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22 新しい能力 天ちゃん編

《サクラさま〜ボクの力見て〜》

戻ると天ちゃんがそう言いながら走って来た


「ごめんね〜帰って来たのにまたすぐに出掛けちゃって」天ちゃんをヨシヨシしながら謝った


「さて、教えてくれるかな?

2人がどんな事出来る様になったのか」


「じゃぁ〜まずは天ちゃんから」

《うん、ボクね、お水が出せるよ、お水をキレイに出来るの》

「うんうん、お水が出せるのね〜」

んっ?!そうか、天ちゃんには雲の属性で雨を降らせる事が出来たはず……

くぅ〜忘れてた……ってか思いつかなかった……

私ってば、ミネラルウォーターを洗濯とか洗い物に使うのが勿体なく感じて躊躇してたのよね……

天ちゃんにお願いすれば良かったんだ……「雨降らせて」……って

……はぁ〜ちょっと凹む……


「サクラ様? ワタクシから説明致します」

あっ、ごめん、お願いして良い?

「天ちゃんの出せる水は以前はサクラ様のイメージからかサクラ様が以前居らした世界の雨水でした

それを精霊様のお力で『飲料水』としてそのまま利用する事が可能となりました」


「なるほど、天ちゃんのお水は飲めるのね

凄いね、天ちゃん」

《うん、一杯出せるよ〜》


「じゃぁシェリー、コップ出してくれる? 」

「はい、かしこまりました」

と、私の手にコップが届く

「ありがとう」とシェリーにお礼を言い、天ちゃんに

「天ちゃん、この中にお水入れられる?

ちょっと小さいけど」と、コップを差し出すと

《うん、やってみる〜》

と、天ちゃんがコップに近ずき、水道からの様に水がコップの中へと注がれた

「わぁ〜凄い凄い!!上手だね〜天ちゃん」

少しも零さずになみなみと注がれたコップを見て感嘆の声を上げる


「天ちゃんのお水、飲んでみて良い? 」

《うん、飲んで〜飲んで〜》天ちゃんがクルクルはしゃぐ

零さないようにコップに唇を近ずけて一口……

「うん、美味しい!!」

一口のつもりがゴクゴク飲んでしまった……

私ってば喉乾いてた?!

そうだ、鑑定、鑑定……残り少ないけど……

『飲料水(天ちゃん特製の美味しい水)』

ただの飲料水じゃなくて『美味しい水』なのね。凄っ

「天ちゃん、とっても美味しかったよ

これからも飲ませてね」とグッジョブって感じてサムズアップ

《やったぁ〜》とクルクル回って喜ぶ天ちゃんが可愛いかった


「次は……沢山のお水を出して貰っちゃおうかな? 良い? 天ちゃん」

《うん、いいよ〜》

「シェリー、洗濯セット出してくれる? 」

と、お願いして洗濯物と角型のタライ・洗濯洗剤・柔軟剤をアイテムボックスから出してもらう

……ここは外じゃないから濡れない様に……

「シェリー、レジャーシートもお願い」

と、レジャーシートの上にタライを乗せる


「天ちゃん、この中にお水入れてくれるかな? 」

タライを指さすと

《は〜い》と元気な声と共に雨の様なシャワーの様な水が天ちゃんから落ちてきた

「お〜凄いね……ん〜それ位で良いかな、天ちゃんストップ」

「いっぱいお水出したけど大丈夫だった? 疲れたりどこか痛かったりしない?」元気そうには見えるけど、天ちゃんに確認する

《うん、平気だよ、もっと出せるよ》

と、ちょっと得意気な声が帰って来た

「ありがとう、これからお水が必要な時はお願いね」天ちゃんを優しく撫でた


折角なので、簡単そうな物をひとつ洗ってみようかな……


「サクラ様、天ちゃんの能力(ちから)もうひとつは『浄水』『浄化』でございます」

「浄水・浄化?!」思わず聞き返す

「はい、例えばそちらの洗濯後の洗剤が含まれた水を飲料水へと浄水処理が出来ます」


!!!!!!それっ!!凄くない?!

私、今まで洗濯後の水や食器を洗った後の水は汚水だからその辺に捨てて良い物なのか迷って結局全部アイテムボックスに仕舞ってたのよね

浄水出来るって事は捨てなくても何度も使えるって事じゃない!!

凄っ……良いの?!そんな凄い能力(ちから)貰って……


「……サクラ様?」

びっくりして固まってた私を心配してか?!シェリーから不安気な声が掛かる

「ごめんっびっくりしちゃって……

確認させて貰って良いかな? 」

と、さっき出して貰ってた洗濯セットでハンドタオルを洗う

ジャブジャブ洗ってハンドタオルを絞って……

「天ちゃん、このお水浄水してみてくれるかな? 」と、天ちゃんに声を掛ける


《うん、分かった〜》と天ちゃんが言うと天ちゃんからひとつまみの雲状の塊がタライに落ちた

塊は水に触れると直ぐに消えた

…………

「終わり? これだけ?」

……「か、鑑定!!」

『浄水された水・飲料水(天ちゃん特製の美味しい水)』

「凄い……飲料水レベルに浄水されてる……」


「じゃぁ、次はハンドタオルすすいで……」

と、黙々と洗濯の続きをする

もう一度ハンドタオルを固く絞り「天ちゃん、もう一度浄水して」と天ちゃんに声を掛けると

「サクラ様、どうしてハンドタオルを取り出すのですか? 」とシェリーに声を掛けられた

「??どうしてって……洗ってすすいで……」

「そのままハンドタオルに含まれた洗剤分も一緒に浄水処理するのではダメなのですか? 」


!!!!!!目からウロコだ……

「そうだね……洗濯機の行程しか考えてなかった……洗って脱水してすすいで……」

先入観……固定観念って怖いわ〜

己のあまりの馬鹿さ加減に恥ずかしさがマックスになりそうだった……

「ありがとうシェリー、洗濯物ごと浄水出来るって思いつかなかった」と、てへっのポーズを取った……

「はい……」シェリーはちょっと不思議そうな感じで返事をしてくれた

私の馬鹿さ加減か「てへっ」ポーズか、どちらに呆れたのかは分からなかったが……


ハンドタオルをタライに戻して「天ちゃん、浄水処理お願い」とハンドタオルごと浄水してもらった

最後に柔軟剤を入れて……今度はハンドタオルを固く絞って水のみを浄水してもらう


ハンドタオルはよく振って……

風魔法に火魔法を含ませ乾燥……洗濯終了!!

ふんわりハンドタオルの出来上がり!!


……いや、洗濯はまだ終了じゃない……

他にも洗わなきゃならない物がある……

まぁ、とりあえず今は洗濯は置いといて……

2人の能力に集中集中……


「でっ、シェリー?!

『浄水』はわかった。『浄化』って具体的にはどんな事が出来るの? 」

「申し訳ございません……実際に試してみないとはっきりとした効果は分からないのですが……」

シェリーが申し訳なさそうに言う


「そっか、やっぱそうだよね〜

『浄化』って言うと『聖水』ってイメージなんだけど……

『アンデット系の魔物』を消滅させられるとか?

スケルトン・ゴースト・グール・ゾンビ・マミー・レイス・リッチ・などなど、こういう系?


あとは……毒とか麻痺とか……

状態異常の治療とか?


ついでに食べ物の殺菌?

菌とか微生物とか身体に良くないものを除去してくれたりすると助かるよね。

魔物のお肉とか食べれるけど生って無理っぽいでしょう?


あと卵とか!、卵も日本では普通に生で食べられるけど、そうでない国も多いからね……卵かけご飯とかふわとろのオムライスとか美味しいよね〜


それから〜お刺身!!きっと海だってあるだろうからお魚いるよね? あっ、川もあるよね?

でも生で食べる文化はおそらく期待出来ないし……

地球とは違う微生物とか菌とか居そうな気もするしさ〜

そんなのまとめて浄化出来たら凄いよねっ?!」


あっ……しまった……調子に乗り過ぎた?

「ごめん……まくし立て過ぎた……」


「いえ、大丈夫でございます

サクラ様のご希望が叶うと良いですね」

《ボク、よく分かんないけど頑張るよ〜》

シェリーと天ちゃんに慰められた……恥ずっ


「ありがとう天ちゃん、これからもよろしくね」

《うん、ボクこれからもサクラさまとシェリーのために頑張るよ〜、サクラさま〜》と天ちゃんが私に頬ずりする、私も天ちゃんをギュッと抱き締めた


――つづく――




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