月光の記述
「も、ごめん、ほんと、、、あ、ダメ、、」
息も絶え絶えになっていますが、今回ばかりは許しません。
とてもとろんとした危ない眼になったシロさんがぐったりと私にもたれています。
かわいい小動物と暮らしたらと思って、動物マッサージの本は熟読済み。ご近所のタマさんとポチくんで散々練習をしたから自信があります。
いろいろとまずいシロさんになってしまっています。色気ふりふりな美うさぎさんは抵抗する意思がなさそうです。
「1人で代償を引き受けるからです」
「ご、メン、わるかっタ。これから」
「次はありません」ここで情に絆されてはいけない。
「も、むり!っつ」
本気で抵抗しないのでシロさんが反省しているのはわかっているのですが、ふにゃふにゃな俺様うさぎさんがかわいいので、ちょっと意地悪な気分です。
「ゆるし、て」
チュッとキスしてくるグレーなシロさんに降参。
改めて、2人で正面から向き合います。
真面目なお話ムードですが、シロさんは膝の上です。
「私が見つからなくても、シロさん的には困らないでしょ?」
「もう1人がクルまで「選定」は始まらないし、従者候補になれば人だった時の身体的な問題は解決するからナ。うさぎ姿で問題なければ別にいいけど。なんか、うさぎって弱そうジャン」
それにお前に会いたかった
ヒシッと抱きしめてくるこの人を抱きしめ返してしまうのは、きっと恋の病。
「で、お願いごとは可能な限り2人でいる時間を伸ばしてほしいのと、一緒に並んだ時に恋人に見えるようにしてほしい」
「ほら、さ。やっぱ、俺としても「お父さん」とかは嫌な訳ダ。出来ればかっこいい「彼氏」に見られたいジャン?出来るだけ、2人の時間がほしいのは当然ダロ」
「代償は入れ墨、と?」
「なんかよくわかんねーけど、登録証だってさ。話的にお前の魔法を使うと付くっぽいから実質、ペナルティはないナ」
もふもふな毛並みの下。心臓の上に見たことがないシンボルマーク。触っても何も無さそうだけど不安になる。私の魔法でシロさんに何かあったら
「望むところダナ。お前の魔法なんだから、俺が傷つくことはナイ。お前は俺ノダ」
力強く言い切ってくれる温かな声がじんわりと沁みる。愛おしい温もり。
煌々と、月明かり。
2人で見上げた月は白く輝いていた。




