3 母とのやりとり
「ヨシオ!あんた納豆ちゃんと食べや!全然食べてないやないの!」
それに対して納豆が甘いものと同じくらい苦手なオレは、鼻をつまみながらこう返すのです。
「いや、だからオレは納豆嫌いやねん。こんなんご飯と一緒に食べられへんわいな」
「食べられんわいなとちゃうわ!食べわいな!」
「食べわいなってあんた!だから納豆嫌いやって言うてるやんか!」
「何でやのよ⁉」
「くさいやんか!こんなくさいモンよう食おうと思うなぁ!」
「これがええんやないの!それに納豆は体にええんやから、食べんと大きくなられへんのよ⁉」
「ホンマかいな!オレ毎日牛乳飲んでるけどこのアリサマやで⁉」
「それはあんた、牛乳と納豆を一緒に飲んで食べてせぇへんからやないの」
「これまたくさそうな組み合わせやな!」
「そうすれば頭が天井を突き破るほど大きくなれるで?」
「嘘つけや!仮にそうでもそんなに大きくなりとうないわいな!」
「なったらええわいな!」
「さっきからオレのわいなにちょいちょい乗っかってくんのやめろや!」
「乗っかってもええやないの!納豆食べぇや!」
「だからもう納豆はええねん!くさい上にネバネバしてるし!」
「このネバネバしたのがええんやないの!
あんたも納豆を食べたらネバネバとねちっこい、魅力的な人間になれるんやで⁉」
「みりょく的な人間はねちっこくないやろ!」
はぁ、まぁ、朝のお母ちゃんとのやりとりは大体こんな感じです。
せっかく今回はかしこい感じでやって行こうと思うたのに台無しやないか。
もうええわ、いつも通りいくわ。
こんな感じでアホな言い争いをしていると、玄関の方から、
「ヨシオーッ!来たでーっ!」
という、オレの家の隣に住むマサノブの声が聞こえて来た。