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#8スキル音楽

アイテム一覧を表示してもらって

私はその中から『アコースティックギター』を選択し取り出した


【スキル】にあった「音楽」

多分、これの事よね?


ミュージシャンを目指した訳ではないけれど、

アコギの音色に惹かれて私はギターを練習していた

もちろんド素人のアマチュアだけど、

そこそこは弾けているんじゃないかと思っている


頑張ってバイトして貯めたお金で買った私のギター


異世界でも弾けるなんて嬉しいな〜

だけど【スキル】って何?

何かあれこれ妄想して期待しちゃうじゃない

どんな効果があるのかな〜


発動条件とかさっぱり浮かんで来ないので

とりあえず普通に演奏してみる事にした


ギターを抱えてメロディーを奏でる……

やっぱりアコギの音色は落ち着く……


シェリーの同期処理のBGMって感じで軽快だけど焦らせない様なメロディーでアコギを爪弾く……


何か平和だなぁ〜

このまま目が覚めたらギター抱きしめて寝落ちしてたってオチにならないかな〜

なんて現実逃避的な妄想をしていると


「……サクラ様っ!」


シェリーの声に現実に引き戻される


「あっごめん、自分の世界に浸ってた……

終わったの?」


「……いえ、もう少しですが……

結界の外に魔物が……」


っっっっ!


全然気付かなかった……

昨日は気配を察知出来たのに!

……結界があるから気付けなかったの?


慌てて立ち上がり辺りを見渡す


魔物が数匹……数体? 数頭?

ほんの少し弧を描くように並んでこっちを見ていた

結界に沿って並んでる?


あれは昨日襲って来た一角うさぎ?

……にしては昨日のより随分小さい感じがする

……子供?

それからあの青くてプヨプヨした子はっ!

スライム?!あれはスライムよね!

……リアルな姿でもやっぱり可愛い〜


実は私はスライムが好きだ……

物心着いた頃には既に家にはスライムのぬいぐるみとか、スライム型のゲームコントローラーとかあったりした事も手伝っているとは思うが……


出来ることなら抱きしめたいけど……

『魔物』なのよね? ……やっぱり……


「…………様!サクラ様!」

シェリーに大きな声を出させてしまった……


「ごめん……つい魔物に見とれてた……

でも魔物だから退治しないとダメ……だよね? 」


「サクラ様、あのもの達はステータス異常を起こしております」

「ステータス異常? 」『鑑定』してみると

『うっとりしている』とステータスに表示された


「えっ?!」

……これってもしかしてスキルが発動したの?

ギターを見下ろす……

『様々なものに様々な影響を及ぼす』と鑑定された……

……いや、それにしてもアバウト過ぎでしょう!

……『様々』って……

後は自分で検証しろって?


『うっとり』かぁ〜

確かに目がうるうるしてる

……かっ、可愛い……

そうだっ、エサ、エサっ!

『魔物のエサ』なんて持ってないから

とりあえず『キャットフード』で良いかな?

……ちなみにドックフードを選ばなかったのは、キャットフードの方が美味しい……って聞いた記憶があったからだ……


キャットフードのドライタイプを急いで購入して、魔物たちから少し離れた結界の外にキャットフード(カリカリ)をこんもり置いてみる


私を目で追っていた魔物達がキャットフード(カリカリ)に近づき……

フンフンと匂いを確認して口にしだした


う〜食べてる、食べてる〜やっぱり可愛い〜


食べ終わるとみんなで私を見て……

脱兎のごとく走り去って行った……

「えっ?!帰っちゃうの?!」


………………

終わり?? 食べたら終わりなの?!

……ちょっと期待したんだけど……

もしかしたら『仲間』に出来るんじゃないかって……

『仲間になりたそうにしている……』とかさ〜!!


はぁ〜……そう上手くはいかないか……

……何か残念……


「何か効果あるのかな?」

手元に残ったキャットフードを見る……


『キャットフード』異世界のペット食品

食べた魔物の気性がしばらく穏やかになる


……なるほど……

じゃあ……これを食べさせて、その隙に逃げる……とか出来そう?

なかなか良いじゃん!これ!


「……サクラ様……」

あ〜……ごめん……聞いてなかった

「ごめん! 聞いてなかった……何? 」


「魔物たちのドロップ品がございました

……どうぞ……」

反射的な手を出した……

掌には小さな色付きの石……宝石??が数個と小さなコイン? メダルが数個あった


「倒した訳でもないのにドロップ品?」


「『魔物からのお礼の品』だそうです」

「お礼? なにそれっ?!」

「お礼とは「感謝の気持ち。それを表す言葉や贈り物」です」


……「えっ?!あっ……はい、ありがとう」

何かちょっと違うけどそういう事だよね


アコギの音色でうっとりしてたら、

美味しい食べ物もくれてありがとう〜って事?


ん〜、まだ良くは分からないけどアコギの音色が魔物の精神状態に影響を及ぼすって事なのかな?

すっごい不快な音を出したら不快になって苦しむ……とか?

……まぁ、そんな事は試さないけどさっ!

音楽は音を楽しむ為にあるんだからっ!


「サクラ様は魔物と従魔契約を結びたいのですか?」

シェリーに問われた

「……従魔契約? 」……契約……

そっか、簡単に魔物を仲間にしてみたいとか無理なのかな?

魔物と仲良くなれるのは……魔物使い……テイマーだっけ?


「あ〜契約とかそんなんじゃなくて、よしよしって撫でて見たかったなぁ〜とか、仲良くなれたら楽しいかな〜とか思っただけだから」


うん、生き物を家族に迎えるにはしっかりした覚悟と準備がいるんだから気軽にか「可愛い〜」とか思っちゃダメなのよ、うん


「サクラ様、同期が完了致しました」

携帯電話が私の手に戻って来た


ロック画面の待ち受け画像が『人型……上半身のみ……のシルエット……

緩いウェーブ……ロングヘアー』になっていた


「っ?! これってシェリー?」

「その様です。サクラ様のワタクシのイメージかと思われます」


私のシェリーのイメージ……

シェリーって、超優秀な『秘書』って感じがするんだけど……

実は私の中のシェリーは『エージェント』って感じなのです!!ふふっ

『スパイ』って言うか……そう言う任務も軽々とこなせちゃうスーパーレディ


「……なんなりとお申し付け下さい」

シェリーにそう言われた

……ここに最強のパートナーが誕生した……


よしっ、とりあえず『ワラの家』に向かって出発しよう!


「……サクラ様……

サクラ様が仰ってる『ワラの家』は『ペタ』と言う村でございます」


「……家じゃなくて村なんだ……

ありがとう、了解した」

どれ位の村人が居るのかな?

到着するのが楽しみになって来た


野営道具一式をアイテムボックスに入れて出発!


アイテムボックスがどんな仕組みでどうやって収納されたのか不明だけど……

シェリーがそのまま……完成したままのテント毎中身も一式アイテムボックスへしまってくれた

もう解らない事は考えない事にする



――つづく――




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