウントダウンがストーップ」

「大丈夫なのか?」

「代わりに探さなくても、時間くれば会えるらしいから面倒じゃなくていい」


そうそう。それまでの時間、好きに使えるし、不安にならないからすっげー得した気分。


「前向きだな」

「あったりめーじゃん。明日のレースの方が重要だって」

「俺が整備したバイクなんだから、きっちり乗りこなせよ?」

「ばーか。誰に言ってんだよ」

「お前だよ、ロク」


笑い合ってさ。

楽しく馬鹿騒ぎしてさ。


もう、これでいい。もう、これがいい。

もう、誰も、俺の世界にはいらない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ