#7レッツ野営!
……アイテムの所持金を確認した……
買い物をしたから少し減ったので、
最初の所持金をシェリーに教えてもらった
想像した通り『金貨『銀貨』『銅貨』『鉄貨』を所持していた
シェリーに教えて貰って
『銀貨』は『銅貨10枚と同等』って事は日本円にして1,000円
『金貨』は『銀貨10枚と同等』で10,000円って感じの様だ
そして所持枚数は……
各種10,000枚ずつ……
………私をこの世界に転移させた人物は
超お金持ちで超絶強いに違いない
セレブの金銭感覚って私達庶民とはかけ離れてると思う……
そして強い……戦闘力の高い人は戦闘力の低い者の脆さを分からない……んじゃないかな?
だからステータス値も所持金も「これ位かな? 」なんて感じで設定したのではないだろうか……
私がこの世界で簡単に死なない様な能力って事で
確かに弱かったら最初に魔物に合った時点で多分『ジ・エンド』だっただろうし、食糧もなくて餓死してただろうし……
もの凄〜く有難い事ではあるんだけど……
ちょっと行き過ぎ……って言うか……
所持金は日本円にして1億超え……
この世界がどんな所かまだ分からないけど
贅沢しなきゃ十分生きて行けそうじゃない?
強さや魔力なんて一般人として生きて行くにはそこまで必要じゃないと思うし……
……なんか、アバウトだなぁ〜
そんな風に思えて脱力した……
なんで私をこの世界に転移させたんだろう?
『選ばれし者』なんて事は多分……ない……
私は何処にでもいるごくごく普通の人間だ
『たまたま私が目に付いた』とか?
でもってステータスとかスキルとかチェックを誤って付与しちゃったとか?
ん〜それとも事故?
……もしかしてこの世界の誰かが『勇者召喚の儀式』とか行ってそれが失敗……
バグって私がここに転移されたとか?
バグなら魔法一式とか有り得そう……
それとも……
……くっ……つい妄想癖が……
妄想してもしょうがないでしょう……
いくら考えたって分かる訳ないし、
誰かが応えてくれる筈もない……
私って馬鹿? ……今更か……
……気を取り直して!
とりあえず所持金はそこそこあるので野営をする為の道具を購入しようと思う
家を魔法で造れないかな? とも思ったんだけど、寝てる間に崩れて来たらシャレにならないので断念した
って言うより、家の出し方が分からなかった……
なので通販でキャンプ用品をあれこれ購入
初心者でも簡単に設置出来るテント……
ポップアップテントなる物を購入……
高さもそれなりにあって大人数でも寝る事の出来る大きめのテントにした
ソロキャンプではあるけれど、
広々とした空間で休みたかったのだ……
他にもテーブル・イス・ランタンなどを購入
寝具は寝袋かな〜とポチりそうになったけど、
キャンプしたい訳ではないので普通の布団セットを購入した
不器用な私でも何とかテントは設置出来た
今どきのテントって凄い!!
うんうん、良き良き
休む場所は確保出来た
でもここは魔物が出現する草原な訳で……
寝てる間に襲われたらお終い
そこで『結界魔法』とやらを試してみる事にした
スキルレベルが上がったからなのか?!
魔力が何なのか、頭で理解すると言うより……身体が勝手に反応してくれる様な感覚だ
結界のイメージを膨らませる
あんまり近くに魔物に来て欲しくない
範囲はテントを中心に半径3メートル程度の半円……をイメージ……
自分を中心にコンパスで円を描くイメージでグルっと1周……
そして上空にも3メートルの円を描く……
地下を移動出来る魔物もいるかもしれないので深さ2メートル程のそのまま円柱状に広げるイメージ……
何とかドーム型の結界を張ることに成功した
強度がどれ位あるのかは不安だけど
それなりの魔力を込めたつもりだ
眠ったら結界が消えるってオチは困るので
永続?!固定?!そんな感じでイメージしてみた
「シェリー、どうかな?
この結界で魔物の侵入塞げる? 」
「……はい、この辺りに生息する魔物が近寄る事は出来ません」
「……眠っても解けない……よね? 」
不安だったので聞いてみる
「…はい。問題ございません」
「よっし! 」軽くガッツポーズ
出来るじゃん私! 頑張ったね!
暗くなる前に寝床と結界を準備する事が出来てほっとした
突然異世界に放り出されたというのに、
既に適応している自分に驚く……
とりあえずの目標は『ワラの家』だけど
明日はその前『スキル』に関しても考察してみようかな……
ちょっと思いついた事もあるし
そんな事を思いながら、私はいつの間にか眠りに落ちていた……
☆☆☆☆☆☆
……昨夜は思いっきり寝落ちしました……
夜のこの世界も見たかったのに……
星は? 月は? 陽が沈んだ後の明るさは?
……体力的にはともかく、やっぱり精神的に疲れてたのかなぁ?
布団の上に寝っ転がってたつもりだったのに目が覚めたらしっかり布団の中に居た……
無意識で布団に入ったのね……
ってか服もちゃんと脱いで一緒に買ったパジャマに着替えてたし……
飲み過ぎてどうやって帰って来たのか覚えてないけど、目覚めたらベッドの中……って感じ?
とにかくテントには朝の日差しが降り注いでいるようだし起きますか!
テントを出て「う〜ん」と伸びをする
うん、今日も良い天気だ
お日様おはよ〜
「シェリーもおはよ」
「……おはようございます」
たっぷりの睡眠を取ったおかげか、スッキリとした目覚めだった
普段は朝食もそんなに食べない方なのだけど……
なんだか今朝は某ファストフード店の朝のセットが食べたくなった……
デリバリー大好きな私は当然ここも登録している
まぁ、配達料金が勿体ないから受け取りに行くけどね
ネットで注文すると待ち時間なくて良いし
……ふんっ、家事全般出来なくたって美味しいものは食べれるし生活はできるよ
……意外と根に持つタイプなのだ……
外での食事はピクニック気分でちょっと楽しい……
朝食を済ませて昨夜思い付いた事をシェリーに確認してみる
「ねぇシェリー、このケータイってシェリーと共有……って言うか同期……って言うか……データ取り込む事って出来る?」
シェリーって『AI』って事だし携帯電話ってもはやパソコンでしょう?!
その情報を取り込めたら更に物知りになってくれるんじゃない?!とか考えちゃったんだよね〜
「……………少しお時間とサクラ様の魔力をお貸しいただければ可能です」
おぉ〜流石!!超優秀なシェリーさんだ
「やった〜! 出来るのね!? じゃあお願い」
とケータイを差し出す
ケータイがモヤに包まれて……
……………………………
しばらく待たないとダメかな?
「作業中はアイテムとか見れない?」
他にも試してみたい事があったので聞いてみる
『アイテム一覧』が表示された
無言だけど今は処理中って事で良しとしますか……
――つづく―――