表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/107

草原に降り立つ

見つけて下さりありがとうございます

更新は不定期ではありますが「火・木・土」を目標にします

どうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m

はっ!

もしかして寝てた?

一瞬意識を失ってた感覚に慌てて顔を上げる


……………………っ!


「へっ?なにこれ?!」

驚きのあまり思わず変な声が出てしまい、咄嗟に自分の口を両手で塞いで左右を見渡した


私の周りには果てしなく広がる緑の草原があった


『頭が真っ白になる』って言うのはこれ?

何も考えられなかった……


どれだけの時間自失呆然していたのか分からないけど

手に痺れた様な感覚を感じで我に返った

知らずに手に力が入っていたらしく爪が手の平にくい込んで痛かった

「痛いって事はこれは夢じゃないのかな……ははっ」

爪痕の付いた手の平を見つめながら呟いた

これが乾いた笑い……自嘲?……ってヤツ?


それにしてもなんなの?

こっ、ここは何処なの?!

なんでこんな所に?


頭の中にいくつもの『?マーク』が浮かぶ


けっケータイ!

そうだっ!

ケータイで地図を確認しようっ!


斜めがけにしているバッグの中に手を入れて携帯電話を探す


「あっ、あった!ち、地図地図……」

ケータイを触る私の視界の端に何が映る……

反射的にその方向に視線を移すと、

そこには長方形の何かが浮かんでいた

例えて言うなら壁掛けテレビの画面、

いや、これはドラマや映画で登場する空中に浮かぶ半透明のスクリーンと言った方が良いのかな?


四角の真中辺りに赤く点滅する点がある


しばらく唖然と目の前の緑のスクリーンのような物を見つめた


どうして突然『これ』が現れたのか思考を巡らす

『これ』が現れた直前のわたしの行動は……

記憶を辿る


『地図地図』って声に出した


……もしかしてこれ地図……なの?


私が地図って言ったからこれが出たの?

思い当たる事はそれしか無かった


これが地図だとして、

この点滅している赤い点が現在地……って事かしら?


……でもそれ以外は全部緑色なんですけど……


緑って事はこの場所が草原だから?


もしかして?

ケータイのマップを見る要領で宙に浮かぶ画面に触れ見た

ちゃんと触れる事が出来た

そしてピンチインを試す

人差し指と中指で画面をつまむように狭める

「あっ……やっぱり……」

思った通りだ

無事に地図の縮尺の変更に成功した


赤い点滅現在地……現在地の左上の方に『三匹の子ぶた』のお話に出てくる『ワラの家』の様なマークがある

「こっちに家があるって事かしら?」

最初のピンチインで現在地近くに出てきたのはそのマークひとつのみだった


もっと範囲を広げれば他の施設、建物とか出てくるのかな〜


うーん、これって……世界地図とか見れるのかな?

さっきは『地図』って言葉に反応する様にこれが出たのよね。だとすれば……


「世界地図見たいな……」

心の中で呟いて見る……

するとスクリーンの画面が変化した

っ?これが()()()()の地図?


敢えて『()()()()』と言ってみました、はい

明らかにこの地図は私の知っている『世界地図』ではありません(自虐気味に吐く)


なんとなく……

薄々はそうじゃないかと気づいてましたが……

やっぱりここは私の知っている世界ではない


って事はここは『異世界』って事?

私は『異世界』に飛ばされたって事ですか?!



何が起こったのか分からない

有り得ない状況だと言うのに、

何故か私はほんの少しの時間で落ち着きを取り戻していた

開き直っただけなのかもしれないけど

『異世界へ転移する事』が必然の様な気がしていた




これまで見たり読んだりしてきた『異世界系』や『タイムリープ系』作品を思い出す


ファンタジーの世界は楽しい


でもそれはあくまでも『物語』であって……


現実には起こりえない事だから物語に没頭出来るのであって……


でも……

「もしかして……これリアルに噂の『異世界召喚』ってやつですか〜〜?」





――緑の草原で意識を取り戻す少し前のお話――


っ!

何?ここ……何処?


わ、私……

もしかして死んじゃったの?


だっ……だってここって……




私が立っている場所はとても綺麗な世界だった……

こんな場所は存在する訳がない


何処までも広がる真っ青な空……

こんな綺麗な青空見た事がない……


そして私が踏みしめているのは……

空と同じく何処までも続く一面の雲海……


飛行機の窓から見える雲海……そんな感じだ

空と雲のコントラストが綺麗で飛行機はちょっと苦手なのだけど窓から見える風景は好きだったりする

「あの雲の上、歩けたらな〜」と大人になった今でも思ったりする

『雲に乗りたい』は永遠憧れなのかもしれない


私はしゃがんで足元の『ふわふわ』『もこもこ』な『雲』にしか見えない地面?に触れてみた


シルクの様なスベスベとした滑らかな手触りなのに

ファーの様なふわふわ感、そしてフリースの様なモコモコ……


く〜っ……

これはダイブするしかないでしょう!


思いっきり雲の大地に倒れ込む……


ふふっ……

想像通りの程よい弾力で全身を受け止めてくれる『雲』

「ふわふわ〜もこもこ〜倖せ〜」


例え此処が『死後の世界』だとしても!(そうとしか思えない)

生き返るチャンスが与えられなかったとしても!

だって……『臨死体験』?

あれっていわゆる『三途の川』の向こう岸で亡くなった人が「こっちへ来てはダメ」とか

『花畑』の向こう側に光が見えてそっちに行こうとしたら……

そんな感じで意識を取り戻すものでしょ?!


それなのに……

私はそんなチャンスもなく、その先の『もう戻れない場所』に来てしまってる……

……もしかしたら『橋』を渡って『光』の中へ入ったのかもしれないけど……

でも覚えてないんだからそれは無かった事と同じでしょう?

私は死んだのよ……

そしてここは『天国』? ……ではないよね……

その手前の『天国』や『地獄』に行ったり、また新しい生命になって『転生』とかする場所?

もしかしてどこかに『窓口』……とか『受付』……とかあるのかな?


突っ伏したままの姿勢でゴチャゴチャ考えていたけど、ソロソロと起き上がり座り込む




「そろそろ……よろしいかしら?」


突然話しかけられビクッとする(小心者なのです)


だっ、誰か居た〜!?

恐る恐る顔を上げる……

っっっ……瞬時にこうべを垂れる……

直視する事がはばかれるなんて事現実にあるだろうか?

あ……あれは……いや、この御方は『神』だ『女神』だ……

いやいや『神様』もしくは『女神様』だ

直視したらダメっ……

目が潰れるっ!バチが当たるっ!

本能的に危険を察知したかの様にギュッと目を閉じる


居たんだ〜本当に神様って〜

私は特に強い信仰心は無い

大晦日には『除夜の鐘』を聞いて、

お正月は『神社にお参り』

そして『クリスマス』にはケーキを食べる

結婚式はウエディングドレスを着て教会も良いけど、白無垢を着て神社で厳かな雰囲気も捨てがたい……

なんて考える節操無し


すみませんっ……許して下さい

信仰心がない事を自分から告白しながら

これはダメなやつだと気付いて謝罪の念を飛ばす

でも今更そんな事言っても無意味な気がして……

私の馬鹿馬鹿っ! もう何も考えちゃダメっ!


『クスッ』そんな擬音がピッタリのキュン死にする様な微笑みが身体を包む……

見てないけど分かるっ!

めっちゃ品があるのに底なしに可愛くて身体中の水分が沸騰して蒸発してしまう程の破壊力の笑顔がそこにあるっ!


違う違うっ!

『品がある』だの『可愛い』などと形容する事自体万死に値する

全身から湯気が立っているんじゃないかと思う程の体温上昇の中、また余計な事を考えてしまった……とこのまま消えてしまいたい気持ちになる



「……私は貴女とお話がしたいのだけど……」


1人テンパっている私にまた心地よい声が届く

『話す』って会話の事ですよね?

無理無理無理っ! 絶対無理っ!

もう雲の中に頭を沈め様とする勢いで更に頭を下げる


「しょうがないわね……」

わぁ〜どうしよう?!神様に呆れられた〜


「これならどうかしら?」

……っ!さっきまでの目を開けることが許されない程の神々しい光が少し弱まった?


固く閉じた目を開けてゆっくりと顔を上げる……


そこにはもう『この世の者とは思えない(この世の御方ではありませんが)』美しくて愛らしい……形容する言葉すらこの世に存在しないレベルの美女が居た

まさに『聖・女神様』

意識を放棄せずに保てた自分を褒めてあげたいよ……



――――つづく――――


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ