大切な時間
「くしゅん」
「風邪です?」
ふかふか毛皮さんがくしゃみしてます。
どうしたんでしょうか。
「あン?いや、大丈夫。」
心配です。
ジャケットとか持ってくればよかったかも。
「あーいや、なんだろうナ?誰かの噂か?でも、あのカードがくれた猶予は半年あるし、それまではお前と2人でいられルはず」
「期限付きなのが憂鬱です」
「それマでに2人で想い出作ろう。お前ガそいつといても思い出すぐらいにハッピーなやつ」
「ふふン」と自信あり気な前向きシロさんに励ましてもらうと、ちょっとだけ前向きさが伝播して前向きな気持ちに変わります。
そんな帰り道。
夕焼けが綺麗な夏空で、どこか心が浮き立ちます。
シロさん家の近くのスーパーは基本的になんでも大量。私には物珍しいのですが、小分けで買うには個人商店と不便なので買い出しは基本的に私のうちの周りです。
「相変わらずかわいいうさぎさんだね」
「おう、ありがと」
Tシャツにチェック柄のズボン。かわいいスニーカーなシロさんはおしゃれさん。
これだけ俺様なのに、気さくで面倒見がいいし、子供の扱いが上手です。
大人気なシロさんは今もパン屋さんで、パンを買うついでに揚げたてのコロッケパンをもらっています。
私は知ってます。シロさんがくるタイミングで、シロさんが好きなコロッケを揚げることを。
あの女の子のシロさんをもふりたいという邪念をかん
「それぐらいにしトけ、おまエ」
呆れた顔でシロさんがこっちにきました。
「ほら、半分コ。ナ」
ぐぬぬ、と悔しそうな小さな店員さんを尻目に「ドヤ」ってやりました。シロさんは私のパートナーです!
「んー。ナンカいいな。お前が嫉妬してくれると。こそばゆイ」
「どうしました?」
「いヤ、なんでもねー」
シロさんを抱きしめながら、明日のパンを買って凱旋します。半分コした揚げたてコロッケパンが美味しい。
「今夜の当番は私なんでタコライスでいいですか?」
「ああ。チーズ多めがいいな。あ、あと辛いやつダメな。コロッケパン食べたから、少な目にしてくれ」
「わかりました。トマト多めにしますね」
「あのプチプチ感、あんま好きじゃないんだけど」
「え?聞こえません」
「トマトのタネは取ってくれ!」
「ちょ!?包丁持っているから危ない!?」
もー。いきなり抱きしめてくるのは危ないです。
反省含めて、種はミキサーに入れてトマトペーストに混ぜ込み、ざっくりとした野菜やライムと合わせてサルサソースにして食べてもらいます!
「今日のサルサソース、好きかも」
気が付いてませんね?
「トマトのタネ入りです」
種明かしします。イタズラした罰です!
「そうなん?あの食感がダメだったから好きじゃなかったけど、これなら食べれる。ありがと」
ぶー。失敗。ちょっと悔しいです。
でも「あ、このスープもいいな」
にこにこしながらこの人が食べてくれる、そんなたくさんの日が、特別、愛おしいのです。




