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賽は投げられた
それはそれはむかしむかしのものがたり
とあるところに、ひとりの誰かがいましたとさ。
その誰かは、綺麗な白い、とても広いお城に閉じ込められ、誰にも会うこともなく、庭の木々から季節の移ろいを感じていました。
誰かは思いました。鳥になって、自由になりたいと。
でも、人は人を止めることはできません。
そう、出来なかったはずなんだ。
だから、誰かはそのまま死にました。この世界を呪いながら。救いを求めながら。
だけど、ある日、それが覆る。
神様からしたら、ほんのちょっぴりな悪戯。
それは綺麗な星空と綺麗な青空が混じるマジックアワー。
誰かが嘆きは、唐突に退屈していた神様に届き。
ある日、突然に世界は変わった。
それは世界を根底から変えたけど、だけど「私」からしたら小さな出来事。
でも、とっても幸せなこと。